鎮魂の山御嶽山
2023年7月1日〜2日
参加者9名
7/1 20:00新宿西口—23:30辰野PA山懸号合流—0:15中の湯P着—1:00仮眠
7/2 4:50六合目黒沢口—6:40女人堂—8:10石室山荘—9:15御嶽山剣ヶ峰-–同ルートで下山—12:50黒沢口—温泉経由—21:00新宿
〈御嶽山概要〉
御嶽山は標高3067mの独立した巨峰であり、幾つもの峰を連ねる活火山である。堂々とした静かな山容と、力強い生命力をあわせもつ。古くから神聖な信仰の山であり、その登山道は登拝道として開かれたものである。参道には仏像や霊神碑が立ち並び、それらが林立する様は他の霊山に類を見ない圧巻の光景である。
〈行動記録〉
天候がおもわしくなく、予備日の7/2に変更。出発も駐車場の混雑を考慮して集合を20:00と早めた。途中前が見にくいほどの雨に降られたが、予報どおり0時頃には止んだ。それからすぐ駐車場に着く。車内で就寝となったが、予定より30分以上早く登山を開始することができた。
朝から雲ひとつない快晴、空気も清々しい。最初は樹林帯が続く。横木の階段は段差も高くなく登りやすいが、昨日の雨のせいか登山道は川と化し、ブヨらしき小さな虫が容赦なくまとわりついてくる。持参した虫よけを、時折かけながら進む。虫と格闘の中、さすが花の百名山、可憐な花々が咲き、目を楽しませてくれる。
八合目の女人堂につくと、様相は一変する。今までの高木はなくなり、遮るものがないため、ここからの眺めは美しく、名だたる山がみえてくる。目指す御嶽山の頂上もよくみえる。これまで登ってきた方角をみると雲海が広がっていた。
そしてここには立派な仏像や、行者像、霊神脾が並んでいる。これが、他の山と異なる特徴であり、古くから信仰の山であることを実感する。
ここからは岩と石の登山道になるが、よく整備されており、特段の注意は感じない。陽は容赦なく降り注ぐが、まだ朝早く、思っていたより暑くはない。
九号目の石室山荘。ここは道が小屋を通り抜けていて珍しい。ここで小休止。標高が高いからか、近くに雪渓があるからか、涼しくて気持ちがよい。あと一合目残すのみ。だがここからが空気がいよいよ薄くなり、呼吸がつらい。いくつか池が見え、山荘がたっている。この景色を独占できる山荘にいつか泊まってみたいと思う。
頂上の階段下、真新しいシェルターの横に慰霊碑があり、鎮魂の祈りを捧げる。この穏やかな山でさえ、一変し、命を奪うこともあるのだと、山への畏怖を感じざるをえない。いよいよ頂上。景色は絶景である。笠ヶ岳、槍ヶ岳、北岳、甲斐駒、遠くに白山、そして、富士山。360度見渡せる。写真撮影と少し休憩をとり、あとは来た道をもどる。
下りは浮き石やザレに注意する必要はあるがさほど危険な箇所はない。
しかし、樹林帯にはいると、泥と横木が濡れて、滑りやすく、細心の注意を払って降りなければならず、道のりは長く感じた。
標高3000,標高差1300,登山時間8時間と加えて夏の暑さ。
7月初めにこの経験ができたのは、これからの夏山に向けて良い経験となった。
※霊神碑:御嶽山の山岳信仰において信仰者の魂は死後、御嶽山を安住の地とするとされており、信仰者の魂が山に還るよう祈念して建てられた。この霊神碑は2万基を超える。
記録E.K.