数学には「層(sheaf)」という概念があります。空間の開集合にデータが割り当てられており、それらの間にある条件を満たす結びつきがあるとき、それらのデータは一つの層をなします。
層 F があると、それを構成するデータをすべて貼り合わせることによって、一つの大きな空間 Ét(F) を作ることができます。この対象は F の「エタール空間」と呼ばれています。この名前はフランス語の「espace étalé(広げられた空間)」に由来します。
算数や数学が好きな人たちを、空間の開集合になぞらえてみましょう。それぞれの人が持っている好奇心やアイディア、ひらめきなどの総体は、会話やSNSを通じて結びつき、一つの層のようになっています。
「エタール・スペース」という名前は、この層のエタール空間のように、好奇心やアイディアが「一つに折り重なる場所」をつくりたい、という理念から付けられました。
ちなみに「エタール」という語はこれとは別に代数幾何学の用語にもなっていますが、そちらはフランス語の「étale(海面などが静止しているさま)」に由来します。最近の英語の論文ではエタール空間もこの綴りで表記されることが多いため、エタール・スペースのロゴもそれに倣っています。