生体模倣膜を利用した味覚センサの開発および実用化研究
本研究室では、生体膜を模倣した人工脂質膜を利用した味覚センサの開発および実用化に向けた研究を進めている。特に電荷を有しない味物質や弱電荷を持つ味物質の計測に取り組んでいる。
センサとAI技術の融合による風味評価システムの開発
本研究室では、多次元的かつ非侵襲的なガスセンサとサーモグラフィカメラを用いて生鮮食品の嗅覚や視覚データを取得することで、機械学習により精度の高い鮮度評価を目指している。
研究室に配属されると、卒業研究が始まります。卒業研究のテーマについては、先輩の研究テーマを引き継ぎつつ、自分の貢献を加えて改良する形を取ることもできますし、自分の興味のあるテーマを考えて研究を進めることも可能です。しかし、いきなりそのようなことを言われても、戸惑ってしまう方もいるかもしれません。そのため、前期中を目途に暫定的な研究テーマを決定し、学生実験では学べなかった実験技術や装置の操作方法、研究に必要な基礎理論などを、「全体ゼミ」の形式で学んでもらいます。その後は、そのテーマを発展させて卒論のテーマにしても良いですし、全く新しい研究テーマに挑戦することも可能です。
巫研究室は、センサデバイスの作製から出力のデータ処理まで行う研究室です。そのため、卒論テーマはハード寄りかソフト寄りか、自分の趣味や特性に応じて選択することができます。基本的には個人単位で卒業研究を進めますが、指導教員と相談のうえ、自分で実験スケジュールを作成し、自分のペースで研究を進めていきます。週に1回、全員が集まって進捗報告を行い、今後の計画を立てます。研究室内では、約束を守ることを前提に、自分の都合に合わせて柔軟に実験時間を設定することが可能です。「結果が出なかったらどうしよう」と心配する必要はありません。結果が分からないからこそ挑戦する、それが大学での研究の醍醐味だと巫は常々考えています。
当研究室では、感性情報工学に関する研究を行うので、電子情報工学の専門知識だけではなく、化学や生物の基礎知識と興味を持つことも望ましい。多分野が融合してできたテーマに興味があれば、ぜひ挑戦してみてください。
<卒業研究テーマ>の例
・フェニルボロン酸を用いた甘味センサの開発
・部分解離アミンを用いた食品用苦味センサの開発
・ケモセンサを用いたお茶の品種識別に関する研究
・半導体ガスセンサによる鮮度評価システムの開発
・味覚と嗅覚融合センサを利用した風味の総合認識手法
・サーモグラフィカメラを利用した青果物の鮮度評価システムの提案