前穂高北尾根
2023年7月22日(土)~23日(日)
参加 4名
7/22(土) さわんど駐車場6:20−上高地バスターミナル6:50−明神館7:46−横尾9:36−涸沢ヒュッテ12:54
7/23(日)涸沢ヒュッテ3:30−北尾根5.6のコル5:00−前穂高岳12:00−下山開始13:00− 岳沢小屋15:05−風穴16:00−上高地バスターミナル17:16−さわんど駐車場17:45−温泉19:00−食事20:00−帰京23:50
天気 22日 晴れのち曇り
23日 曇り
上高地から涸沢まで歩くのは去年の7月の山行、北穂高岳南陵の時以来だ。テン泊装備を担いで、ただただ長い道のりを辟易しながら6時間歩いた。この道は本当に長くて遠い。
しかし今回は小屋泊で荷物もコンパクト。
天気も快晴で景色も素晴らしく、木陰の中をルンルン歩く。流石に4時間過ぎると暑さと疲労で口数も少なくなる。涸沢に着いたら冷たいビールで乾杯だ、とばかり考えてしまう。
涸沢ヒュッテまでは整備された歩きやすい道が続くが後半は登りになる。何とか登り切ってさぁビール、と言いたい所だが我々にはやらねばならぬ使命があった。
涸沢に在中している、長野県警山岳救助隊の所へ北尾根の様子、明日の天気を聴きに行く。
北尾根は、大分昔とはルートも変わっているらしい。明日の天気は午後から崩れるらしいのでなるべく早く出た方がいいとのこと。
そして明日の取り付き、5.6のコルの偵察。
涸沢ヒュッテの裏にあるヘリポートの脇道から雪渓沿いにガレ場をあがり途中でコルへ続く谷に入る。登り始めちゃうのでは、と思うほど1番真面目に偵察したのはG藤だった。
そのあとやっとお待ちかねのビールで乾杯。
贅沢な景色の中で話も尽きず、夕飯まで腹がねじれるほど笑って過ごす。サウナハットを被ったK本の変顔が今も脳裏から離れない。
夕飯時には長野県警山岳救助隊の方が安全講話をしてくださり、ご飯を食べながら聴き入る。
シャリバテを起こさないようにきちんと食べる事。例えば涸沢に来るまでにおにぎり10個分のカロリーを取る必要がある。そして水分補給の際は水やお茶よりスポーツドリンクなど塩分も取れる物が良い事、最後に何より大切な事、家族にどこの山に行くのかを伝える。との事でした。とても分かりやすく話してくださって感謝でした。
その後はK本の次元を超えた(K本版)新日本むかし話が始まり、理解に苦しみ脳が混乱したが何とか開眼する事が出来た。
23日は2:30起床。
昨日の夕飯後にいただいた朝食用のお弁当、前穂高岳に登頂したらみんなで食べようと約束をしたのにH木リーダーが寝ぼけて食べようとしたので、え?と無言で見つめたら思い出してくれたらしく弁当を包み直してくれた。
3:30、準備を整えて涸沢ヒュッテを出る。
まだ暗闇の中、ヘッデンをつけて進む。
昨日の昼間だと見えてた道も暗闇の中では分かりづらい。H木リーダーを先頭に進む。
5.6のコルへのルート沿いにケルンがあり目印にしながら進む。途中、太陽が昇り明るくなる。
コルの上に先行パーティーを1組発見。
5:00 コルに到着。
眼下に広がる涸沢カールと奥又白側の視界が開けて素晴らしい景色の中、クライミングが出来る喜びを感じる。
5峰のルートは浮石と落石に注意する。
所々手を使いながら岩場を登って行く。
軽トラ大のラクも発生すると救助隊の方が言っていたので慎重に進む。
ちょうど先週、滑落事故の起きた場所でもある。ハイマツ帯を避けトラバースした岩場で滑ってしまったとの事。
白い斑点のある平らな岩がよく滑るようだ。
雲がどんどん上がってきて視界が悪くならないよう願う。
4峰はさらにガレて迫力ある岩場が続き、崖っぷちの際(きわ)を進む。今までにない高度感を味わう。思いの外、浮石やラクが少ないのはH木リーダーのルーファイが絶好調という事だろう。4峰頂上付近は大岩が積み重なっていて迫力ある山容に圧倒される。
振り返れば槍ヶ岳がくっきり見えてる。
3峰に辿り着くと先行パーティーは3峰の2P目を進んでいる。
今日は待ち時間もラクの心配もなし。ここでハーネスを装着し、クライミングシューズに履き替える。H木リーダーが(3峰を)思ったより大きくない。と言い出したが誰も同意せず。いや大きいでしょ?
1P〜3P、H木リーダーがリード。今回はОがビレイをやらせていただきました。
1P〜3P、全て必死で岩にしがみつきながら進み、生きるか死ぬか瀬戸際のクライミングでした。高度感が半端ないので全力集中です。
もしかしてH木リーダーがわざと難しいルートを選んでいるのではないかと疑ってしまうほど、厳しいルートでした。
2峰は登った後、10mほどの懸垂下降。
これまでの道中で全身の力を使い切っていて手足に力が入らない。
お腹もペコペコだ。あと残すは1峰のみ。
1峰はロープ無しで登れる所ですが、リードの練習にとОにやらせてくれました。初めてのリードで感じたのは、ロープを引っ張って行くのは重くて大変という事と、支点を作る際に手際よくやるにはクイックドローやテープスリングの装備の仕方が重要だという事です。
12:00前穂高岳の山頂で、約束の涸沢ヒュッテのお弁当を食べながら仲間と登頂できた喜びを分かち合う。
この喜びは何事にも代え難い。
少しのんびり休憩した後は鬼の下山開始だ!
ー 古澤代表、いつもホームページ管理と画像アップ、ありがとうございます。
今回の前穂高岳北尾根の写真には私の変顔写真がチョイスされているので変顔コレクターのK本氏、是非審査お願いします。
いつも共同装備、持ってくださって皆様に感謝です。一緒に楽しい山登り、ありがとうございました。
記録O . T