夏の槍ヶ岳(新穂高から)
日程:2024年07月20日(土)~2024年07月21(日)
参加:5名
≪行程≫
◆07月19日(金)22:00新宿駅集→中央高速・松本→新穂高駐車場(仮眠)
◆07月20日(土)05:40新穂高駐車場→05:47新穂高ロープウェイ→06:40穂高平小→07:15柳谷→
→07:43白出沢→07:43滝谷避難小屋→10:18槍平小屋
◆07月21日(日)02:45槍平山荘→04:47千丈乗越→06:29槍ヶ岳山荘→07:45槍ヶ岳→08:30槍ヶ岳山荘→
→08:36飛騨乗越→11:10槍平小屋→13:55白出沢口→15:40新穂高駐車場→温泉→松本インター経由→22:00新宿
【1日目】
梅雨の大雨の影響で途中の橋が流されてどうなることかと心配していたが、新しい橋がかけられ天候もまずまずだと予定通りいくこととなった。
新穂高駐車場に着くと既に多くの車が止まっていた。隙間をみつけ車を止め早々に仮眠をとる。05時起床。明るくなっているが晴れ間は見えない。新穂高ロープウェイ駅の横を通り、右俣谷に沿って林道歩きからはじまる。ポツリポツリと雨粒があたってきた。1時間程で穂高平小屋に到着。小屋のテラスで暫し休憩。雨は止む気配なし。枯れた沢を超え白出沢口にでたところで、本格的な登山道になるよと声がかかる。勾配のある登山道を登っていく。雨さえなければいいなと思っていたのに雨は激しくなるばかり。途中からレインを着ることに。激しい川の流れる音が聞こえ視界が開けると、新しい橋がかけられた滝谷に出た。しっかりと組まれた木の橋がかかっていた。橋の下は結構な勢いで水量も多く、滑らない様に慎重に渡った。苔むした濡れた岩に滑らない様に、ぐちゃぐちゃのぬかるみに気を付けながら登っていく。山パンツから雨が滴りおち靴の中までグズグズ。あぁ早く小屋につかないかなとそればかり思っていると小屋が。10;20頃に槍平小屋に到着。まだ先に進めそうな時間だが、今日はここまで。濡れた衣類を着替え、持参したカップ麺で昼食をとる。小屋の自販機でビールや酎ハイを買いみんなで乾杯。キンキンに冷えていておいしかった。菓子をつまんだりしながら、山のあれこれや山岳会のあり方について話しをした。
今回は山岳指導員試験に臨む二人が参加していたため、たっぷりとある時間を利用して、代表よりロープワークについて学んだ。窓から見える外は雨もやみ、晴れ間も見えてきた。夕食の時間まで外のベンチで景色を眺めながらのんびり過ごした。
夕食はカレー。山小屋ではカレーがよくでてくるが、ここは少しお洒落な感じのスープカレーで小袋の別添えスパイスつき。おかわりもしてお腹いっぱいになった。
明日は身軽になって登るため、不要な荷物を談話室へおかせていただく。ゆったりとしたスペースの布団で早めに床に就いた。
【2日目】
今日はいよいよ槍ヶ岳へ。2時起床。お弁当にしてもらった朝食をたべて準備をする。3時出発予定。
ヘッドライトで足元を照らし注意しながらスタート。灯りに虫がまとわりつき鬱陶しい。
暗がりの中ひたすら登っていく。徐々にあける空の向こうに山のシルエッットが見えてきた。まだ遥か向こうだ。先頭をいくSさんが、ポイントまでの距離をあと何メートルとか何分とか声をかけてくれて有難かった。千丈分岐までくるとすっかり明るくなっていた。ジグザグとザレ場がまだまだ続いていた。
高度をあげていくと気温がさがって風も強くなってきた。小屋まであと少しの飛騨乗越で強風にあおられカッパなど防寒着をきこむ。テント場を抜け100mさらに進み、やっと槍ヶ岳山荘に到着。山荘付近はガスガスで風も強く、外にいる人もまばら。まずは、冷えた体を温めるため山荘で休憩させてもらう。豚汁をのみ登頂にむけ腹ごしらえ。いっこうに回復する気配のない天候。我々が休んでいる間に、代表が外の様子を聞いてきてくれ、風が強いのは山荘付近だけとのことで、簡易ハーネス・ヘルメットを装着し、山頂アタックに向かうことに。
鎖と梯子と天候不良、ただただ自分のことだけ、登頂することができるのか最後まで心配だった。代表の「行くぞ」の言葉を信じてアタック開始。いわれた様に山頂あたりは風がなかった。ドキドキしながら慎重に直角にも感じられる岩場を一歩一歩登っていく。整備された鎖がでてきた。ビナ通しでゆっくり登っていく。パラパラとくだってくる人と遭遇するが、登ってくるひとはいない。山頂直下の垂直の梯子、ガスで足元がはっきりせず高度感がわからず逆によかった。梯子をのぼりきり槍ヶ岳山頂へ。全員が初めての槍ヶ岳に登頂ができた。聞いた通り広くはないが我々以外は誰もおらず貸し切り。快晴ならば素晴らしい景色が見えるのだろう。祠の前で写真を撮ったり山頂を満喫し下り開始。下りも心配なところはビナ通しで下りて行った。予定時間をオーバーしたが、無事に槍ヶ岳山荘まで戻ることができた。緊張がほぐれホッとする。記念撮影をしたら直ぐに下山開始。登りは強風だった飛騨乗越では、雲の切れ間から槍ヶ岳が見え隠れし、青空が広がる景色の中を気持ちよく下りて行った。山頂で晴れてほしかったのに残念である。代表に周りに見える山を教えてもらったり、冬山でのエピソードを聞きながら楽しくくだる。ジリジリと照りつける日差しの中、槍平小屋に到着。
予定よりは早くつけたが、東京まで帰らなくてはならないので荷物をまとめて足早に出発する。
樹林帯の中を歩き日差しは当たらないが、蒸せかえるような暑さに玉の汗がながれた。足も疲れてきた感じはあったが、とにかく下り林道に辿り着く。ここからはお喋りしながら、駐車場に向け最後のひと踏ん張り。予定より早い時間でなんとか下山できた。近場の温泉に立ち寄り帰路についた。
いつしか行きたい山の一つになっていた槍ヶ岳。無事に登頂できたことは嬉しく、負担を考慮したスケジュールや、安全安心を心がけ指導していただいた事、代表に感謝致します。また参加の皆様、ありがとうございました。
(MT)