残雪の越後駒ヶ岳

実施日:2023年5月19日〜20日

参加者:7名

 

5/19 22:15武蔵浦和駅→所沢IC-関越自動車道-小出 IC

5/20 2:00道の駅ゆのたに到着・仮眠▲-4:00起床

5:00石砲橋バス停→8:00道行山→9:00小倉山→12:10駒の小屋→12:50越後駒ヶ岳→13:25駒の小屋→14:30小倉山→15:30道行山→18:00石砲橋バス停→ゆーぱーく薬師→道の駅ゆのたに(食事)▲

5/21 ▲5:00起床→6:00出発-関越自動車道-9:00武蔵浦和駅到着・解散


越後駒ヶ岳には個人的には過去に雪山にチャレンジしたが、天候急変のため駒の小屋までで断念、またフレスコにおいては昨年雪解けが遅かったため山行が延期となった、なかなか登らせてもらえない山だ。

夏道の時期は枝折峠から登れるが、山岳会としては残雪の今の時期、片道40分長い銀山平登山口を使用するという雪山のリベンジを叶えてもらう形となった。

 

序盤から苦戦。代表から道迷いに気をつけるよう注意があったが何度か道を間違えた。後ほど小屋番さんからも、多くの登山者が迷うと教えてもらった辺りだ。

ようやくコースに乗ったらまもなく、危ない残雪のトラバースが出てきた。山肌から浮いた雪渓で谷側には川が流れている。回避することになり上方のブッシュに向かうが、そこから約1時間の大藪漕ぎとなった。やっと抜けたらMさんのゲイターの様子がどうもおかしい。確認したら金具が一つ飛んでしまっていた。帰宅後、私も登山靴の踵のソールが剥がれているのに気づいた。そのくらい長く険しい藪漕ぎだった。

そこをすぎると道行山までは夏道となり、霧が晴れて青空が広がる。頭上にはシャクナゲ、ミツバツツジ、足元にはイワウチワやカタクリなどが瑞々しく咲いていて、越後の緑の山並みが本当に美しい。高度を上げると霧を足下に見て雲海の様に広がる。

後方のかっこいい山は「荒沢岳」という越後三山のひとつで、深田久弥も山深さのために当時登れなかった山だと代表から説明があった。

小倉山に向かう辺りで雪道が増え、急斜面をツボ足のダガーポジションで登ることになった。

下が見えないくらいに切れ落ちていて緊張で体が硬くなる。私は、あともう少しで終わると思った時に足もとが崩れて焦ってピッケルワークを失敗し、1mほどずり落ちてしまった。日頃からピッケルで止める練習をしていたから良かった。下方に仲間がいてくれたし、湿った雪だったのでよくピッケルも刺さっていた。

その後も急登ばかりが続き、高山と思えない暑さ、まとわりつく虫の中、バテてしまった。しかし先は長いので一歩一歩先に進める。山頂に向けてさらに斜度が上がり、代表によると夏道だと鎖場らしい。アイゼンを付け、岩が現れアイゼンに気をつけて登る、ブッシュが現れて藪漕ぎ、そんなことを繰り返す。初めて山で足が攣った。Hリーダーがすぐ漢方薬を飲ませてくれた。すると後方で動けなくなっているMさん、同じく足が攣っていた。もう少しで駒の小屋だけれど歩けない様子。ここで代表から檄がとんだ。切り替えろと言われた。私も、行ける経験と体力があると自分に言い聞かせて頑張る。三点支持で登って行くと、小屋のアンテナが見え、着いたよと上から声がかかる。

Mさんは足の状態を考え、小屋で荷物番してくれることになり、荷を軽くして約30分の山頂へ。

ガスの中だったが、登頂した時の気持ちは忘れない。

厳しい条件が重なり8時間の登りだった。

下りはアイゼンでザクザクと下りたが、最後に往路で回避したトラバースに出た。Hリーダーと代表がフィックスロープを張ってくれ、ツボ足だがビナ通しで行く。無事全員通過し、感謝が込み上げる。行けない道を行けるようにしてくれるって、すごいこと!ありがとうございます。

 駐車場まではふきのとうを採りながら、充足感と安心の中ハイキング気分だった。皆んな体のあちこちが痛いと言いながら怪我もなく終えられた。

温泉、コンビニからの天ぷらディナー。疲れてすぐ眠くなると思っていたけれど、遅くまで皆さん元気でした。私も(笑)。

今回の山行で、ラッキーだったのは途中で曇ったこと(あの気温で日差しがあったらヤバかった。参加者の温度計で小屋手前付近27℃)。その他は運だけでは行けず、代表達の判断と技術からの結果だと思う。私達も様々な技術も駆使し大きな経験になったと皆が口にしていた。

過酷な藪漕ぎも含め、長いコースをすべてリードしてくれたHリーダー、文字通り「総括」してくださった代表、また一緒に登ってくださった皆さま、本当にありがとうございました。

                            記録 A・S