雪洞研修(谷川岳)

日時 2022年2月19日(土)~20日(日)

参加者 5名

【山行記録】

●2/19(土)

武蔵浦和駅7:30→関越道経由-谷川岳ロープウェイ11:00→西黒尾根登山口11:45→雪洞工作開始12:30→緊急ビバーク研修開始15:15→終了15:45▲

●2/20(日)

▲下山開始7:40→谷川岳ロープウェイ8:00→沼田健康ランド9:20→上里SA10:50(昼食)→武蔵浦和駅12:50(解散)

<山行記録>

谷川岳にて雪洞ビバーク研修を受けてきた。内容は雪洞づくりと緊急時のビバーク体制の作り方。研修当日、M会員が体調不良で不参加となり急遽5名で行われることになった。

1日目、午前11時半、土合口駅からスタート。緩やかな車道を歩き程なくすると日本三大急登である西黒尾根の登山口に到着。「うわぁ、こ、これが噂の・・」無雪期だって登った事がないのにここで雪洞を掘るだなんて?! 噂通りの容赦ないイケイケ感に秒で心が折れる。兎に角この急登を一時間歩けばいいんだな。覚悟を決め自分史上一、重たいザックを背負って歩を進める。するとすぐさま信じられない事態が発生した。

F代表より「ここがいいな」まさかと思ったが再び「よし、ここだ」と神の様なお言葉が。一時間の急登歩きがたった10分になるとゆう。どうやら雪洞掘りに最適な場所を見つけたらしい。雪の深さ2m以上で雪崩のリスクのない、そして雪質が締まってる(などなど)。雪洞作りの条件ピッタリの斜面があったようだ。

12時半、雪洞作成開始。F代表の指導を受けながら先ず斜面に垂直な壁をつくり二箇所(入り口)から中へ掘っていく。出だしはいいが天井を掘る際の姿勢がキツい。また穴の奥の方は堀った雪をビニールシートで運び出すという作業に難儀した。二つの入り口の間の壁は1mの厚みを確保し内部で繋げる。まだか、まだかとワクワクしながら各々横に掘り進めついに貫通!!そこから楽しさが増し全体を広げていく作業に皆が没頭する。最終段階に入るとF代表から面取りの指示が。内装の見た目問題かと思いきや、どうやらそうではないらしい。中で快適に過ごす為の重要な工程なのだとか。凹凸があると室温の上昇と共に出っ張り部分から水が垂れてくるのだと。なるほど・・。

午後2時50分、ついに私たちのお宿が完成。雪洞の中は常に0度、決して暖かいとは言い難いが、だからと言って寒くもなく少しヒンヤリとした空気感。また雪は外部の音を吸収し静かな真っ白な壁の空間をつくりだす。入口を塞いだブルーのツェルトやその背後から差し込む光で様々な色に変わるのも幻想的だ。そこにキャンドルの灯がポッ。白に映えるビビットなカラーではなく淡い色調の。本来は一酸化炭

素中毒にならないよう「ロウソク」の炎をみるためだけど、私にとってそこは「キャンドル」が灯る癒しの空間。つまりビバークにしては最高すぎる完成度に感じたということなのだ。

しかし、ついにきたか天井からの水ポタポタ問題。温度の上昇した個所は雪の透明感が増していると教えてもらう。食卓を囲みF代表から素敵な話をききながらもキョロキョロ鍋とお玉が手放せないメンバー。そんな状況が深夜も続き午前3時にお玉片手に格闘する自分に吹いてしまった。一歩外は厳冬期の鬱蒼とした西黒尾根。雪は深深と降り続いている。そう考えたら気持ちが和んでしまうのも当然と思う。

冬山は美しく計り知れない魅力があるが常に怖さと隣り合わせである。このような機会に参加出来たのはとてもありがたく。今後も冬山を楽しみつつ、万が一の事態に備え命を守る術を習得していきたい。ご指導下さったF代表、また自然に対する感性を共有できたメンバーの皆様、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

(記録 M.M)