畳の構造
畳床
畳の中心部分で、普段は目に見えないものの、畳の性能において最も重要な役割を果たします。畳床は、ほど良い硬さや柔軟性、優れた遮音性や保温性、そして湿気の調整機能を持ち合わせています。特に、稲わら100%の畳床は、転倒時に衝撃を和らげる特性があり、高齢者や幼児がいる家庭では、フローリングやカーペットとは異なる柔らかさで安心感を提供します。
畳表
畳表は「い草」を織り込んで作られます。い草は農家が1年間かけて育てたもので、生産者や畳製造業者が織り込みます。品質の良い畳表は、草丈が長く、太さと色合いが均一であることが特徴です。同じ農家で育てられたイ草でも、状態により上級品や並級品に分かれます。
畳縁
畳縁は畳の端部分(畳表の切り落とし部分)を保護し、補強するための布製、ポリエステル素材です。畳縁がしっかりと縫い込まれていることで、型崩れやほつれが防げます。また、歴史的には権威や身分を示すものであり、絹、麻、綿などの素材が使われてきましたが、現在ではポリエステルなども加わり、色や柄が豊富になっています。
お手入れ方法
掃除機の使用
掃除機をかける際は、畳表の織り目に沿って行い、特に畳縁部分も丁寧に掃除してください。
風通し
晴れた日は風通しを良くするために、部屋をしっかり換気してください。
拭き掃除
拭き掃除は乾拭きが基本です。
カビの対策
カビが発生した場合は、畳の目に沿ってブラシをかけ、掃除機でカビを吸い取った後、手袋を着用して消毒用アルコールで拭き取り、その後よく乾燥させてください。
ダニの対策
ダニが発生した場合は、風通しを良くし、こまめな掃除を心がけましょう。可能であれば、畳を干すのが最も効果的です。
畳表のカス
畳表のカスが服についてしまった場合や、へこみや隙間が気になり始めた時は、畳替えの時期かもしれません。
畳の定期的なリフレッシュ
裏返し
新畳を設置してから3~4年後、畳が日焼けしたり、傷みが見られる場合は、畳表を裏返して張り替える作業が推奨されます。ただし、畳表の傷みが進んでいると、裏返しができない場合があります。
表替え
畳表を新しいものに取り替える作業で、通常は4~5年ごとに行います。
畳の入れ替え
畳全体を新品に交換する作業です。畳床は適切に使用すれば10~20年持ちますが、床下の湿気や室内の換気に注意して使用することが大切です。
畳の機能と効用
湿度調節
畳は自然に湿度を調整し、夏は涼しく、冬は暖かい環境を提供します。
空気清浄
ホルムアルデヒドや二酸化窒素などの有害物質を吸着し、空気を清浄に保ちます。
香り
畳の香りは、心を和ませる「自然のアロマテラピー」として知られています。
柔軟性
適度な弾力性があり、転倒時にも怪我をしにくい素材です。
防音・吸音
転倒時の衝撃を和らげるだけでなく、生活音や振動を吸収する効果もあります。