樹氷の蔵王(熊野岳・刈田岳)
2023年2月4-日(土)~5日(日)
参加者15名
◆行動記録
2/3 22:00 武蔵浦和駅集合→ 0:45 那須高原SA 着、仮眠
2/4 4:40起床、5:00出発→ 8:00 蔵王センタープラザ駐車場着→ 8:30 ロープウエイ山麓駅(待ち時間1h20m)→ 10:20地蔵山頂駅着→ 10:45 登山開始→ 11:00地蔵岳(休憩5分)→ 11:40熊野岳(休憩20分)→ 12:50 苅田岳 (休憩10分) → 14:05 熊野岳避難小屋(休憩20分) → 15:10地蔵岳(休憩15分)→ 15:40地蔵山頂駅、登山終了→ 17:15 宿泊先チェックイン
2/5 10:00 蔵王センタープラザ駐車場発、16:45武蔵浦和駅着、解散
◆ 山行記録
山形県と宮城県の県境に位置する蔵王連峰において、山形県側のロープウエイ地蔵山頂駅をスタートし、地蔵岳 1736M経由、最高峰熊野岳 1841M(日本百名山の一つ)、苅田岳 1758Mを目指す。冬の蔵王は言わずと知れた樹氷の名所。樹氷はスノーモンスターとも呼ばれ、多くの自然現象が整って初めて生まれる世界的にも珍しい現象。但し、冬の蔵王は強風雪、極寒でも有名。
順調に東北道を走った後、一般道に入って次第に積雪量が増え、山間の美しい雪景色となるが、路面の凍結に注意しながら慎重に進む。天気予報では午前中曇り、昼過ぎには崩れるという見込みであったが、車窓からは青空が見え、晴天に映える樹氷が見れるのではと期待が高まる。08:00過ぎ、蔵王センタープラザ駐車場に到着。そのまま登山準備(約半数はスノーシューレンタル)して、8:30にロープウエイ山麓駅に集まるも、予想を上回る人出があり、乗車まで待ち時間1時間と告げられる。スキーでも登山でもない樹氷見学の乗客が多く見受けられた。結果的には1時間20分かかって、ようやく乗車。この待ち時間による遅れが、後の下山時に大きな影響を与える。
ロープウエイ地蔵山頂駅に到着後、スノーシュー、ワカンを装着して、10:45登山スタート。山頂駅のすぐ外に樹氷の世界が広がっており、好天微風のなか、様々な樹氷を見ながら地蔵岳山頂1746Mまで緩やかな登りを10分程歩く。振り向けば、雪のスロープの向こうに絵に描いたような雪景色の山並みよく見えた。短い休憩の後、最高峰熊野岳を目指す。広く緩やかな斜面に、風雪で氷雪が横に延びた標柱が等間隔で並んでおり、それに沿って登っていく。11:40全員頂上に達した時点で、F代表が百名山登頂をねぎらい、参加者一人一人と握手。登山開始時は午後の天候悪化を懸念していたが、この時点でまだ天候に大きな変化なく、休憩後、苅田岳に向かう。
これ以降、視界が次第に悪くなっていったが、苅田岳山頂のすぐ手前でもまだ近くの山腹は見えていた。山頂では厚い雪に覆われた鳥居の前で全員で写真撮影し、そのあと、神社の前で短い休憩。13:00過ぎ苅田岳出発。この頂上にいた僅かな間にも天候悪化は進み、昼過ぎから崩れるという天気予報は、結局ピッタリ当たった。歩くにつれ風雪はどんどん強くなり、数10メーター先が見えず視界不良。もはや、ブリザードの中でホワイトアウト状態。左手から吹き上げてくる風圧で、体のバランスが崩れそうになるのを右手のストックで支えながら進む。風速は20M前後、体感温度はマイナス25度以下と推定される。
約1時間後、ようやく熊野岳避難小屋に到着。しかし、小屋の扉は閉まっており、小屋の横の風雪の当たらぬ場所で休憩。F代表よりスノーシュー、ワカンをアイゼンに替えたい人はここで替えるように指示あり。しかし、わずかな時間でも立ち止まっていると体全体がどんどん冷えていく。避難小屋の後は、ロープウエイ山頂駅までほぼ下りのみということでやや安心したが、風雪は一向に収まらず、地蔵岳山頂近くでは下山方向を確認しようとしたところ、F代表、Hリーダーともに携帯が使用過多でバッテリー切れとなり、位置確認が出来ず、しばし緊張が走った。しかし、会員の一人の携帯で位置確認に成功、約15分後、15:40 全員無事山頂駅に帰還した。
その後、宿泊先で「蔵王山頂で男女3名が悪天候で遭難、悪天候の為、救助に向かえるか検討中」というニュースを知った。熊野岳と苅田岳の間で道に迷ったらしい。遭難者から通報があったのは14:30過ぎとのこと。同時刻は、我々は熊野岳避難小屋から地蔵岳に向かっていた頃で、同じ暴風雪に耐えていた。結局3名は19:17雪上車による捜索隊により無事発見されたことを翌朝知った。しかし、通報から発見までだけでも5時間近くを、あの暴風雪の極寒の中に身を置いていたと想像すると恐ろしい。
今回は、いつにも増して、F代表、Hリーダーの冷静で経験豊かなリーダーシップのお陰で無事山行を終えたこと、感謝に耐えません。貴重な体験をさせて頂きました。また15名という大パーティの山行計画の策定、現地コーディネーション等にご尽力頂いたM.M.会員にも同様に深く感謝致します。ペンション「ぼくのうち」はロケーション、食事、スタッフの対応ぶり、すべてよかったです。お疲れ様でした。
記録TT