華道家元 池坊正教授
1992年 ”フローリスト彩花”を開業。同年に池坊へ入門。
二児の母として子育てに奮闘しながらも経験のなかった花、そして経営の世界で少しづつ努力を形にしていく。
ホテルオークラ大手企業40周年イベント会場や、倉敷新渓園インバウンドイベント会場のプロデュース。
市内保育園・幼稚園の催事や、料亭へのいけこみ・レストランのオブジェ制作、ウェディングなど28年に亘り倉敷市に店舗を構え、2015年池坊にて正教授の看板を獲得し、更に活躍の幅を広げてきた。
「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」
歌人、武将太田道灌がうたった、この詩をいつも心にとどめている。
ある日道灌が鷹狩に出かけたところ、急に雨が降ってくる。
近くの粗末な小屋で蓑を借りようとしたところ、中から若い娘が出てきて、黙って山吹の花一枝を道灌に差し出す。それは古歌を踏まえたもので、娘は貧乏で道灌様にお貸しする蓑一つもございませんということを、山吹に託してそっと告げたものだった。
古から花を一輪手渡すことで気持ちを伝える日本の美しい文化は、現代の社会でも変わらず伝えていきたいと、この詩をモットーにしている。
花を身近に。それぞれのスタンスで花を楽しんでもらいたい。
吉田洋子