穂高春山合宿 穂高岳東陵隊

2024年5月3〜5日

参加者 4名

ゴールデンウィーク後半、天気は3日とも晴天予報。何よりも嬉しい。

初日、沢渡駐車場からタクシーに乗り上高地へ。

バスターミナルで岳沢から奥穂へ明日登るというサンダーバードヒルズの藤本さんと写真を撮って貰う。

涸沢までの長い7時間程の道のり、お喋りを楽しみながら歩く。

本谷橋を渡り休憩時にアイゼンを装着した。そこからは雪道が続く。

涸沢に着くと既にテン場はかなり混雑していた。皆でテント2張り分の整地をして、テント内での生活準備を整えてから涸沢ヒュッテのテラスに移動しビールで乾杯。

明日登る東稜がテラスからよく見えてルートの確認が出来た。

翌日 5/4、朝食のラーメンを食べて4時出発。

アタックザックで行けるので楽チンで嬉しい。

東稜へは途中まで南稜ルートを登り、涸沢ヒュッテから見えていたモレーンの上から分岐してとりつく。かなりの急登が暫く続く。アイゼン前爪とピッケルで四足歩行で登る所もあり息が上がる。疲れると登ってきた道を振り返り、まだ暗い涸沢のテン場を見つめる。三日月も綺麗に見える。

今日は暑くなるだろうから雪の状態が気になる。

6時、東稜の稜線に出る。前穂、槍ヶ岳が青空の中はっきりと姿を見せてくれる。

槍ヶ岳を右手に稜線を進みゴジラの背へ到着すると、前パーティーがロープを張っている最中で暫く待ちそうとの事なのでのんびり休憩をする。先程出ていた風も止み暖かい日差しを浴びながら行動食を取る。まさか北穂の東稜にきて暖かさに恵まれ、腰を下ろせる岩があって食事も取れるなど誰が想像出来るだろうか。

前パーティーは大学生の5人組らしく、お待たせしてすみません!と何度も頭を下げる。

若いのに礼儀正しくて立派だなーと感心。

1時間程待って順番になると、Mさんがリードを開始。核心部の1ピッチのみロープを使用し、50メートルロープを目一杯張る。ナイフリッジの岩場ではあるがホールドもしっかり確保出来るので3点支持で難なく通過出来る。

ゴジラの背を抜けた後もナイフリッジと岩場を進むと懸垂下降ポイントに着く。

しかしロープを出さなくても行けそうだ、とのHリーダーの判断でクライムダウン。

ほんの5〜6メートルキックステップで下降して右側のナイフリッジの上へ移動するだけだが、切り立った雪の斜面が遥か下方へ続き、滑落すればただでは済まない。

実際キックステップのキックが雪に深く蹴り込めない固い雪だったのでヒヤヒヤしながら通過。安全の為にロープを出すべきだったとHリーダーが言っていた。

何度かF代表と無線で連絡を取り合っていたが、奥穂隊の方も道が悪く大変だと聞いて心配になった。

懸垂下降ポイントを過ぎてしまうと、あとは北穂高小屋まで超急登を登る。1時間程かかると思っていたら良いペースで登れたので30分で到着できた。

北穂高小屋で休憩していた方達に見つめられながらが重要らしい。

小屋の上の山頂で証拠写真を撮り、北穂沢から下山。かなりの斜度があり雪も緩くなっている為滑りやすい。キックステップで暫く降りて行く。

Hリーダーが滑落停止訓練を兼ねてシリセードをしようと言うので少しだけしたら、服がびしょ濡れになったので直ぐやめた。

2時間程で涸沢に到着したので、テント撤収と横尾まで下りる準備をする。

奥穂隊も涸沢に無事に戻って来て良かった。

今回の北穂東稜は2年前に初挑戦したが、天候不順の為に南稜へ変更した経緯があり、念願叶っての登頂であった。

この機会を与えてくださったF代表、そしていつも山行計画の緻密な調整をしてくださるHリーダー、共同装備の重たいロープ、テント、食料を運んでくださった方達、本当にありがとうございました。

また皆さまとご一緒させていただける山行の日を楽しみにしております。

O.T