創発量子現象の凝縮系物理の新展開
エニオン、エッジ状態、ハイブリッド量子系
創発量子現象の凝縮系物理の新展開
エニオン、エッジ状態、ハイブリッド量子系
超伝導体や半導体などの異なる量子系から構成されるハイブリッド量子系は、トポロジカル超伝導や分数量子ホール効果などのさまざまな量子現象を創発する舞台として、長い研究の歴史があります。さらに、これらのトポロジカル相の素励起には分数統計に従うエニオンが存在するなど、魅力的な物理が現れます。エニオンとはボーズ統計・フェルミ統計のいずれとも異なる量子統計を示す準粒子励起であり、凝縮系物理学における重要な概念です。今日、エニオン系のもつ非局所相関や、トポロジカル量子計算のプラットフォームとしての可能性に注目が集まっています。広く知られているエニオンとして、マヨラナ準粒子があります。近年、超伝導接合、分数量子ホール系、量子スピン液体など様々な量子系でマヨラナ準粒子の存在が予言されてきました。また、マヨラナ準粒子はトポロジカル超伝導のエッジ状態として現れますが、これはアンドレーエフ反射に由来する表面アンドレーエフ束縛状態の特別な場合に対応します。さらに、ハイブリッド量子系では、エニオンやエッジ状態以外にも、様々な新しい量子現象が期待されます。一例として、超伝導体と分数量子ホール系のハイブリッド量子系、第三の磁性体である交替磁性体との接合系、超伝導体ダイオード効果などの非相反量子現象などがあげられます。
このような背景を踏まえて、この研究会ではハイブリッド量子系から創発する新奇な準粒子やその周辺に広がる量子現象のフロンティアについて、分野横断的に議論することを目的とします。本研究会で扱う主なトピックスは以下のようなものを想定しています。
超伝導接合、トポロジカル超伝導
量子ホール効果、分数量子ホール効果
量子スピン液体
原子層物質
関連した分野:量子情報や場の理論など
各分野で第一線で活躍されている国内研究者が結集し、超伝導接合、分数量子ホール系、量子スピン液体の各分野の最新の研究動向を共有し、さらに未踏領域の研究課題を開拓していくことを目指します。
なお、研究会は原則として対面形式で行います。プログラムは、招待講演者による講演に加えて、一般申し込みによる口頭発表とポスター発表を予定しています。
懇親会:6月26日(木)18:00 から(湯川記念館サロンにて)
懇親会費は、一般:6,000円、学生:3,000円
秋保貴史(NTT)
岩切秀一(物材機構)
磯部大樹(九州大学)
宇田川将文(学習院大)
戎弘実(基礎物理学研究所)
柏谷聡(名古屋大学)
後藤隼人(理化学研究所)
清水康弘(静岡大学)
副島智大(Harvard University)
田中未羽子(物性研究所)
那須譲治(東北大学)
成田秀樹(名古屋大学)
橋坂昌幸(物性研究所)
深谷優梨(岡山大学)
水島健(大阪大学)
柳瀬陽一(京都大学)
山崎勇樹(東京大学)
若村太郎(NTT)
田仲由喜夫(名古屋大学)
笠原裕一(九州大学)
加藤晃太郎(名古屋大学)
佐藤昌利(基礎物理学研究所)
野村健太郎(九州大学)
橋坂昌幸(物性研究所)
松尾貞成(東京科学大)
水島健(大阪大学)
2025/6/14: 懇親会情報を更新しました。
2025/6/3: プログラムとポスター発表リストをアップしました。こちらから
2025/4/25: 参加登録を開始しました(締切は5月23日)
2025/4/23: Invited Speakers リストを更新しました。
2025/4/16: ホームページを公開しました。