蓮華温泉から朝日岳(後立山連峰)

 

2023826() 27()
参加者7
 
行動記録
8/25  22:00武蔵浦和駅集合  - (関越道~上信越道~北陸道糸魚川IC経由)→ 3:30    蓮華温泉駐車場、4:10就寝。
8/26  6:00起床-7:00出発→ 9:30 白高地沢出合→ 11:40 花園三角点→ 15:20 朝日            岳→ 16:10 朝日小屋、テント泊     

8/27  3:00起床-4:30出発→ 5:25 朝日岳山頂→ 8:10 花園三角点→ 09:15 白高地沢出合→ 12:00蓮華温泉駐車場 - 蓮華温泉→(白馬駅前にて昼食)→(長野IC経由上信越道~関越道)→ 21:30 武蔵浦和駅、解散


  山行記録

「朝日岳」の名を冠した山は各地にあるが、この朝日岳(2418M)は北アルプスの最北部に位置し、新潟県と富山県の両県にまたがる。白馬岳、鹿島槍ヶ岳等に比べ知名度は落ちるが、同じ後立山連峰に属する三百名山の一つ。 解説書には「... 山頂付近には夏でも雪渓が残る。山頂は平坦で豊富な高山植物が見られる... 湿地帯もあって、清河な水に恵まれる。高山植物も豊富で、白馬岳近辺とは違った花々を楽しめる」とあり。今回の山行は、蓮華温泉登山口からスタートし、朝日岳山頂の先の朝日小屋でテント泊して、蓮華温泉に戻るというルートである。

 

金曜日夜10時過ぎ、武蔵浦和駅を出発。目指す蓮華温泉へは上信越道を長野ICで降りて一般道を走る予定であったが、ナビの指示通りに進むと、長野ICを通り越し、日本海に面した上越市まで北上。そこから北陸道に入り、海沿いを西に進み糸魚川IC から南に下るというルートとなった。まさか日本海沿岸まで来るとは思わず、一時不安に感じたが、結果的には計画通り3:30に蓮華温泉駐車場に到着 4:00過ぎにに就寝。

 

翌朝、6:00起床。7:00駐車場出発、既に日が昇って少し時間が経っており、登山開始は最後尾であった模様。このルートは先ず下りから始まるが、濡れて滑りやすい木道が延々と続き、高温多湿ですぐに汗だくとなり顔から汗が滴り落ちる。40分程で兵馬の平湿原という開けた場所に出て視線を上げ、やや気分が晴れる。しかし、下りはまだ続く。いつかは登らないといけないのに、下り続けるのはなかなか不安。登山アプリでは朝日岳山頂まで約10kmの行程のうち、最初の3km ほどで最低地点(白高地沢出合より手前、最初の橋)に達し、その後は登りのはずだが、その後も細かいアップダウンを繰り返し、感覚的になかなか高度が上がらない。草原地帯でもガスで遠くの景色は見えない。猛暑で体全体が熱くなり、熱中症の懸念が頭をよぎる。これは一体何かの苦行か? と感じ始めたところで、ようやく水場に到着。水量は少なめだが、この冷水に正に息を吹き返した。今までの苦行はこの冷水の喜びを味わうためだったのか? この時点で、出発から既に5時間近くが経っていた。

 

このあたりから、遠くの山並みが視界に入ってきた。しかし、その山並みの中の一体どれが目指す朝日岳なのかよく分からない。 朝日岳は山頂が平坦で特徴的な形状をしていない。また、朝日岳の西側を巻くように山頂を目指すルートを歩いているが、歩けど歩けど朝日岳は近づかず登山アプリ上の進行が遅い。登山アプリのコースタイムは短すぎると疑念を感じた。これもまたフラストレーションであった。それでも、ようやく山頂近くに雪渓の残る山が朝日岳と確信し、雪渓横の花畑を過ぎて15:20遂に登頂。スタートから8時間20分経過。思わず万歳するも、曇天で山頂からの眺望は無し。その後40分程下って(明日朝またこれ登らねばならない!)、遂に眼下に朝日平に建つ朝日小屋の赤い屋根が美しく見えた。16:10朝日小屋着。テント場は小屋のすぐ前。

 

さて、今夜の夕食はすき焼き。テント設営後早速、Hリーダーが前夜出発前に購入した食材をザックから取り出して積み上げる。その量と種類に一同唖然。しかし、天気が今にも崩れそうな気配。すると、突然轟音がしてすぐ近くの小さい建物(倉庫?)の避雷針に落雷。水場で急ぎ野菜を切って鍋に入れる。その作業中に雨がパラつき出す。すき焼きは場所をテント内に急遽変更。一つのテントに一同集まったところで、雨足が強くなり、間一髪で無事すき焼きパーティースタート。すき焼きは具材の豊富さも味も一級品。風雨の収まったころ、全員満腹で20:00前に就寝。

 

翌朝3:00起床、4:30出発。1時間弱で朝日岳に再登頂。既に朝日が少し昇っている。ちょうど朝日の方角(北東)だけ雲が開けており、雨飾山、妙高山など上信越の見事な山並みが見えた。その反対方向(南西)にあるはずの剱岳などは見えなかったが、一方角の眺望だけでも感激。ここから下山開始。前日はそれほど気に止まらなかった(私だけ?)が、花の種類の多さに改めて驚く。実に可憐な花が次々と現れる。山頂から20分程下ったところで左手を見ると、今度は富山湾の雄大な海岸線が見えた。更に、そこに注ぐ黒部川を見るのは北アルプス登山者にはなかなか感動的である。勿論、前方右には上信越の山々がまだ見えている。手前を見降ろすと、木々と草原、湿地帯が織りなす美しい緑のグラデーションの中を、登山道が先へ先へと延びている。昨日はこんな絶景の中を歩いていたのかと、信じられぬ思いがした。おそらく天候の違いだけでなく、睡眠時間とすき焼きによる体力回復が景色をより際立たせたのだろう。

 

下山は足取り軽く、予定より早く進んだ。特段危険個所もないが、それでも昨日からの疲れが重なり、疲労度がピークに近づく中、最後の3kmほどは再び登りとなる。「つらいなあ、はやく温泉入りたいなあ」と思っていたら、休憩時Hリーダーから皆に向かって「最後に登りっていいですね」と明るい声で発言あり。最後は自分の体力を追い込んでフィニッシュしたいという意味かと察したが、あまり賛同者がいたようには見えなかった。12:00遂に蓮華温泉駐車場に全員無事帰還! ザックをおいて帰り支度をしているころ、雨がぱらつきだし、傘を持って駐車場から歩いて5分の蓮華温泉ロッジの温泉に向かう。湯舟入ったら、窓の向こうはもう土砂降りの雨。それでも、1時間経って温泉を出るころには、雨は上がっていた。昨夜のすき焼き時といい、雨を2日連続見事に間一髪避けた。ただ、帰りの上信越道で工事渋滞に会い1時間ほど遅れたのは余分であった。

 

今回、Hリーダーには予想を越えた歩荷量に畏敬の念を抱くとともに、いつもにも増して感謝の念に堪えません。この場を借りて改めてお礼を申し上げます。今回もまた記憶に強く残る山行になりました。Oサブリーダー他すべての参加者の皆様にも厚くお礼申し上げます。

 

記録TT