植物のモニュメンタリティ
2020
素材/技法:左から、紙にインクジェット印刷(2点)、ターポリンにインクジェット印刷(2点)、テントロープ、ハンノキの枝、デジタル銀塩プリント(4点)
Monumentality in Vegetation., Inkjet on paper, Inkjet on tarpaulin sheets, lambda prints, 2020
1 根室半島・春国岱
アカエゾマツ天然林。保存に係る由緒不明。
《古老ノ語ル所ニヨレハ開拓使以前ニ於テハ嚴ニ海岸ノ樹木ヲ伐採スルヲ禁 シタリト云フ》『北海道殖民状況報文 根室国』1898、北海道殖民部
2 焼尻島・鶯谷
アカエゾマツ天然林。
天狗の祟りがあるので、決してここに生える木は切ってはならないと伝わる。
3 津軽半島・上宇鉄
神社境内雑木林。植樹と思きアカエゾマツが一本。植樹に係る由緒不明。
《山を大切にするは萬民性命を保つ事の元なれは山を大切に思ふ(中略)山林に深く心を用されは成木難し後世に至るまで上下能々山林に心を用ゆへ しと也》菊池元衛『津軽信政公事蹟』1898
4 夏泊半島・椿山
ヤブツバキ天然林スギ人工林境。
椿の花咲く頃になって枝を折ろうとする者がいると、その枝を折り給うなと言って女の霊が現れると伝わる。
写真撮影 伊藤留美子
Photo by Ito Rumiko