** 最後の秘境・雲ノ平と日本一遠い秘湯・高天原温泉 **

 

2023年8月11日(金)~14日(月)

参加者4名

 

【行動記録】

8/10                22:00新宿西口集合→3:00新穂高センター前(仮眠)

8/11快晴         4:15起床→鍋平臨時駐車場へ移動→新穂高センター→5:50登山開始→

7:00わさび平小屋→11:00鏡平山荘→13:30双六小屋→16:40三俣山荘テント場

8/12快晴         4:30起床6:00→8:45雲ノ平テント場(テント設営)9:45→12:20高天原山荘→

12:40高天原温泉(入浴)13:40→16:40祖母岳→17:00雲ノ平山荘→テント場

8/13快晴         3:30起床5:00→スイス庭園→6:15祖父岳→7:15岩苔乗越→8:15水晶小屋→

9:00水晶岳→12:00鷲羽岳→13:00三俣山荘テント場

8/14曇り後晴 2:30起床4:00→5:00三俣蓮華岳→6:10双六岳→7:00双六小屋→8:40鏡平山荘→

11:20わさび平小屋→12:30登山口→13:10中崎山荘(入浴、食事)14:45→

19:30頃 武蔵浦和にて解散

 

北アルプスの最奥部、標高2600m付近に忽然と広がる平原、雲ノ平。どこからアクセスしても遠く、日本最後の秘境とも呼ばれている場所です。さらに奥に位置する高天原温泉は「日本で最も遠い温泉」といわれる秘湯中の秘湯です。

 

【山行記録】

22時、新宿駅を出発し途中渋滞もあり、予定より少し遅れて新穂高温泉着。車中で仮眠、早朝、センター前の駐車場ゲートが開いたと思ったら我々の目前で満車となってしまい、少し上の鍋平の臨時駐車場へ移動。連休とお盆休みが重なり、いつもより混雑している様子。

1日目:新穂高センター前で準備を整え、出発。朝から抜ける様な青空で周りの山々が輝いて見える。天気が良すぎて暑さで汗が止まらず、途中の秩父沢出合の川水でみんな顔を洗ったり、頭から水を浴びたりで気持ち良さそう。鏡池では槍ケ岳から穂高までの稜線がくっきりと綺麗に見えて素晴らしい眺め。鏡平小屋を過ぎると、急に人の数が減り、静かな登山道に。

次の双六小屋では、ゆっくり休憩をとり、幕営予定地の三俣山荘へ巻道経由で向かう。ここまで順調に進んでいたが、この標準コースタイム2時間半の道のりが非常に長く感じ、なかなか小屋が見えてこない。全員、前日の寝不足の疲れがここで現れていた模様。ようやくテント場へ着くと、やはり混み合っており、なかなか適地が見つからない中、代表に穴場を見つけていただき、なんとか落ち着く事ができた。その後、小屋の談話室を使わせてもらいビールで乾杯後、テントで夕食、就寝。

 

2日目:雲ノ平へ向けて出発。黒部源流へ下降し、渡渉してから祖父岳の巻道を進むが、巻いてるとは思えないほど急登、少しすると日本庭園と呼ばれる見通しの良い場所に。よく見ると、ハイマツの根元に雷鳥が人の気配を気にする事なく姿を見せている。この辺り一面いっぱいにチングルマの綿毛が咲き乱れ、幻想的な光景が広がる。少し降りたところにキャンプ地があり、昨日と違い早い到着のため、一等地にテントを張る事が出来た。事前情報では、雲ノ平では水不足とのことで、三俣から多めに水を運んだが、幸い水場は大丈夫な様だった。しかし、いつ枯渇するか分からないので、早めに水を確保する。休憩後、高天原温泉へ向けて出発。途中「森の小道」とよばれる開けた場所があり木道で眺めも楽しめるが、そこを過ぎると樹林帯を大きく降る。高天原峠の日陰で休憩し、さらに下り樹林帯を抜けると広々とした草原に針葉樹が茂り、その奥には北アルプスの山々がそびえたつ素晴らしい景色。北欧のような雰囲気さえ漂う。ここを抜けると高天原山荘。宿の前に置いてある箱へ入湯料300円を投入し、さらに10分ほど歩き渓流に着くと、いきなり野湯があり、すでに多くの方で賑わっていた。橋を渡ったところにある女性専用露天風呂には囲いもあり脱衣場もあるので、安心して入る事が出来る。白濁のお湯に浸かり、自然を感じて癒されながら一時間ほど滞在後、来た道を戻る。祖母岳へ立ち寄ってから雲ノ平山荘前でビールで乾杯。テントへ戻って夕食、就寝。

 

3日目:日の出少し前に出発し、スイス庭園へ。ちょうどモルゲンロートが見られ、グラデーションに彩られた山並みがとても美しく、いつまでも見ていたい光景だった。名残惜しい景色を後に祖父岳へ。広々とした山頂からの眺望は、これから向かう水晶岳や鷲羽岳が目前に迫り、周囲を取り囲むようにして薬師岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳なども見渡せた。その後、水晶岳へ。岩苔乗越を通過し、気持ちの良いなだらかな尾根道をゆっくりと進みながら、高山植物の名前を代表に教えていただく。キリンソウやトウヤクリンドウなどいくつもの花を見つけながら歩いているうちに水晶小屋へ到着。荷物をデポして山頂へ。山頂近くは狭い岩場が続き、登山者も多いので譲り合いながら慎重に進む。名前の由来の通り水晶の結晶を所々で見かける。北アルプスの中央部、標高2986mの頂上から見渡す景色は、見飽きる事のない絶景だった。山頂から少し下った所からは、雲ノ平を見下ろす事ができ、溶岩台地であるという事がはっきりと分かる。その後、ワリモ岳を経由して鷲羽岳へ。鷲羽岳山頂からまっすぐ見下ろした所に三俣山荘があり、ざれた斜面を一気に下っていく。途中何度か滑りそうになり、山荘へ着いた時にはホッとした。先ほど下って来たばかりの鷲羽岳の斜面が目の前に見える場所へテントを張り、恒例の小屋で乾杯。日がまだ高いうちからのんびりと過ごす事が出来た。夕方ころから天気が崩れ出し、夜には一時的に雨が降る。

 

4日目:最終日は出来るだけ早く下山するため、日の出前に出発。心配していた雨は降っておらず、ヘッドライトを点けて三俣蓮華岳へ。ちょうど日の出頃、山頂に着くが、残念ながら霧に覆われて視界ゼロ。同様に双六岳からも何も見ないまま小屋へと下る。花の百名山にも選ばれているという双六岳、晴れていれば美しい景色を楽しむ事が出来たかと思うと残念。小屋で休憩後、弓折乗越へ着くまでの間には、雲の切れ間が増えていき、気づくと青空に。鏡平小屋からは先はHリーダーに先行して駐車場まで駆けていただき、登山道入り口まで車をまわしていただいたお陰でかなりのショートカットになり、助かりました。ロープウェイ近くの宿を利用して、温泉と食事を済ませ帰路へ。

 

今回の三泊四日の縦走では、重たいザックを背負っての長距離移動に体力的に少し不安はありましたが、特に登りではゆっくりとペースを乱さず歩く事が大事だと教わり、無事に歩き通す事が出来ました。また、台風接近のため最終日は雨のなか下山となるかと、心配していたもののレインウェアを一度も着る事なく終わり、天気にも恵まれました。写真を見返しても素晴らしい景色ばかりで、本当に参加できて良かったです。同行していただいた皆様、いろいろとご配慮いただき、ありがとうございました。

記録:J.U