「ふぁみりーすまいる」について

◆ 病気としての認知が低く、家族を巻き込む「アルコール依存症」

アルコール依存症は飲酒をする方であれば誰でも発症する可能性のある疾患です。日本でのアルコール依存症の患者数は100万人以上と推定され、そのうち治療を受けている方はわずか5万人(5%)と言われています。アルコール依存症者の行動・言動は「意思が弱い、ダメな人」と性格の問題と誤解されますが、病気が引き起こす問題です。また、周囲の人への影響を及ぼし、共に健康を害していくため、「人を巻き込む病気」と言われています。巻き込まれたご家族と当事者は、共に影響を与え、反応しつつ、治療的な介入がない限り、歪んだ関係を続けていきます。しかし、大事なのは、依存症が病気であり、回復が可能だという認識です。


◆ 仲間と同じ苦しみを共有し、共に回復をめざして

私たちは、アルコール問題を抱える家族からの暴言暴力を受けてきた経験があり、暴言暴力の辛さと、家族に対してどれほどの悪影響を及ぼすか、身をもって知っています。私たちのように苦しんでいる家族と当事者をなんとか救いたい、その為に仲間として寄り添いたい、共に回復していきたい、家族の回復が当事者の回復につながるのであきらめないでほしい、という思いから、2021年に、京都・奈良を中心に「ふぁみりーすまいる」を立ち上げました。

◆ 相互連携ネットワークづくり

医療、行政、保健所、警察などの支援機関や、社協、包括支援センター、ケアマネ、自治会長、民生委員、教育機関などの支援者と共に問題を解決していけるようなネットワークづくり進めていきます。支援者側の皆様にも、病気としてのアルコール依存症についての理解を深めて頂きたいと考え、相談会や勉強会を提供していきます。病気としての「アルコール依存症」の知識を深めてもらい、それぞれの機関が一方通行的に繋いで終わりではなく、連携しながら支援していく体制を目指します。一時的避難所「ほっと House」については、110番登録など所轄の警察に事前相談をしながら、セキュリティー対策をとり、連絡連携体制を作っています。

精神的にも肉体的にも傷ついている家族の皆様が、健康な心を取り戻すために寄り添い、仲間として共に回復を目指し活動を続けていきます。


メンバー紹介

代表

西野 時雨
Nishino Shigure

お酒を飲むと母への暴力がある父親を見て育ち、後にその父親(46歳)がお酒による食道癌で他界。平成3年公立高校を卒業後、引っ越し会社へ就職、平成10年から15年間学校や保育所の給食調理師として勤務、その後結婚を機に退職し、不動産業を営む夫の仕事を手伝う。

令和元年、アルコール依存症と診断された兄を切っ掛けに自助グループの家族会に入会する。アルコール依存症を原因とする身体疾患で兄を亡くすが、その後も自助グループの家族会の中で、酒害に巻き込まれた自身の回復に取り組み続ける。

悩む家族の相談を受ける側になり、自助グループでは補えない、きめ細やかな支援をとの思いで、ふぁみりーすまいるを立ち上げ、現在同じ志を持つ仲間と共に支援活動に励んでいる。

ーー【資格】

平成  7年 調理師資格
平成27年 宅地建物取引士資格
令和  4年 MCAJapan認定精神対話士資格

副代表

山崎 千里
Yamazaki chisato

4歳~9歳 母親の病気でヤングケアラーとして育つ。小学校4年生~6年生 転校2回。公立高校保育科進学。在学中に国家資格保育士を取得。市職員保育士勤務の経験を経て現在に至る。

アルコール依存症で入院中の夫(断酒中)と知り合い結婚。病識がなかった為、退院したら治る、そう思い、少しくらい大丈夫と進めてしまい、再飲酒が始まる。夫はコントロール出来ない状況になり、暴言・暴力により、警察・パトカー・救急車・はしご車等の世話になる。警察からは、私たち家族の身の危険を考え離婚・シェルターへの避難をすすめられ、被害届を出し夫は逮捕された。逮捕されたからアルコールは抜けているだろうと思い夫の元に戻るが、又再飲酒を始め、暴言・暴力が続いた為、医療・自助グループに繋がり夫は断酒継続中。

酒害相談を受ける中で、同じ思いをする家族を我が家に避難してもらった時、その家族のお子さんが「お母さん、おばちゃんところのカレーは暖かいな」と言う言葉を聞き、自分の経験を元になんとか一人でも多くのひとを助けたい。きめ細やかな支援をしていくにはどうすれば良いかとの思いが強くなり、同じ思いをしてきた仲間と、ふぁみりーすまいるを立ち上げ、共に支援活動に取り組んでいる。
現在も、自身の回復のため家族の自助グループに所属している。

ーー【資格】

保育士
子供心理カウンセラー
チャイルド心理カウンセラー
行動心理カウンセラー
行動主義心理アドバイザー資格取得

メディア掲載

2023.11.5

毎日新聞  記事掲載

「愛しているから」一時避難 奈良にアルコール依存症者の家族用施設

依存症者の家族が一時的に避難できる施設「ほっとハウス」について、取材を受けました。

毎日新聞 Web記事はこちらから

https://mainichi.jp/articles/20231105/0/00m/040/031000c

2022.10.13

毎日新聞  記事掲載

アルコール依存からの回復を目指す人たちの自助団体が主催する全国大会が奈良県で開催される関連で、自身の「酒害」に関する内容で取材を受けました。

2021.5.31

京都新聞  記事掲載

代表西野が、これまでの体験と、家族支援の取り組みに関して取材を受けました。