白馬三山縦走
2022年7月2日(土)、3日(日)
参加者8名
【行動記録】
7/1 晴れ 22:00新宿西口集合→安曇野IC→AM3:00栂池高原駅 仮眠
7/2 晴れ曇り 4:45起床5:30→タクシー移動→6:00猿倉登山口6:30→7:30白馬尻小屋→
13:00白馬岳頂上宿舎で休憩とテント設営、アタック準備14:00→15:35
杓子岳→17:05鑓ヶ岳→19:30白馬岳頂上宿舎
7/3 曇り雨 5:30起床7:00→7:50白馬岳→9:40小蓮華山→11:00白馬大池山荘11:30→
12:10乗鞍岳→14:25栂池山荘→14:50栂池パノラマウェイ→15:30栂池高原駅15:50→16:10みみずくの湯16:50→食事は途中コンビニ→21:40新宿西口
当初予定していた白馬鑓ヶ岳温泉経由での周回が登山道未整備での通行止めのため、猿倉から栂池への縦走へ変更した。そのため1日目は行動時間13時間、11.9km、登り標高差2385m、下り標高差860mその内の半分以上はテント装備を担いでの道のり。2日目は行動時間8時間、10.3km、登り標高差500m、下り標高差1440m全てテント装備と少しハードな行程へ変更となった。
駐車した栂池高原駅から猿倉までは予約しておいたタクシーで30分、1台6200円程、そこから徒歩1時間で日本三大雪渓へ到着。天気は晴れ曇りと申し分無いがシーズンには少し早めな時期であり登山者はまばらにしか居なかった。早々にアイゼンを装着しシュルンドから立ち上る冷気に寒さを感じながら大雪渓を登る。杓子岳の天狗稜からの落石は頻繁で、およそ15分間隔置きには大きな音を立てて崩れ落ちている。多くは直下のガレ場で止まっているが登山道にも人の頭大、車大の岩がいたるところに散乱しており常に上方に注意を払いながら進む。途中頭大の岩がガレ場から弾けて音も無くこちらに向かってきた。「ラーック!」と大きな声で叫び軌道を目で追いかけるがカーブを描いて下方へ消えていき事なきを得る。まあ、一般登山道なのでまず当たる可能性は低いのかとは思いたいが・・
今回、杓子岳、鑓ヶ岳へは自由参加としていたがテン場まで着いてみると皆参加の意思であった。それまでの疲労も溜まっており、且つ遠目から見ても存在感のある2座に加えて丸山を経由した往復となるためアップダウンは激しい。しかし登ってみると重装備から解放されいつも以上に身は軽く稜線上には高山植物が咲き乱れ眺望も剱・立山連峰と申し分ない。夕暮れに染まる山影等も少し堪能しすぎて日没と同時にテント場へ到着したため宴会は断念し早々に就寝した。
2日目の早朝に体調を確認すると軽い高山病が2名、寝不足による頭痛が1名いた。早朝に担ぐザックの重量が体に堪える事もありいつもより速度には注意をして出発した。白馬岳、新潟県最高峰の小蓮華岳の稜線も高山植物の宝庫であり目を奪われる。白馬岳を過ぎたあたりで予期せぬ再会があった、立山で手を骨折してしまいそのまま脱会となってしまったK川さんであった。まだ完治していないが夫婦での登山と言う事であり少し話し込んだ。前日の予報で昼過ぎから雨の覚悟はしていたが小蓮華山を過ぎた10:00頃強い雨に降られる。この時期の雨は突然の豪雨となる事が多く行動の遅れでずぶ濡れになってしまう。3000m級の山では真夏でも低体温症になってしまうため、レインコートは常に取り出し易い位置に収納し、登山靴を履いたまま瞬時に着る想定も普段からしておく必要がある。白馬大池山荘までの1時間でレインコート・登山靴の中までずぶ濡れとなるが歩けている間はそう寒さを感じない。止まる事での体温低下を避けてそれまでの1時間30分と残りの2時間30分の4時間を一気に行こうという意見もあったが一部は耐えられても皆が耐えられる案ではないと判断し休憩を取ることにした。小説「孤高の人」の加藤文太郎は過度な疲労を避けて十分な食事を採っていれば厳冬期の雪の中でも耐えられると言っていた。白馬大池山荘で30分程の大休止を取り寒さに震えながらも衣服を見直し暖かい飲み物と十分な食事を採り体制を整えた。そこから一気に雨の中、自然公園駅を目指し降った。途中乗鞍岳を踏み、アイゼンを履いて雪原を超え天狗原まで着いた頃やっと緊張感も解れた。ロープウェイとゴンドラのチケットを2,000円で購入し40分程快適に揺られた。時間が押していることもあり温泉は30分、コンビニでの食事と皆の迅速な行動のお陰で何とか21:40新宿駅に無事到着した。
◎テント装備を担いでの歩行時間について記録
① 1日目のテン場までの歩行距離は5.7km登り標高差1587m、下り標高差65mコースタイム340分を390分で登った。その内の休憩60分程を除くと歩行は330分であった。
休憩除きコースタイムの0.97倍、休憩込みでコースタイムの1.15倍。
② 2日目の下山までの歩行距離は10.3km登り標高差500m、下り標高差1440mコースタイム315分を465分で降った。その内の休憩75分程を除くと歩行は390分であった。
休憩除きコースタイムの1.24倍、休憩込みでコースタイムの1.48倍。
1日目は寝不足ながらも体調不良の人はなく、晴れ曇りとコンディションも良かった。2日目は軽度の高山病が2名、頭痛が1名、登山開始3時間あたりからの豪雨でコンディションは悪かった。テント装備での山行計画はコースタイムの1.2倍が妥当だが1.5倍以上かかる想定も必要。荷重への順応はあるところまで時間経過に比例して顕著であり、徐々に体に馴染ませていけば特に重さも苦痛ではなくなる。体感として歩行リズムは最初の1時間は1.2倍、次の1時間は1.1倍、次の1時間からも1倍を切らないようにしたい。
記録 S・H