谷川岳西黒尾根

 

2022年4月6日(水)

 

参加者6名

 

4月5日(火)武蔵浦和駅23時 → 所沢インター → 水上インター → 土合駅2時(仮眠)

4月6日(水)土合駅5時30分 → 警備センター6時20分 → 西黒尾根 → 山頂12時20分 → 天神尾根 → ロープウェイ → 駐車場14時30分 → 温泉経由 → 武蔵浦和駅20時

 

【行動記録】

谷川岳西黒尾根は、日本三大急登の一つ。

緊張と不安の中、気を引き締め、絶対に登頂するという強い気持ちで挑む。

いきなりの急登から始まる。

足元は雪だが、頭上では鳥のさえずりが聞こえ、春の訪れを感じる。

先頭はMiさん、「先が長いから最初はゆっくり行こう」と後ろからF代表の声がかかる。

話をしながら和やかな雰囲気で進むと、鉄塔に30分ほどで到着。予定通り、いいペース。

少しなだらかになり、周りの景色が徐々に開け、白毛門が右手に現れる。

呼吸を整えながらしばらく進むと、再び急登が始まる。

雪質は2月3月の頃より緩くなっており、今までの歩き方ではズルズル滑る。強く後ろに蹴り上げ、その勢いで爪先の刃を突き刺すキックステップが有効だ。

曇りだが無風の為暑く、1時間経たないうちにハードシェルを脱ぐ。

樹林帯を超えるあたりから岩場が現れ、目の前にはラクダの背がそびえ立つ。F代表から、「ここからが核心部」と伝えられ、緊張しながらヘルメット、簡易ハーネスを装着、ストックからピッケルに持ち替え、より一層気を引き締めて再び登り始める。

突然ゴーという地響きのような凄まじい雪崩音が山間から鳴り響き渡り、恐怖を覚える。

1つ目の岩場、鎖が出ていたので、鎖を掴んで登るが、アイゼンが滑りそうで恐る恐る登る。

2つ目の岩場、F代表が雪をピッケルで落とし、雪に埋まっていた鎖を出してくれる。しかし足場不安定でアイゼンも効きづらい為、F代表の判断のもとロープを使用する。鎖を掴み自力で登りながら、エイトノットの中間結びで自分と繋ぎ、F代表に岩の上から少し引き上げてもらった。ロープがF代表と繋がっていることで、計り知れない安心感があり、滑りそうな岩場も思い切り登ることができた。

3つ目の岩場は、高さはないものの雪解け後で岩がもろくなっているので、気が抜けず慎重によじ登る。

ラクダのコルを過ぎると、左は雪庇、右は沢へと切れ落ちた痩せ尾根、大きなクラックも所々に見られる。歩く方向を少しでも間違えるとクラックとともに崖下に落ちる危険がある為、ここからはF代表が先頭になり進んでいく。

痩せ尾根を抜けると最後の核心部である雪壁へ挑む。ここはアイゼンの前爪とピッケルのピックをフル活用、しっかりと雪に突き刺していることを確認しながら四つん這いになり、よじ登る。懺悔岩を超えると天神尾根との合流地点、ようやく周りの景色を見る余裕ができる。なんて素晴らしい景色!これぞ雪山。この絶景を十分目に焼き付ける。晴れ間も出てきて、谷川ブルーと雪ホワイトのコントラストが眩しく美しい。

12時20分、約6時間で山頂。登頂の感動・喜びをF代表とメンバー皆でいつものグータッチではなく、ガッチリ握手で分かち合う。

肩の小屋の前でお昼休憩、天神尾根から下山。途中、何度も先ほど登った西黒尾根を振り返り見る。厳しいところを登ったのだという事を改めて思う。

14時18分無事ゴンドラ乗り場に到着。

達成感と充実感に心が満たされる、下山後のこの時間が大好き。そしてまた登りたいと思う。

下山後は、伊香保インター近くの花湯スカイテルメリゾート温泉で汗を流し帰路につく。

10日前に同じコースを登ったF代表とMuさんによると、10日前はこんなに岩が見えていなかったとの事。

雪山は美しく魅力的。でもそれとは裏腹に天候だけではなく、時期により大きくコンディションが変わり、常に危険や緊張と隣り合わせだと実感した。今回は初心者の私にとって特に実践で学ぶ事が非常に多かった。F代表やMiさんのご指導がなければ決して登頂することはできなかった。今後も色々な山を経験し楽しみつつ、経験値を上げスキルアップしていきたい。

改めて、計画や装備準備をはじめ、ご指導・ご教授くださったF代表、私の後ろから優しくご指導・助言くださったMiさん、ロープ運びや車の運転、一緒に登って下さった皆様、深く感謝申し上げます。思い出に残る最高の山行となりました。ありがとうございました。

 

記録M・F