巻機山米子沢遡行
2022年8月21日(日) 参加者6名
【行動記録】
8月20日(土)武蔵浦和西口22:00集合→関越道塩沢石打経由→道の駅南魚沼
8月21日(日)道の駅南魚沼4:15→桜坂駐車場→入渓6:16、米子沢遡行→
避難小屋18:32→巻機山登山口23:32→武蔵浦和西口2:50
4:15道の駅南魚沼を出発し桜坂駐車場へ。天気は曇り、途中朝霧の立ち込める中を走る。昨日までの雨の影響を心配しながら、ハーネス、ヘルメットなど身に着け駐車場を6:00出発。10分程林道を進むと米子沢入口と書かれた道標が見えてくる。道標に従って左手に入り進んでいく。途中ススキがちらほらと、もう秋の気配が漂う。大きな河原に出ると、入渓前に沢靴に履き替える。初めての沢登り、どんな景色が待っているかとワクワクしている。堰堤を超え、遡上していく。水は澄み、水量も初心者の私でも問題なく歩ける程度。真新しい沢靴のフェルトソールの感覚にも慣れ、「沢楽しい~。」とここまではルンルン気分・・・。
目の前に大滝が見えてきます。ここは「高巻き」でとの指示。右岸の高巻きの道に入っていくのですが、斜度もあり、足場は水を含んだ土でベチョベチョ、その上木の根っこ、踏まれた熊笹の上に足を置くと滑る、滑る。生い茂った熊笹や木の枝を握りしめながら登っていきます。どこまで登るのだろう?そんなことを思っていると、代表から沢から離れすぎているので、沢側に降りる道を探すようにとの指示。進行方向を変え、沢に降りられる道を探しながら降りていきます。滑って落ちればそこは沢、手がかりを握る手に力が入ります。何とか無事に沢に降りてきました。ほっとしたものの、まだ行程は始まったばかり。気を抜かずに進んでいきます。段々水量も増え、川幅も狭くなっていき、いくつもの滝を越えていかなくてはいけません。段差のある岩場もあり、あらゆる手掛かり、足掛かりを見つけ、全身の力を振り絞って登ります。代表、Hリーダーは、沢初心者3名を含むメンバーの力量、体調を見極めながら、ロープ確保やお助けロープを駆使し、安全第一で時間をかけ進んでいきます。ゴルジュ帯では更に高巻きを繰り返すことになるのですが、赤テープをたどり取りついたものの、最初より更に過酷な状況。3大急登なんて目じゃない斜度、熊笹で敷き詰められ濡れた道(?)、滑落すれば・・・、必死に笹を掴みます。笹の密集度は半端なく、前に進もうとしても跳ね返され、笹をかき分け、つかみ、足を進める、この行動を無心に繰り返す。沢へ降りられそうな道もなく、これは危険と判断し、もと来た道を戻る。途中笹に覆われ道をロスしそうになるが、みんなの記憶と観察眼で元のルートに復帰。やっと赤テープまで戻ると、切れかかったトラロープと足元の岩にうっすらと赤×の印。右手を確認すると少し下っていく道が・・。こちらが本線のようでした。
予定よりも時間がオーバーし、日没までには避難小屋へを目標に進みます。少々疲労もあり、またガスがかかることが多かったため、景色を楽しむ余裕はありません。先へ先へと気持ちは焦ります。最後の高巻きはヒヤッとする場面もありましたが、何とか抜けてやっと大ナメの下流(だと思う)に出る。振り返ると遡上してきた滝を見下ろす素晴らしい光景が広がっていた。そこからは滑りやすい川床となり、私も一度足を滑らせドボン。代表に支えていただき流されることはなかったけれど、水に濡れた体は意志に関係なくブルブルと震えだす。「あ、やばいかも。」と持っていた手拭いで濡れた体を拭く。幸い気温が低くなかったからか、すぐに震えは治まったが、寒い時期はそれなりの装備をしないとすぐに低体温を起こしそうだなと感じた。
米子沢最大の見せ場である大ナメを歩く。時折、青空も見える巻機山方面の稜線を見ながら、ゆったりしたナメ沢を歩いていく。段々流れが穏やかとなり、終了点へ。そこから少し歩くと避難小屋へ18:20到着。小屋で着替え、各自お腹を満たして駐車場へ向けて19時下山開始。辺りは真っ暗でヘッドランプの明かりを頼りに歩く。木道、階段、粘土質の滑る道、慎重に足元を確認しながら降りていく。すでに入渓から12時間以上経過し、疲れもあり、体調の優れないものも出てくる。みんなで声を掛け合い、助け合いながら確実に下山していく。23時32分無事巻機山登山口へ到着。17時間に及ぶ米子沢プランがやっと終わった。唯々みんな無事に下山できたことに感謝だった。
記:M.T