にゃーん

特に関係のない話が増えすぎるとアレなので、こちらに移していきます

 ・寺悠迅が良かったので旧約聖書の話をします(寺悠迅の話はしません)

 キランユウ、好き……。

 でも私はバックトゥザフューチャーを見ていないので、バックトゥザ霊柩車が分からないんですよね。
 分からないのに、絶対自分が分からない良さがあると確信している。これは単に、薦めてきた人を信頼しているというわけではなく、にじみ出る良さ、まわりの構成から「ここに良い感じなものがあるんだろうな」という感覚を受信していると思うんですよ。

 ところで私が旧約聖書で一番好きなのは伝道者の書(コヘレトの言葉)なんですけど、これは世界一の知恵を授かったソロモン王が知恵によって世界を俯瞰したとき「ん? 全部マジで無駄じゃないか……???」となってしまったという内容です。あれも無意味、これも無意味。色即是空、空即是色。って話をしたあとに、「でもこの無意味な世界を楽しめる瞬間ってあるやん?」「人間には、虚空に神を見出す機能があるじゃん?」「日々を楽しむこと、これが信仰の全てだよね」みたいな締め方します。(※聖書の解釈は諸説あります)
 分からないけどなんか……そこにある気がする。そういう感覚が人間にとって大切なんですね。本家ぽれんはそういう感覚に満ちていていい。ぽれんになりたい。

 さてこの伝道者の書の次に並んでいる聖書箇所は雅歌といって、大変面白いところです。というのも、マジで何を言っているのか分からないんですよね。これも作者はソロモン王ということになっていて、ソロモン王大好き美少女ヒロインが「好き!好き好き!」と言ってくるのを「可愛いなあ……」って言ってる内容です。
 これは本当になんの教訓があるのか本気で分からなくて、古代ユダヤの導師(ラビ)もけっこう悩んだみたいなんですが「でもこの、語感重視でテキトーに作った謎単語とかすげぇ良い感じなんだよなぁ」「意味はわからんけど、めちゃくちゃ良い感じするから聖書扱いでいっか!」「作者ソロモンか怪しいけど、こんだけ良い感じならもうソロモンでいっか!」みたいな凄い適当な扱いで聖典として認められているすごいやつです。
 この美少女ヒロインはおそらくイスラエルの擬人化で、彼女との幸せな結婚式はソロモンの王としての在り方を喩えたものなんだよ、みたいな感じでカトリックが頑張って説明してきましたが。近年は「冷静に考えてその解釈は苦しくないか?」「分からないものを分からないって言うのも大切だよ?」みたいなことを言われるようになってきています。
 本当に分からないので、主日礼拝ではほぼ題材に選ばれず、緩い信徒は存在すらよく覚えていない雅歌。あんまりにも扱われないので、逆にヘブライ語聖書研究会みたいなニッチイベントでは「とりあえず雅歌、いっときますか!」「普段読まないとこやりたいもんね!」みたいになったりもする雅歌。
 それが伝道者の書の直後に置いてあるの、めちゃくちゃ良いと思いませんか。実質バックトゥザ霊柩車なんですよね。(※聖書の解釈は諸説あります)

 翻ってソロモン王の話。ソロモンってサブカル文脈的には魔術師で悪魔使役なイメージが強い。でも真面目なキリスト教徒的には、ソロモン王の一番メジャーな逸話って、神から知恵を授かった話だと思うんです。
 旧約聖書エンタメ力No1のダビデ王。その息子であるソロモン。やっぱりダビデパパの存在から話を始めないと。というわけで戦争で血に濡れてしまったダビデに代わって、清い手で神殿を作り上げるソロモン。神殿を完成させた褒美に、神から「なんか欲しいもんとかある? 言うだけ言ってみそ」と問いかけられて「じゃあ……良いものと悪いものを見分ける能力が欲しいですね。王の仕事ってそういうのだと思うので……」と答える。神は喜んで「ソロモンくん、謙虚でいいなぁ! じゃあ知恵あげるね」となる。
 教訓が単体で分かりやすい話だし、このソロモンの知恵概念がのちのち何度も出てくる関係で、ソロモンの代表逸話って感じがします。知恵によって世の中の良いものを見極めようとする伝道者の書とか、もろに関係してますし。

 ここ単体だとソロモンが求めた知恵って民を裁く判断能力なんですけど。あとの部分を含めて見返すと「俺はバックトゥザフューチャーを見てないけど、バックトゥザ霊柩車がなんか良い感じなのは伝わってくるぜ!」「バックトゥザフューチャー……見るか!」こそがソロモンの求めた知恵じゃないかって気がしてきます。
 王国は全盛期を迎え、遥か遠くの国までもがイスラエルに注目する。処理すべき情報量は最大に達し、忙しない生活の中で、いまyoutubeで見るべきコンテンツはどれか瞬時に判断しなければならない。
 あのときソロモンが知恵を願ったからこそ、我々は「自分には分からないけど多分良いやつ」「自分にはノーサンキューだけど誰かにとって有益」というスタンスで創作物を認めることができる。紀元前1000年に寺悠迅がバックトゥザ霊柩車を配信したからこそ、ソロモン王は神の問いかけに正しく答えることができたんです。
 ほんとうなんです。霊柩車のなんかゴツイ棺の中には時間旅行用の機械が詰まってて、紀元前1000年までタイムトラベルできるんです。信じてください。


 ・人類滅亡後のPinocchia 

 ニコニコのゲームアツマールがもうすぐ終わると聞いて、今のうちにやっておくべきゲームとして思い立った一作。作者がカクヨムに投稿していたロリババア考古学がとても良かったので、ゲームも触っておきたかったんですよね。4,5時間くらいでクリアできる手ごろな名作と聞いています。

 ゲーム開始直後、どこを触ればアンドロイドを建造できるのか、アンドロイドを用意した後どうすれば扉が開くのか分からずに最序盤でちょっとつまづいたりしましたが、良いゲームでした。

 シンプルなシステム、着実に前に進む感覚。お世話になったアンドロイドを使い捨てていく罪悪感と、それでも唯一の人類らしき自分が進まないわけにはいかないという使命感。30日で死ぬ設定、資源を使い捨てて進む状況。(ゲーム的には何度でも拾えるとはいえ)再利用できる金属資源はどう考えても限界があって、一度進みだしたからにはもう立ち止まるわけにはいかない。アンドロイドを分解してコアを取り出すときの痛みに適度に寄り添ってくれる設定、いいですね!

 新しい機体を作れるようになったらすぐ作りたいけど、そのために分解するのが忍びなくて、途中コアをちょっとだけ温存して頑張ってみたり。そうしているうちにコアが余り出して、シールド装置をたっぷり作ったあとに万能型がコア2個要求してきたり。今の自分なら修復装置に一機置いて分解せずに先に進むこともできるけど、それはアンドロイドにとって本当に良いことなのか、分解してそのコアといっしょに戦う方がむしろ有情なのではないかと悩んだり。アンドロイドを分解/製造するシステムに心を揺さぶられて気持ちよかった。

 ゲーム途中で出てくるコマ切れの情報からでは全貌は読み取り切れないけど、そもそも記録を残している人たちもちゃんと全てを把握しているわけではないのが伝わってくる。シンプルなシステムでさくさく進んでいるうちにどんどん増えていく情報量。わぁ、気合の入ったSF。断片的な文書をちりばめていって世界を描く手法だいすきです。ストーリー面も大満足。六層に辿り着いて視覚的に明かされる最後の情報もなんだかすごく気持ちよかった。

 エンディング。ポケモンの殿堂入りみたいな感覚で出てくる、これまで犠牲にしたアンドロイド一覧に申し訳ない気持ちになりながら、しみじみと「よかった……」と声に出す。よかった……。 


 ちなみに、アツマールがサービス終了したあともふりーむで遊べるみたいです。
 季節の変わり目ポイントで体調崩してる時期に頑張る必要なんてなかった。

 ・図書庫の城邦と異哲の女史 

 まだ一章しか読んでないんですが、だいぶ好きです。

 最近、動画編集作業をやるようになって、作業用BGMに悩んでたんですよね。作業にBGMが欲しい、けどBGMがあると音声のチェックがやりづらくなーるー。というわけで、最近はラジオ系のものをBGMにしています。
 匿名ラジオとか、ゆる言語学ラジオとか。

 そしてゆる言語学ラジオの流れからくる自分の中のニーズ、ゆるい言語学スタートがとても良くハマってしまって。わぁ、気持ちが良い。という感じで一章を読みました。テキパキと現地言語に適応する才女、よきもの。知識チートジャンル結構好きなんですよね。

 いろいろ考えていろいろ調べてるけど、作中で説明しすぎるのはアレだから我慢するけど、我慢しきれない作者。滲み出す個性。そうそう、こういうのでいいです。ネット小説に求めるもの、その個性と変な尖り方にある。こういうの、まあダメなときはダメだし、読めない時は読めなくなるんですが。だからこそ、読めるときの尖り方を見つけると嬉しくなっちゃいますよね。好き。

 ところでBGMに使うのに良い感じのラジオ系BGMがあったらディスコードで教えてください。

 ・ミルモでポンのナンダカワカンナイノが好き

 わがままフェアリー ミルモでポンに出てくる生き物で「ナンダカワカンナイノ」って名前の生き物がいるんですよ。スライムと言うか、アメーバ状の生き物でうにょうにょしている。これを「何これ?」って妖精に聞くと「ナンダカワカンナイノ」って答えが返ってくる。誰に聞いても「ナンダカワカンナイノ」としか言ってくれないので、なんだか分かんない。博覧強記の者も、温厚篤実なる者も「なんだか分かんないの」の一言で切って捨ててしまい、情報がなんら得られない。
 それは本当にナンダカワカンナイノを知っていると言えるのだろうか。名前を知っただけで分かった気になっているだけで、本当は誰もナンダカワカンナイノを分かっていないのでは……?
 やがてナンダカワカンナイノは突然増殖して妖精界を埋め尽くしそうになり、そのときなって妖精たちは改めてナンダカワカンナイノと向き合う。

 一方で、名前を知っていることって社会の中でそれがどう扱われているかを理解しているみたいな側面もある気がしていて。AIイラスト生成とか、適切な言葉を知っていること、その言葉がどういうイメージと繋がっているのか理解していることがすごく重要ですよね。言葉とは神なりき。

 ジュール・ヴェルヌの海底2万マイルでは、「名前は分からないけど、どんな魚でも特徴を瞬時に解析して分類学的な位置を把握できる魚類学者」と「学術的なことは分からないけど、どんな魚でも一目見れば呼び名が思い浮かんで、かつ食べられるかどうか分かる漁師」とでコンビを組めば最強だぜみたいな話があるらしい。
 ジュール・ヴェルヌ先生は、名前を知っていることと性質を知っていることを別種の知識として捉えていたのでしょうか。おもしろい。
 読んでないので本当かどうか知らないんですけどね。検索してもそんな話出てないので、そんな話があるのか不安になってきました。ほんとうにあるのかな……。海底2万マイルを読むべきなのでは……?
 はたして自分はいったいどこでこの話を聞いたんだっけ。なんだか分かんないの……。

 ・K2

 安定感が凄い漫画。短い話も長い話もあって、良い人も悪い人もいて、それで400話以上続けて「納得いかない回」が出てこないのは本当にすごいことだと思います。K2はこういう話なんだよ! という一貫性が強固に世界を作っている。K2は絶対何とかしてくれる、なんとかしてくれるけど、ただ退屈な話にはしない。チカラ。アバレ。医者が心の底から相手を救おうとしたならば、いずれ必ず患者も分かってくれるし、医者と患者がともに全力を尽くせば必ず良い方向に進む。

 本当に安定しすぎていて、あまりにもするっと読めすぎる回もあるにはある。けど、箸休め感覚でまあいいか。今日はこのへんで読むの止めておくか、と良い感じに受け止められるので全話公開いいですね。読み味が最高になります。

 たっぷり話数をかけて進める本筋の部分、一也と宮坂さん和久井くんの成長については、ここだけ切り取っても十分いけるくらいの面白さがあって大好き。宮坂さん、ほんとうに良いキャラをしている。大好き。
 そして、しっかり前に出てくる医者キャラは全員メンタル的に完成して頼れる感じになっている中で、彼らが医者として悩んでいる姿はとても意味ある描写だと思います。K2世界の中で医者になることの重み、尋常ではない。

 まだ250話くらいで、大学生編を読んでいるところ。ここから一人前になるまでが楽しみです。














Q.ショートケーキについて考えるとはどういうことですか?

A.ブルーアーカイブは盆栽ゲーなので、早めに始めておいた方がいいということです。一方でストーリーはほぼ育成無しで読めるので、シナリオ目当てであれば急いで始める必要はありません。デイリーを真面目にやらなくてもシナリオは追えるような側面があります。

-そもそもアプリやる必要ある???
 あります。イベント戦闘でシナリオを進めるような表現があるため、できれば動画で履修するよりアプリを実際に触って欲しいコンテンツになります。強制編成の戦闘でキャラを触ってもらうことで人物理解を多面的に進める。ソシャゲだからこその創作表現ですが、こうしたやり方でキャラへの親近感をノベル外で高めた上でシナリオを語る。その方式には、やる夫スレ系統にも通じる技法がある気がします。ユウカのことを何も知らないのに、ユウカがゲーム開発部を潰しに来たときには既に配布タンクとしての信頼があるんですよね。そして信頼に応えてくれる。
 ソシャゲであることに真剣に向き合った構成、往年ギャルゲが異様に長い日常シーンを描くことで作り上げようとした物語前提を盆栽ゲー部分に委託するが如き設計にも価値を感じます。
 また最近メインシナリオの一部をイベントでやるようになっており、そのあたりの空気を知るためにもアプリプレイが必要でしょう。
 しかしガチャの星3排出率は低めのゲームになっており、気になったキャラの絆ストーリーを読むために動画に頼るようなケースもあるかと思われます。

序盤のはなし
 ・序盤は先生レベルが大切になるため、戦術対抗コインはなるべくAP回復に使うのがいい
 ・強化素材はすぐ足りなくなるため、ゲームシステムを理解するまではレポートと装備強化程度に留めておきたい 理解が深まったタイミングで、しっかりと目的をもって限られたキャラにリソースを集中させよう
 ・任務報酬で上げられる「カフェレベル」は最重要ポイント
 任務を進めることでAPが増え、APが増えると先生レベルが上がりやすくなり、任務を進めやすくなる
 2部隊編成が必要な任務も、クリアするだけならメイン1部隊でなんとかなるような調整が多め 貫通・神秘の層が薄くても意外と任務は進められます カフェレベルのために積極的に任務に挑戦していこう
 キャラがきちんとかみ合っていれば推奨レベル-20くらいまでいける また最低限アタッカー属性が合っていれば手動で頑張ることで推奨-10くらいは普通にいける
 神秘属性のキャラが足りない場合も、貫通アタッカーで誤魔化してなんとかクリアをもぎ取れるケースも
 ・熟達証書は装備交換で使ってしまって大丈夫
 熟達証書ショップで取りたいものの多くはAP消費で手に入るものになっている
 (限定キャラの真名文字がずらっと並んでいるが、これらの限定キャラは真名文字では新規入手できない 既に持っているキャラの強化用になっているため、当分は触る必要がない)
 そのため熟達証書でT4装備などを早めにとって任務をクリア、カフェレベルを早く上げることができればAP的に元が取れるはず

バレンタインの水着エリちクイズで出てきた単語が気になったのでメモ第一問
・ハワードカーター&カーナーヴォン卿(ツタンカーメンの墓発掘)
・アラビアのロレンス(アラビアのロレンス)・ラムセス二世の第四皇子カエムワセト
第二問・ヴェントリス&チャドウィック(線文字B)・バルテルミ神父(パルミラ文字)・シャンポリオン(ロゼッタストーンいいですよね。大英博物館に行ってきた友人が、ロゼッタストーン栞をプレゼントしてくれたのが凄くうれしくてうれしくて、これ大きめでちょっと文庫本には使いづらいんですけど、ハードカバーの本にはロゼッタストーン栞を使うようにしてます)
第三問・アンティキティラ・トロイの木馬・テキサスハンマー
ブルーアーカイブ、時間泥棒すぎない・・・?
やっぱりソシャゲ増やすのは無謀だったんじゃ

 こんなところまで読む人はそんなにいないと思うので、言いづらいことを言ってしまうんですけど

 「せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい」が好きなんですよね。最強の回復魔法を貰って異世界に転移して、ひたすら娼館巡りをしていたかと思ったら突然ロボに乗ってバトルし始める話です。ふつうに18禁描写を繰り返すのでなろうから怒られてノクターンに移動し、その後漫画化されている作品です。

 魔法による医術がある世界、真っ先に取り組まれたのは性病対策・避妊技術だった。結果、性が最強の娯楽として世界中に広まっているというのに異様な説得力を感じてしまって。あまりにも日常として描かれる性行為、職業として受け入れられすぎている娼婦、世界観が好き……。広義のSF性を感じます。こういう、もはやエロが馴染み過ぎてエロと感じなくなるタイプの創作物がツボです。

 あとこの作風でロボ路線がちゃんと面白いの不思議な気持ちになって良いですね。タイトル通り、作者が好きにやっていて良い。楽しんで書いているのが伝わってきて楽しい。敵意のこもった視線に快感を感じる異能によって超反応を実現する、連続絶頂おばさんとのハイスピードロボ戦闘、正気じゃない。良い……。