(1)通常総会及び講演会
平成31年4月17日(水)13:30~17:00、福岡市内のホテルで通常総会及び講演会を開催しました。
通常総会では来賓として九州地方整備局 藤井政人河川部長、福岡県土整備部 県坂茂範部長、日本河川協会 大西参与並びに福岡県河川協会 吉村悠会長から御挨拶を受けた後、平成30年度事業報告と決算報告及び平成31年度事業計画と予算計画が承認されました。
総会に出席いただいた来賓各位
福岡県河川協会 吉村悠会長の挨拶
審議終了後、報告事項として、「今年度の役員について」長年に亘り、会の活動に寄与された4名の理事が退任し、新たに4名が理事になり、次にサークル活動報告では「川に学ぶ会」の風土資産マップ、「川にふれあう会」の小石原川ダム建設事業、「森林を育てる会」の宇美町の四王寺県民の森で開催された「福岡県みんなの森づくり」に参加した活動の説明を各理事が行いました。「日本河川協会の近況について」を大西参与が説明を行いました。
サークル活動報告
総会終了後、「平成29年7月九州北部豪雨災害への対応について」のテーマで三谷泰浩 九州大学大学院教授の講演会を開催しました。平成29年7月に福岡県朝倉市、東峰村及び大分県日田市を中心に大きな災害をもたらした豪雨の特性、被害の特徴を自ら九州大学内の調査、復旧・復興支援団の団長として現地に入り調査した結果を述べられました。また、復興計画を朝倉や東峰村で地元の住民を中心に話し合って作り、これに対する支援体制の委員会を立ち上げて継続されています。東峰村には今回の災害記録を「伝承館」として企画し設置するなど活動した経験も話されました。また、GIS基礎技術研究会の主催者として、行政だけでなく住民自らが情報を知り、避難行動の助けになるシステムの構築についても講演されました。何よりも大切な人命や社会を守るために自助・共助の強化を支援することを基調に講演されました。会場には「ふくおかの川と水の会」会員と会員外を含め124名が熱心に聴講しました。
三谷泰浩 九州大学大学院教授による講演会
(2)釣川流域風土資産マップの配布と小・中学校へのアンケート聴収について
マップは教育委員会や小学校、中学校に無償配布するとともに数校の学校に訪問してマップに対する意見、感想などをいただきました。郷土のことを知る資料として、教材での活用を考えていただくご意見がありました。また、小学生の学習では漢字が多い、字が小さいなどの注意点もいただき、今後のマップ作りに参考とさせていただきます。
(3)釣川流域小学校校歌・風土資産マップ展示会開催
平成30年度に作成した「釣川流域風土資産マップ」を宗像市の海の道むなかた館で7月31日から8月10日までの11日間、福津市図書館で8月21日~24日までの4日間、過年度に当会で調査しました小学校校歌パンフレットと流域風土資産マップを展示し、説明を行いました。また、展示会場には昨年度の矢部川マップの作成でお世話になりました八女市職員からの紹介で、小中学校生の作文を表彰する「ざぶん賞」の趣旨、チラシを置いて他のボランティア活動に協力をしました。
平成20年度から24年度にかけて、福岡県内の小学校校歌を調査し、効果に歌われている河川流域の関連の記事をまとめたパンフレットを県内の地域ごとに順次、展示・説明会を行ってきています
本年は、平成30年度に作成した釣川流域の風土資産マップに因んで宗像地域での開催となり、宗像市と福津市のご支援により、公共施設を無償で提供された会場で行えました。
来場者には幅広い年齢層の方々が来訪され、2会場の15日間の展示で延べ181名の来訪者がありました。
宗像市で行った展示会の様子
(4)森林を育てる会
令和元年11月10日(日)に糟屋郡宇美町の「福岡県立四王寺県民の森」で開催の『福岡県みんなの森づくり』に参加しました。午前中の活動は広葉樹のケクロモジの植樹を行いました。ケクロモジは西日本地方の山奥に自生していて、枝や葉からはレモンの香りがする木で、福尾県緑化センターではアロマオイルを造る原料となるそうです。この木を植樹する特徴について、主催者の福岡県緑化県営林から三項目が挙げられました。「スギ・ヒノキの樹下に植える。」「樹下に植えることで充実した山林となる。」「ケクロモジ」は枝や葉を収穫しても修復が早い。」とのことです。昼の弁当をはさんで午後は木工クラフトで「箸」「コースター」「ストラップ」に別れて作業を行いました。毎年、11月の第2日曜日に開催されるそうなので、参加してみてください。
福岡県みんなの森づくりへの参加
(5)川にふれあう会: 高尾川地下河川の見学会
令和元年11月19日(水)に那珂県土事務所で高尾川床上浸水対策特別緊急事業を見学しました。
平成26年8月の大雨により生じた浸水等の甚大な被害に対して、阻害している橋の架け替えや高尾川に地下河川を設置し、家屋の床上浸水被害を解消する事業です。座学は那珂県土事務所会議室で、火山災害室長、土井主査から地下河川を選択した経緯や模型実験による検証の説明を受け、JV会議室では荒東監理技術者から、直径5mのシールドトンネルを現況河川の真下に約1kmにわたって設置する工事で、曲率半径60m以下の急曲線が27箇所もある高度な技術を要する内容のパワポでの説明を受けました。見学会は機械点検日に合わせていただき、立坑よりセグメントで保護された坑内を見学しました。掘進は約半分ほど進捗しており、カーブの多い坑内でのセグメント部材の多種の組み合わせ、掘進方向制御のモニター監視など進んだ技術の説明を受けました。
高尾川地下河川の見学会
(6)福岡県土木親和会での活動報告
令和元年9月18日に行われた福岡県土木親和会の夏期講習会で「ふくおかの川と水の会の活動報告」のテーマで会の趣旨・概要、並びにサークル活動のあらましを紹介しました。親和会会員からの報告として、短い時間の演題の1コマでしたが、会の活動内容を周知し、新会員の勧誘もさせていただきました。
(7)河川財団主催 令和元年度 川づくり団体全国事例発表会と河川教育研究交流会に参加
令和2年2月8日~9日に東京で開催された会を聴講しました。川や水辺への親しみを教育現場や地域で活動する川づくり団体から発表があり、今後の当会活動の参考になるものでした。
(8)川に学ぶ会 流域の風土資産マップの制作
毎年、河川財団からの助成金を受け、河川の流域毎に自然、歴史や暮らしを川に因む事柄でまとめる1枚のマップ作りを行っています。本年度は糸島地域の「糸島の川 瑞梅寺川・雷山川を中心とした流域の風土資産マップ」のテーマで、会員が班分けして、自ら記事や写真を収集し、成果品を得ることができました。このマップを地域の方々、特に小中学校に無償で配布し、また、展示会を行い、河川への愛着、ふるさとへの思い等に気づいていただけるように思っています。次年度も遠賀川上流地域のマップ製作を企画していますので、会員の皆さんの参加をお待ちしています。