残雪の谷川岳(西黒尾根)

2022年3月26日(土)

参加者10名

行動記録

3/25 武蔵浦和駅22:00→1:00 土合駅 仮眠

3/26 起床5:00→6:00谷川岳ロープウェイ駐車場出発→13:30谷川岳ロープウェイ駐車場着→関越道経由~渋川天然温泉15:00着→16:45出発→武蔵浦和駅19:00着

前日までの天気予報はあまり芳しくなく、谷川ブルーを見るのは難しいかな?と思いつつ、少し期待しながらアイゼンを履きました。見上げると雪の急斜面の向こうに薄グレーの空。・・・よし、頑張るぞ。

まず雪の急登がお出迎え。ゆっくり、一歩ずつ、先頭のリーダーとの距離が少しずつ開いていく。2番目の私、少し焦る。大丈夫、30分もすれば体も軽くなってみんなと同じスピードで歩けるよ、と自分に言い聞かせながら、ゆっくり。30分も歩いたところで服装調整。あれ、おかしい。体軽くなるどころか、どんどん重く足も上がらない。F代表のお声掛けで、一番後ろに回りました。

急登と格闘すること一時間、ピッケルと簡易ハーネスを装着。ともに初装備の私。装着方法、握り方をメンバーの方、F代表に教わり頭の中で反芻する。

まだまだ続く急登。「ここは日本三大急登のひとつだからね」とF代表言葉。うわ~そんなことも知らずに挑んでしまった自分。恥ずかしさと、あまりの体力、筋力の無さに悔しい気持ちで一杯になりつつもとにかく1歩、無心に脚を進めることに集中。その頃にはもう前を歩いていたメンバーはすっかり私の視界からは消えていた。どれくらいの距離を離れているのかもわからない、完全にホワイトアウト。

F代表の、右は谷だからアイゼンをしっかり効かせて、と言葉を貰うあたりから風が強くなり、時折くる突風にじっと見を屈める。出発してから4時間近く歩いたころ、目の前に見たことのあるカラーリングの登山者が現れた。・・・あれ?Hリーダー?ザンゲ岩の手前あたりでもっと風も強くなり、視界も悪い。この様子だとゴンドラも動いていないかも、ということで引き返しの判断とのこと。

下山を始めても暴風は続く。ふわっと体が浮く。立っていられず思わずへたり込む。F代表が私のリュックを押さえてくださっているのが分かる。足の数十センチ左は谷底。下りの脚は楽だけど、気持ちは張りつめる。

目下にロープウェイの建物が見えてきたころ、ようやくおしゃべりができるくらい気持ちのゆとりが出てきた。もう次の温泉で頭がいっぱいです。

温泉にドボンと浸かったら、体と一緒に気持ちも緊張から解放されたようでした。

体はボロボロだけれど、心は充足感でいっぱい。あぁ、面白かったな。

温泉への車中でYAMAP止めなきゃとiPhoneを手にしたら、まさかの記録できておらず。今回は上り始めてから一度もiPhoneを手にせず、YAMAPはおろか、写真も一枚も自分で撮れていないのでした。余裕が無さすぎです。折り返してきたHリーダーの姿を見たとき、心の中で小さなガッツポーズをしてしまった自分に喝を入れ、山に行けないときの体力、筋力作り、下調べの大切さを改めて思い知り、初心に帰った今回の山行きでした。

最後に、行程の間ずっと私の後ろで励ましながら歩いてくださったF代表、気遣ってくださったメンバーの皆様、本当にありがとうございました。来年の雪山は、皆さまと同じスピードで歩けるよう精進したいと思います。

今回も楽しい山時間をありがとうございました。

記録 A.Y