創発量子現象のフロンティア:
超伝導接合、エッジ伝導、エニオン
創発量子現象のフロンティア:
超伝導接合、エッジ伝導、エニオン
超伝導や半導体などを用いた接合系の歴史は長く、ジョセフソン効果や超伝導近接効果など数多の量子現象がこれまでに明らかになった。その中で、半導体接合で実現する2次元電子系には分数量子ホール効果が現れ、その素励起は分数統計に従うエニオンとして振る舞う。長らく、この系を中心にエニオン研究がされてきたが、2020年頃からエニオンの分数統計の観測や分数電荷を反映した新奇なトンネル現象の観測が相次いで報告されるなど、新たな展開を見せ始めている。他方、この10年ほどの間に、トポロジーに基づく新しい物質観が急速に浸透した。これは新規なトポロジカル物質群の発見をもたらしただけでなく、超伝導・超流動や量子ホール系、量子スピン液体などの異分野にまたがってエッジ伝導やエニオンといった共通の物理が現れることを明らかにした。さらに、複数の要素を組み合わせることでトポロジカル相を人工的に創生できることを教えてくれた。その典型例は、低次元半導体と従来型超伝導の接合で実現されるトポロジカル超伝導相であり、そのエッジにはマヨラナ準粒子という非可換エニオンが現れる。
このような近年の動向を踏まえて、本研究会では、トポロジーやエニオン、エッジの物理などを共通言語として、超伝導接合や量子ホール系、量子スピン液体などの各分野の最新の研究動向を共有する。さらに、本研究会では、これらの分野の屋台骨を支える接合やメゾスコピック試料の設計・合成、エニオンと深く関連する量子情報分野、今後の展開が期待される非エルミート系などの分野を扱う。これらの分野で第一線で活躍されている国内研究者を結集し、接合系・メゾスコピック系における創発量子現象の探求や、さらに、未踏領域の研究課題を開拓していくことを目指す。
なお、研究会は原則として対面形式で行う。プログラムは、招待講演者による講演に加えて、一般申し込みによる口頭発表とポスター発表を予定している。
懇親会:5月30日(木)18:00-20:00(北部生協2階)、
懇親会費は、一般:6,000円、学生:3,000円
蘆田祐人(東京大学)
池谷聡(名古屋大学)
板橋勇輝(理化学研究所)
戎弘実(基礎物理学研究所)
押川正毅(物性研究所)
加藤晃太郎(名古屋大学)
北浦良(物材機構)
幸坂祐生(京都大学)
小塚裕介(物材機構)
柴田尚和(東北大学)
仲井良太(九州大学)
橋坂昌幸(物性研究所)
橋本顕一郎(東京大学)
藤本聡(大阪大学)
星野晋太郎(埼玉大学)
松尾貞成(東京工業大)
村木康二(NTT)
山影相(名古屋大学)
Le Duc Anh(東京大学)
水島健(大阪大学)
橋坂昌幸(物性研究所)
田仲由喜夫(名古屋大学)
佐藤昌利(基礎物理学研究所)
松尾貞成(東京工業大)
加藤晃太郎(名古屋大学)
笠原裕一(九州大学)
2024/5/10: 懇親会の情報を更新しました。
2024/5/2: プログラムとポスター発表リストをアップしました。こちらから
2024/4/30: 参加登録を締め切りました。
2024/4/23: 参加登録の締め切りを4月30日(火)14時まで延長しました。
2024/3/14: 参加登録を追加しました。登録締め切りは4月22日です。
2024/3/2: ホームページを公開しました。