東北の名峰 飯豊山(2105m)

【実施日】9月10日~11日

【参加者】:6名

【行動記録】

9/9 武蔵浦和駅22:30→東北道経由→会津若松IC→2:30道の駅あいづ湯川(仮眠)

9/10 6:00→7:00御沢野営場(朝食)7:30→御沢登山口→14:40切合(きりあわせ)小屋・泊

9/11 4時起床・切合小屋5:05→7:15飯豊山→9:27切合小屋10:00→御沢登山口→15:07御沢野営場15:50→飯豊の湯(夕食)17:05→会津坂下(あいづばんげ)IC→東北道経由→浦和インター―→池袋駅22:25解散

 

【山行記録】

武蔵浦和駅を定刻に出発し、時折雨が降る中、予定通り「道の駅あいづ湯川・会津坂下」に到着。仮眠をとる

普段よりゆっくり起床し、川入集落から御沢野営場を目指す。

川入の民宿までナビを入れ、その先は狭くガードレールがない道を通り、野営場駐車場についた。

平日にもかかわらず、多くの車が駐車し、飯豊山の人気ぶりがうかがえる。

朝食をとり、身支度を整え、出発した。

今回は避難小屋泊で、食材分やシェラフ等の荷物が肩にずっしりと来る。

また9月と思えない暑さも加わり、ペースが全く上がらない。

途中の峰秀水で冷たい水を補給し、首回りを冷やし、生き返った。

時間にゆとりがあったので、ポイントでは、代表からコンパスで地図読みの指導を頂いた。

剣ヶ峰の岩稜にとりつくと、新潟側から心地よい風が吹いてきた。

健脚な日帰りの下山者と安全な場所ですれ違った。

三国小屋手前に水場があったが、ロープが取りつけられ急斜面を下るようだ。中々のチャレンジ水場だ。

三国小屋前の広場で大休止。

話し好きの小屋番の主に三国岳はどこかと聞いて笑われてしまったが、小屋がある所が三国岳だった。

三国岳から御西岳迄の登山道90cmは福島県で、左側は新潟県、右側は山形県。

明治時代に、飯豊山奥の院がある土地を福島県に組み入れた為、このような県境になったそうだ。

細い福島県の登山道を歩く。

アップダウンを繰り返し、梯子、鎖を越えると稜線にでた。

濃淡の緑の絨毯に白い登山道が続く風景が、絵画のようだ。

固有種のイイデリンドウの時期は過ぎたが、ミヤマリンドウ、ハクサンボウフウ、チングルマ等、お花畑が広がっている。

東北の山並みはアルプスの山容とは違う。標高は高くないが山々が連なり奥深い。

この暑さの中に、雪渓も残っていた。さすが会津は豪雪地帯だ。

なだらかな稜線の先に、やっと切合小屋が見えた。

立派な避難小屋で、夏場は管理人が常駐し食事提供もある。

更衣室もあり、トイレも奇麗。小屋前に豊富な水場があり、最高のロケーションだ。

定員100名の所、本日の宿泊者は十数人。私達は1階奥に余裕のスペースをもらえた。

素泊まり3000円。手続きを済ませ、外のテラスで宴会準備を始める。

今日の6人にうってつけの特設テラスだった。

Tさんが担ぎ上げた日本酒で、亡き登山仲間へ献杯し 燦燦と照り付ける太陽の下で宴会が始まった。

小屋のソフトドリンクや缶チューハイは売り切れていたが、ビールだけ在庫があった。

食事当番のRさんが、山中でも妥協しない食材とメニューを考え、雄大な景色を堪能しながら、贅沢な時間に酔いしれた。

生卵を持ってきて作ってくれたキャラメル蒸しケーキ。

Rさんのサプライズに感激ひとしお。本当にありがとうございます。

ケーキは夕食では食べきれず、翌日の山頂で、皆で美味しく頂いた。

翌朝は、屋根付きの炊事小屋で私達だけの朝食を食べる事ができ、不要な荷物もデポできた。

多めに作ったご飯でおにぎりを作り、各自に配分し、いざ出発。

歩き初めてすぐ朝日が昇り、オレンジ色の世界に包まれた。写真タイムが止まらない。

雲海と山並みが、水墨画のように広がっている。

飯豊山は信仰の山。信仰登山が盛んとなった江戸時代は「飯豊詣」なる習わしがあり、成人男子と認められる為に登拝していたとの事。

登頂前に信者が草履を替え心身を整えていた「草履塚」、赤い着物をまとった「姥権現」の石像、日頃の行いが悪いと神隠しに遭ったり天狗にさらわれると伝えられた「御秘所」を通って、本山小屋に着いた。

飯豊山神社は本山小屋の奥の小屋に奉納されていた。

神社から先のなだらかなビクトリーロードを歩き、念願の飯豊山に登頂。

計画しても中々来れずにいた飯豊山にやっと登頂する事ができ、本当に嬉しい。

少々ガスっていたが、ガスの切れ間には、先に続く稜線が見え、感無量だ。

残念な事にあっという間に真っ白に包まれ、下山を開始する。

予定より早く、切合小屋に戻り、荷物をパッキングすると、雨が降ってきた。

その後降ったり、やんだりしていた雨は、途中でから本降りになり、着込んだレインは汗と雨でずぶぬれになってしまった。

本降り前に岩場は抜けたが、粘土質の土が水気を含み、濡れた木の根と相まって滑りやすい。

行きにはなかった水たまりもできて、靴が泥まみれになった。

先頭を行くNさんから悲鳴があがった。土と同色の蛙達が登山道で突然動き出すらしい。

標高を下げるにつれ、雨はやみ、青空が出て来た。

計画書では麓に後泊予定だったが、順調に下山出来た為、予定を変えこのまま東京に戻る事となった。

格安で広い「いいでの湯(500円)」で汗を流した後、駐車場でお湯を沸かし、早めの夕食を頂く。

準備の間に代表からツエルトの張り方の講習を受けた。

その後は渋滞もなく、浦和料金所を21時半に通過、更に代表の好意により、西浦和駅を経由し、池袋駅で解散となる。

タイトな時間の中ご指導いただいた代表、素晴らしい時間を共有した仲間全てに感謝します。

    MN