残雪の明神岳東稜
2024年4月27日(土)~29日(祝)
参加者3名
【行動記録】
4/26 曇り 22:15日野バス停1:30さわんど駐車場 仮眠
4/27 曇り 3:50起床4:30→タクシー→5:10上高地バスターミナル5:20出発→6:10明神館→11:30第一階段→17:00ラクダのコル テント泊
4/28 晴れ 5:00起床7:00→7:10バットレス→11:00明神岳頂上→12:00奥明神沢のコル→14:00岳沢小屋 テント泊
4/29 晴れ 4:00起床6:00出発→8:00上高地バスターミナル→9:30梓湖畔の湯→11:20
ものぐさ太郎→16:30日野バス停
いつも明神館を通るたびに秀麗な山容を見上げ登攀意欲を掻き立てられてきた。登山口へは上高地から1時間ほどとアクセスが良いがGWとは思えないほど入山者が少ない。明神岳の山頂に立つには一般道が整備されておらずバリエーションルートを辿る必要があるからだ。事前の調べで核心は1日目の重装備での長時間行動と2日目のバットレス上部の登攀と判断、日程は2泊3日と余裕をとっている。
さわんど駐車場で少しばかりの仮眠をとった後、釜トンネルの開通時間に合わせて4:40分にタクシーに乗り込む。上高地も予報通りの曇天空だったが見通しは良く穂高連峰に連なる明神岳が眺められ気が昂る。明神橋を渡るとすぐに養魚場への分岐となるが、不明瞭な箇所が多く途中何度かルート修正しながら宮川のコルまで辿る。ひょうたん池は寄らずに第一階段まで45℃程の雪渓を直登するルートを採るがこれが裏目に出てしまい、中程で隊員1名の足が攣りを起してしまい近くの岩場までトラバースし休憩をとった。足の具合を考慮し雪渓は諦めて直近の尾根を目指すが険しい藪漕ぎに体力を消耗してしまった。この日は他に3パーティー入っておりいずれも2人組であった。第一階段へは2番目に取付けたが後ろが渋滞となる。ここでハーネスとギアを装備し3ピッチ、草付と岩の2~3級程度の登攀との事前情報。感想としては、パーティーの力量にもよるが、ロープは一部立った岩壁からの1ピッチだけが妥当だと感じた。3人パーティーと言う事もあり、ここで他パーティーに追い越される。ロープを片付けてからラクダのコルまでも雪や岩の登攀が延々と続く。日暮れが近づくにつれて焦りが出てきてみんな無言である。全体の行程的に時間は余裕なのでテン場適地があれば設営を始めたいと思ったが第一階段以降は急峻なリッジが続きあっても1畳ほどのスペースのみであった。次の峰を越えて見えてこなければ3人でテントを被ってビバークも覚悟した時に漸くラクダのコルへ到着。稜線での設営のため整地に切り出した雪のブロックを壁として周囲に積み上げテントを張った。
2日目、快晴の朝。テン場から目前にバッドレス4級+の登攀、このルートの核心部である。この日は時間的に余裕があるため安全策をとり、4パーティー中最後の出発として遅めの7:00とし慎重に時間をかけて攻略する事にした。前3パーティーは6:00の出発が重なり大渋滞を起こしていた。バットレス下部の左草付は階段状となっておりロープを出さずに通過してしまい後でそうと気が付いた程度。バットレス上部に着いた時にはまだ3組目が取付いており小休止を入れ作戦を立てる。急傾斜のスラブ終了点のテラスはスペースがあり荷揚げが出来そうと判断、リードには空身に登山靴で挑むことにした。残置ハーケンが多く、荷物が無ければ体感的には4級程度に感じた。ロープの荷揚げも上手くいき難所を攻略して明神岳頂きに立った。突き抜ける青空の下360℃の北アルプスの絶景の感動を仲間と分かち合う。次に明神館から見上げた時には見方が変わるだろうと思った。
下山は奥明神沢のコルまで気が抜けない岩場が続き懸垂下降も行った。奥明神沢の雪渓を下降するが雪が腐っており滑る。滑落すると岳沢小屋まで700m岩にぶつからなければ一直線に滑り降りるだろうが一歩一歩丁寧に1.5時間ほどかかり下山する。14:00岳沢小屋まで着いたところで安堵感と穂高の絶景が眺められるテラス、生ビールの誘惑に勝てずにここでのテン泊に変更にした。仲間と山の話をしながら登頂を祝うビールほど美味いものはない。
最終日は順調に上高地へ到着。時間に余裕があるので観光客に混ざって景勝地を見て回る。梓湖畔の湯、以前から行きたかった蕎麦処ものぐさ太郎に立ち寄り16:30日野バス停着。
1日目の夕飯はヤキソバ、2日目の朝食はウドン、夕食はラーメン、3日目の朝食はスパゲティーいずれも具がたっぷりで美味でした。炭水化物、タンパク質多めの無茶な注文にも応えて頂き用意から調理までOさんありがとうございました。
記録S・H