那須朝日岳東南稜登攀

 

実施日:2024年5月31日〜6月1日

参加者:16名

 

5/31 22:00武蔵浦和駅→東北自動車道-那須インター→道の駅那須1:00 仮眠

6/1 4:00起床4:15→峠の茶駐車場5:30→東南稜取付6:15→朝日岳10:50→

     →駐車場12:15→令和の湯経由→武蔵浦和

 

那須朝日岳東南稜はバリエーションルート。

火山特有のガレたルートが下から山頂まで続くため、雪・氷に覆われた冬季に登ることが多いルートと思っていたが、フレスコでは昨年に続き今年も無積雪期に挑戦する。しかも16名の大所帯だ。さてさて時間通り無事に登り切れるのか!?

 

スタートは、一般ルートからすぐ脇に入り、明礬沢沿いに薄い踏み跡をたどる。少々のやぶ漕ぎ、堰堤伝いに沢を渡り、対岸から草木につかまりながら二つか三つ堰堤を超えたらガレガレの東南稜取り付きに到着する。ここで身支度を整える。岩場で準備するときは上部

に向かって、落石に注意しながら準備をすること、と注意を受ける。

また出発前に今日の注意事項と登攀の流れについて説明を受ける。

注意事項として、3点確保、ガレた岩なので不用意に引っ張らない、浮石・落石に注意、蹴らないでむしろ上から押さえるように歩くなど。

全体の流れとして、メンバーをA班からE班まで5つに分ける。

リーダーのA班が先行しロープをフィックス、目印のテープを要所に取り付けるといったルート工作をする。B班は懸垂ポイントと垂壁の登りでC、D班を補助、最後にE班が続き、垂壁以降のガレ場ではA班の各メンバーがC、D班をそれぞれ連れて危ないガレ場を通過するという流れ。ルート上は狭く大勢が一か所に溜まれないし、落石が心配なので各班20分間隔で間をあけてスタートするというもの。よって最終E班がスタートするまでに1時間以上の待ち時間が生じることになる。

 

まずはA班が先行する。次のB班スタートまで20分待ちであるが、この待ち時間が寒いし退屈だ。女子チームはさっそく日だまりに集まりおしゃべりに花が咲く。待ちきれない会長が無線でA班に、「まだかぁ~」と催促、「まだで~す。もう少し待ってください。」などのコールがあった後ようやくB班がスタートするが、何故かC班の女子を間に入れろ、との仰せ。あれれっ?流れの説明と違うぞ。結局C班を交え一緒に進む。待ちきれないのですね・・。

 

A班が付けてくれたテープのおかげでルーファイする必要がなく、落石させないよう歩くことにだけ神経を集中させることができ有難い。そのため、通称「門」と呼ばれる岩峰の基部には思ったより早く到着してしまい、上部ではまだA班が懸垂の準備をしている最中であった。しばらく待っているとDE班もすぐに追い付いてしまった。

 

ルート上のやや広いところで少し待機したのち、フィックスしてもらったロープにアセンダーを取つけて登る。ホールド・スタンスは豊富でさほど難しくはない直登約10mの壁。続いて懸垂ポイントへ。ここも先行班につけてもらったロープでY、Sが先にギャップまで懸垂下降、Tは上部で後続のCD班の懸垂下降の補助、Yは降りてくる人を、Sは続く垂壁を上る人を補助し、順次メンバーを送り出していく。

垂壁は本ルート上で一番の核心部。被り気味のチムニーでクライミングに不慣れな人には少し難しいかも。チムニーにザックを挟んでずりあがって行く人、メインロープを掴んで登る人、適当なスタンスが見つからず苦労する人、いろいろだが下からのSのアドバイスで概ね大きな時間のロスはなく、比較的スムーズに登れたようだ。

 

垂壁から先は更に傾斜のきついガレ場が続く。兎に角石を落とさないよう集中し各自間隔を空けて慎重に進む。

やがて前方に朝日岳の頂上が見えるようになるとガレ場は終わりとなり、ハイマツの痩せ尾根を越え、最後のスラブ壁の下に出る。ここで上部から、ラ~ク!!と大きな声が。慌ててスラブ下の窪みに身を寄せた。幸い途中で止まったようで大事には至らず良かった。

この最後のスラブにもロープをフィックスしてくださっており、ほぼ階段状のスラブを快適に登りきり、本日の登攀を終了。全員で集合写真を撮ったあと山頂を踏んだ。

 

終わってみれば、計画書より2時間近くも早く山頂に到着してしまった。これだけの大人数がこれだけ早くスムーズに安全に登頂できたのは、とにもかくにもリーダーとその班のメンバーの活躍があったからだと思う。重いロープを4本も担いで随所にフィックスしてくださり、またテープで目印をつけくださりと本当にご苦労様でした。またご一緒していただいた会長はじめ皆さま楽しい山行をありがとうございました。

 

また、これだけの大人数がスムーズに進むよう、また経験豊富なリーダー班のメンバーが経験の浅い班をリードして行くよう、非常に良く考えられた流れのシステムだと思います。

 

                            By H.T