よい形と悪い形

■はじめに

何回か対局していると、基本戦術である追い込みがうまくいく場合とうまくいかない場合があることに気がつきます。逆に追い込まれてしまう場合もあります。これは駒同士の位置関係によるもので、めだまがえるには悪い形とよい形があります。具体的にどういう形がよくてどいう形が良くないのでしょうか。典型的な例をみてみましょう。

■悪い形

自分の駒: 緑1, 緑3

相手の駒: 白2


緑1を助けるには白2を捕まえることができる緑3が必要です。しかし、緑3が緑1から離れすぎており、緑1をどうやっても助けることができません。このように、助ける駒が遠い場所にいる形が「悪い形」です。

■よい形

自分の駒: 緑1, 緑3

相手の駒: 白2


白2は緑3が居るために真っ直ぐ追いかけることができません。斜めに迫りますが斜めにかわされてそれ以上追うことができません(今度、白2が32に行くと緑1は34に戻って最初の局面に戻ります)。緑1の隣に緑3を置く配置は、相手の攻めを牽制している「よい形」の典型例です。

■先手の序盤でよく見るあの形はよい形

初手でよく指されている55緑1もよい形の典型例です。これまで「なんとなくよさそう」という感覚と経験則で指されてきました。なぜこの形がよい形なのでしょうか。


白5に近づく意味ももちろんありますが、緑4を白5から守り、かつ白3と緑2の間に移動することで壁の役割を果たしています。この一手だけで緑4と緑2の2つの駒と連携している一石二鳥の一手だったわけです。

一見すると緑1が前に出ることで白2に近づいて悪そうに見えます。しかし、43白2として前に出た緑1を狙ってきますが、45緑3として白2を牽制することができます。白2はこれ以上前に出れません。

今度は緑3が前に出たことで白4に近づいています。となれば、33白4と緑3を狙う手が自然な一手です。今度は緑3を守るために35緑5とすれば、白4はこれ以上前に進めません。


緑5を追い払うためには白1が必要ですが、白2と白4が邪魔で緑5に迫るには遠回りしなければいけません。すぐに緑5が追われるという心配がありません。


白がすぐに悪くなるわけではありませんが、白から先攻して攻めるのが難しい形になっています。

序盤で登場する緑のこの形を「いちごぐみ」とももこさんが命名しました。あえてひらがなにしてダブルミーニングを狙ってます。🍓

■まとめ

めだまがえるの「悪い形」「よい形」の考え方は、将棋の「ひもを付ける」と似ています。将棋と違ってめだまがえるの場合は取れる駒に制限があるため、駒の効きだけでなくお互いのめだまの数を考慮する必要があります。


自陣はできるだけよい形になるようにして、相手の陣形は悪い形になるように誘導すると勝ちやすくなります。


一方は良い形を目指す、また一方はそれを阻止するといった攻防も、めだまがえるの面白さの一つです。


どの場合においても常に最善という形は存在しません。相手の形に呼応して変化させることが大事です。


兵の形は水に象る

めだまがえるの場合、「手をつなぐ」と言った方が、かえる達が手を繋いでいる微笑ましい姿が想像できてよいかもしれませんね。🐸🐸🐸