このサイトでは私がグリーンカード(アメリカの永住権の証明として付与されるカード)をEmployment-based, the second preference, National Interest Waiver (EB2-NIW)カテゴリーで2024年に取得した際の記録をまとめています。主な内容は、私の基本情報、実際にかかった費用、myUSCISの実際の記録、タイムライン、申請プロセス全体の総論となります。このような手続きは時代とともに移り変わるものなので、この申請が2022-2024年に行われたものであることにご留意ください。
You can find the English version here.
学位:日本で学士と修士、アメリカで博士を取得
専攻分野:機械工学
職業:専攻分野に関連する業種にて、アメリカの企業でエンジニア
申請時のビザステータス:F1-STEM-OPTから申請手続き中にH1Bへ切替
論文引用数合計:Free evaluation依頼時は600+、USCISへの申請時は700程度
論文:筆頭著者の論文が数本、筆頭著者のConference paperが数本、それぞれ専攻分野の代表的論文誌、学会を含む。総論文数は共著の論文とConference paperを合わせて20+。
査読:12件
受賞等:個人で受賞したものは複数あったが、いずれも申請には役立たないものと弁護士から判断された。唯一申請に使えたのは、博士課程時代に論文で貢献したNational Science Foundation (NSF)のFunding。自分で獲得したAwardではないが、NSFのウェブサイトで私個人の名前で研究成果への貢献が客観的に確認できるため採用された。
メディア出演等:なし
I-140 Attorney Fee: $4,250
I-140 Filing Fee: $700
I-485 Attorney Fee: $1,500
I-485 Filing Fee: $1,225
I-693 (Medical Exam): $295
Total cost: $7,970
I-131 Case history:
April 4, 2023 Advance Parole Document Was Produced
April 4, 2023 We approved your Form I-131, Application for Travel Document. November 22, 2022 We received your Form I-131, Application for Travel Document.
I-765 Case history:
February 2, 2023 Card Was Delivered To Me By The Post Office
February 2, 2023 We mailed your new card your Form I-765, Application for Employment Authorization, directly to the address you gave us.
January 31, 2023 We approved your Form I-765, Application for Employment Authorization.
January 30, 2023 We ordered your new card.
December 29, 2022 The fingerprints relating to your Form I-765 Application for Employment Authorization, were taken.
November 22, 2022 We received your Form I-765, Application for Employment Authorization.
I-140 Case history:
December 8, 2022 Case Was Approved
November 22, 2022 We received your Form I-140, Immigrant Petition for Alien Worker.
I-485 Case history:
May 29, 2024 Card Was Mailed To Me
May 22, 2024 We approved your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust
Status.
May 21, 2024 We ordered your new card.
June 28, 2023 We are temporarily pausing work on your application because an immigrant visa number is not immediately available to you.
February 21, 2023 We transferred your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status, to another USCIS office that now has jurisdiction over your case.
February 17, 2023 Your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status, was transferred to another office for processing.
全期間:約2年間(2022年5月9日から2024年5月31日)
弁護士契約からUSCISへの書類郵送までの期間:約7か月
I-140の審査期間:17日(約11営業日)
I-485の審査期間:約1年6か月
2022年5月11日
North America Immigration Law Group(以下NAmILG)よりApproval or RefundにてEB2-NIWカテゴリーで契約可能との返信。オンラインでI-140の手続きの契約書にサイン。
2022年10月21日
I-140の申請書類が自宅に到着。
2022年11月22日
USCISがI-140とI-485を受領。この日がReceived dateであり、Priority dateになる。
2022年12月12日
USCISから郵送されたI-140のApproval Noticeが届く。
2023年2月2日
USCISから郵送されたI-765(EAD)が届く。
2023年4月12日?
USCISから郵送されたI-131/Advance Parole Approval Noticeが届く。
2024年5月22日
4月以降、3日に一度くらいの頻度でmyUSCISをチェックし続け、ついに変化が現れる。
May 22, 2024 We approved your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status.
May 21, 2024 We ordered your new card.
ついにI-485がApproveされ、長いプロセスの終わりが見えてくる。Green Cardはどれくらいで届くのか?ネットで調べると、早くて数日、遅くとも2週間程度が平均的な時間のようだ。これまでの待ち時間に比べれば2週間など誤差のようなものだが、それでもこの時間がまたとても長く感じる。
2024年5月29日
myUSCISがアップデートされる。結局、これが最後のアップデートになった。
May 29, 2024 Card Was Mailed To Me
Green Cardは通常Priority Mailで郵送されるようで、USPSでアカウントを作ってInformed Deliveryに登録していると、登録しているemailにPriority Mailの配送状況がTracking numberとともに送られてくる。携帯電話のテキストで通知を受け取ることも可能。ここからはUSPSのwebsiteで配送状況を逐次確認できる。受け取りにサインは必要なく、通常の郵送物同様ポストに投函される。配送が完了するとその旨がemail/textで通知される。
2024年5月31日
昼頃にGreen Cardの配送が完了したことをemail & textで知る。帰宅後にポストに投函されているGreen Cardを無事受領。この瞬間をもって、2022年5月9日にNorth America Immigration Law GroupにEB2-NIWのFree evaluationを依頼してから約2年間の手続きが完全に終了する。
2022年5月7日
Diversity Visa Program (DV-2023)で不当選の結果を受けてEmployment-based, the second preference, National Interest Waiver (EB2-NIW)カテゴリーでのグリーンカード申請を決意。
2022年5月9日
North America Immigration Law Group(以下NAmILG)にEB2-NIWのFree evaluationを依頼。
2022年5月11日
NAmILGよりApproval or RefundにてEB2-NIWカテゴリーで契約可能との返信。オンラインでI-140の手続きの契約書にサイン。
2022年5月13日
NAmILGのオンラインシステムへのアクセスが確立され、Attorneyがカウンターサインした契約書をもとに契約が成立。I-140 Attorney Feeとして$4,250が請求される。一括での支払いを選択。
2022年5月15日
ZelleにてI-140 Attorney Feeの送金を開始(送金限度額の関係で2回に分けて支払い)。
2022年5月16日
NAmILGのオンラインシステムにて、申請手続きに関する大量の書類へのアクセスが可能になり、各種インストラクションの読み込みとともに実質的な書類手続きの開始。I-140とI-485をConcurrent filingすることを決意。この日から11月18日の書類郵送(Concurrent filing of I-140 and I-485)までの約半年間、ほとんどの週末を何らかの形でこの申請手続きのために費やすことになる。
2022年6月12日
推薦状やPetition Letterの素材となるSummary of Contributionsの第一稿及びその他の書類をアップロード。Summary of Contributionsのために費やしたのは5月28日・29日、6月4日・5日、6月11日・12日の週末の6日間。
2022年6月15日
NAmILGからSummary of Contributionsに関するフィードバックを受ける。修正・追加内容を確認。
2022年6月19日
Summary of Contributionsの第二稿及びその他の書類の改訂版をアップロード。
2022年6月21日
NAmILGからSummary of Contributionsに関するフィードバックを受ける。修正・追加内容を確認。NAmILGが9名の推薦者候補を4名(Dependentが1名、 Independentが3名)に絞り込み、推薦者候補へのコンタクト開始のゴーサインが出る。
2022年6月25日
Summary of Contributionsの第三稿をアップロード。4名の推薦者候補へ推薦状依頼メールを送信。推薦者からの承諾を得た日は以下の通り:
推薦者1:6月25日
推薦者2:6月25日
推薦者3:6月26日
推薦者4:8月6日(推薦者候補から返信が得られず、何度も推薦者候補を変更)
2022年6月28日
NAmILGからSummary of Contributionsに関するフィードバックを受ける。修正・追加内容を確認。
2022年7月1日
Summary of Contributionsの第四稿をアップロード。推薦者4から返信が得られず、替わりの候補を探し、NAmILGへ報告。
2022年7月4日
NAmILGがSummary of Contributionsの内容を確認し、最終稿がまとまる。ここからの1か月間、4人目の推薦者の選定、推薦状依頼メールの送信を繰り返すが返信が得られず、手続きが停滞する。結局、この1か月間が、申請手続き全体の中で最もストレスフルな期間になる。
2022年8月6日
ようやく4人目の推薦者候補から承諾を得て、4名の推薦者が確定する。
2022年8月10日
NAmILGが推薦状の草稿を開始。10営業日のカウントダウンの開始。
2022年8月23日
NAmILGが推薦状第一稿の草稿を完了する。推薦状の内容及び推薦者とのやり取りにおける注意事項を確認。
2022年8月27日
推薦者へ推薦状の原稿を送信。推薦者から署名入りの推薦状をPDFで受領した日は以下の通り:
推薦者1:8月31日
推薦者2:8月27日
推薦者3:8月30日
推薦者4:9月8日(1週間レスポンスが無くて焦る。リマインドメールの後無事に受領。)
Proposed Endeavor & Future Plans in the Fieldの第一稿をアップロード。
2022年8月31日
NAmILGからProposed Endeavor & Future Plans in the Fieldに関するフィードバックを受ける。修正・追加内容を確認。
2022年9月10日
全ての推薦状と推薦者のCVもしくはオンラインプロファイルをアップロード。
2022年9月13日
NAmILGがI-140 Petition Letterの草稿を開始。10営業日のカウントダウンの開始。
2022年9月21日
Form I-140、G-28、ETA-750Bを自動生成するための情報をオンラインシステムにて入力開始。
2022年9月25日
Form I-140、G-28、ETA-750Bを自動生成するための情報の入力完了。
2022年9月26日
NAmILGからForm I-140に関するフィードバックを受ける。このフィードバックの中で、I-485のプロセスが開始していないことに気付く。一番最初のやり取りでI-485でもNAmILGと契約すると明示していたので、先方の指示で最も早いタイミングでI-485のプロセスが開始されるものと思っていたが、こちらから改めて契約開始の意思表示をしなければならないようだった。いまだにこのプロセスに疑問があるが、I-485の書類には有効期限が短いものが含まれており、それらはI-140の書類がある程度まとまらないと手続きを開始出来ないため、それほど大きな遅れにもなっていなかったようだった。
I-485でもNAmILGと契約する旨を改めて伝え、必要な手続きを尋ねる。
2022年9月27日
NAmILGがI-140 Petition Letterの第一稿の草稿を完了する。それなりの量の添付書類があるが、それらを準備する前に、21ページの内容を確認し、最終稿の内容を確定させることに集中する。
同時に、I-485の契約を開始するための手続きが開始。オンラインフォームへの基本情報の入力開始。I-485 Attorney Feeとして$1,500を支払い。
ここで一気にタスクが増える。I-485の作業量が思った以上に多く、少し気落ちする。実際、I-485の書類を全て揃えるまでに、ここから1か月半以上かかっている。
2022年10月1日
Visa StatusがF1-STEM-OPTからH1Bへ切り替わる。
2022年10月5日
NAmILGがI-140 Petition Letterの最終稿をまとめる。
2022年10月6日
I-485の契約完了。
2022年10月7日
I-140 Filing Feeとして$700を支払い。
2022年10月9日
論文などを始めとしたI-140 Petition Letterの添付書類をアップロード。
2022年10月20日
NAmILGがI-140の申請書類を私の住所に発送。この時、Concurrent filingでもNAmILGがUSCISにI-140をI-485に先行して郵送すると思っていたため混乱する。結局、この時自宅に郵送されたI-140の申請書類はI-485の申請書類が完成するまで保管し、両者同時にUSCISに改めて郵送することになる。
2022年10月21日
I-140の申請書類が自宅に到着。
2022年10月26日
I-693(Medical Exam)以外のI-485の申請書類が揃う。I-485 Filing Feeとして$1,225 (Filing Feeが$1,140で、Biometricsが$85)をチェックで申請書類に添付。NAmILGがI-485のカバーレターの作成を開始。I-485はCivil SurgeonがI-693にサインした日から60日以内にUSCISに受領されなければならず、なおかつI-693の期限は2年間であるため、ある程度申請書類がまとまるまではMedical Examの手続きを開始しないのが一般的。一方で、EB2-NIWの全体の審査期間が2年を超える可能性は十分にあるため、Medical Examを2度行う費用と手間を避けるため、あえてI-693を添付せずに申請するという選択肢もある。その場合、I-485の審査が進むにつれて後日USCISからRequest for Evidence (RFE)が発行され、その段階でMedical Examを行うことになる。I-485のインタビューが行われる場合はその時に持参。
最初にMedical Examを済ませておくか、後からやるか、これは完全に個人の好みの問題になる。NAmILGは2年間の有効期限を考慮して、基本的にはI-485申請時にMedical Examを行うことは推奨していない。それでも私の場合はI-485申請時にMedical Examを済ませておくことを選択した。理由は、
・日本国籍の場合(中国、インド国籍ではない)、EB2-NIWで2年以上審査がかかることは稀だと考えたため。
・審査が2年以上かかってI-693が失効するリスクよりも、審査がスムーズに進んだ場合にRequest for Evidence (RFE)で余計な遅れが生じることのリスクに対する懸念の方が大きかったため。
2022年11月8日
近所のCivil SurgeonからMedical Examを受ける。費用は$295。数日後、血液検査の結果を受けて、以下のワクチンを接種するように指示される:
・インフルエンザ
・Hepatitis B(B型肝炎)
・Tdap(破傷風、ジフテリア、百日咳)
Covid-19のワクチンもリストに含まれていたが、私は既に3回接種していたので、それ以上接種する必要は無かった。連絡を受けたあと、医療保険でカバーされる病院でHepatitis BとTdapの接種を予約。インフルエンザも含めて、これらのワクチンは全て保険でカバーされて無料。
2022年11月9日
NAmILGがI-485のカバーレターの草稿を完了。同時に、その他の書類へのフィードバックを受ける。
2022年11月10日
NAmILGがForm I-485, I-765, I-131をアップロード。署名箇所の指示を受ける。
2022年11月11日
インフルエンザワクチンの接種。署名してスキャンしたForm I-485, I-765, I-131をアップロード。NAmILGがI-485申請書類の全てのスキャンをアップロード。
2022年11月15日
Hepatitis BとTdapワクチンを接種。ワクチンの接種記録のPDFをCivil Surgeonに送付。NAmILGがI-485申請書類の最終チェックを終える。追加すべき書類は最新の給料明細とI-693のみ。NAmILGがI-140とI-485の申請書類を並べる順番、綴じ方、郵送方法の詳細を指示。
2022年11月16日
Civil SurgeonがI-693にサイン、病院でI-693を受け取る。この日で申請書類の全てが揃うが、二日後に給料日が控えていたので、その給料明細を最後の書類として含めることにする。
2022年11月17日
最新の給料明細以外の全ての書類をNAmILGの指示通りまとめる。分厚い書類を綴じるのに必要なクリップや金具、ゴムバンドなどは事前にアマゾンから購入した。
2022年11月18日
最後の書類である給料明細を含めて、USCISにI-140とI-485を発送。これでついに手続き完了!この時点で契約開始から約7か月。ようやく一息つく。一方、奇しくも11月に公表されたに12月のVisa Bulletinにおいて、長い間CurrentだったEB-2 Rest of WorldのFinal Action Datesが11/01/2022に、Dates for filingが12/01/2022にそれぞれRetrogressする。この時点では審査期間がどれくらいになるかわからなかったが、少なくともCut-off dateの直前に郵送出来たことは幸運だった。
December 2022 Visa Bulletin
Employment-based 2nd, The Rest of the World
Final Action Dates: 01NOV22 (Day, Month, Year)
Dates for Filing: 01DEC22
2022年11月22日
USCISがI-140とI-485を受領。この日がReceived dateであり、Priority dateになる。
2022年11月28日
USCISからテキストメッセージにてI-140, I-485, I-765, I-131のReceipt Numberと、それらの受領書であるI-797が郵送された旨が送信される。その後、USCISのオンラインシステムであるmyUSCISでアカウントを作成して全ての申請書類の進捗状況を管理。この時点では、USCISで書類が受領された情報のみが記載されていた。
2022年12月1日
USCISから郵送されたI-797が届く。
2022年12月9日
なんとなくmyUSCISにちゃんとログイン出来るかどうか気になりログインし、何かマイナーアップデートがないかチェックする。すると、I-140のステータスが"Case Was Approved"になっていることに気付く。数秒間状況が把握出来なかったが、次第に、それが紛れもなくI-140のApprovalを示しているということを理解する。Notice dateは12/8/2022となっていた。じわじわと喜びが沸き起こった。今まで見聞きした情報によると、EB2-NIWのI-140の審査期間は早くても2~3か月はかかると思っていたので、予想よりあまりにも早い審査にただただ驚く。実際、サンクスギビング休暇を考慮すると、11営業日程度しか経過していない。あまりにも早すぎるので、何かの間違いではないかと逆に不安になり、とりあえずApproval Noticeが届くのを待つ。
2022年12月12日
USCISから郵送されたI-140のApproval Noticeが届く。
2022年12月14日
NAmILGにスキャンしたI-140のApproval Noticeの内容確認を依頼。
2022年12月15日
NAmILGが、間違いなくI-140申請が承認されたことを確認する。これでようやく確信を持つ。わずか2週間ちょっとで、あっけなくI-140が受理され、あとはI-485の受理を待つばかりとなる。
2022年12月16日
USCISから郵送されたASC Appointment Notice(Biometrics)が届く。Notice dateは12/10/2022。myUSCISでのアップデートはなかった。アポイントメントは2022年12月29日。
2022年12月29日
指定されたUSCISにてBiometricsを終える。時間通り、15分程度でスムーズに終了。
2023年1月31日
I-765がApproveされる。
2023年2月2日
USCISから郵送されたI-765(EAD)が届く。
2023年2月3日
USCISから郵送されたI-765のApproval Noticeが届く。
2023年2月27日?
USCISから郵送されたI-797C, I-485 Transfer Noticeが届く。
"In order to speed up processing, we transferred the application or petition ("your case") listed above to the following USCIS office for processing:
National Benefits Center, P.O. BOX 648005, Lee's Summit, MO 64064"
2023年4月12日?
USCISから郵送されたI-131/Advance Parole Approval Noticeが届く。
April 2023 Visa Bulletin
Employment-based 2nd, The Rest of the World
Final Action Dates: 01JUL22 (Retrogressed by 4 months since the application)
Dates for Filing: 01DEC22
この時点まで申請が順次受理され、残すはI-485のみとなるが、上記の通りFinal Action Datesがさらに後退したため、先の見えない待ちに突入する。
なぜよりによって自分が申請した月にRetrogressしたのかと、気分が沈む。EB1は依然としてCurrentだったため、多少リスクを取ってもEB1にするべきだったかと度々後悔するようになる。しかし、少なくとも申請当時までは何年もEB2はCurrentだったため、あの当時はEB1にするメリットがほとんど無いと考え考慮さえもしなかった。
2023年6月28日
myUSCISのStatusが以下のようにアップデートされる。
"We are temporarily pausing work on your application because an immigrant visa number is not immediately available to you."
この時点でFinal Action DatesがさらにRetrogressしていた。
June 2023 Visa Bulletin
Employment-based 2nd, The Rest of the World
Final Action Dates: 15FEB22 (Retrogressed by 9 months since the application)
Dates for Filing: 01DEC22
予想外のさらなる後退で見通しが立たなくなり暗雲が立ち込める。
2023年7月
日本に休暇で帰省。アメリカ大使館でH1Bのスタンプを取得。無事H1Bでアメリカに再入国。
2023年9月
Visa Bulletinに進展あり。
September 2023 Visa Bulletin
Employment-based 2nd, The Rest of the World
Final Action Dates: 01JUL22
Dates for Filing: 01DEC22
2023年10月
Fiscal Yearの最初のVisa Bulletinにも関わらずほとんど進展が無く、失望が深まる。ただし、この月からUSCISのアップデートがQuarterごとに変更になったため、期待は1月に持ち越される。
October 2023 Visa Bulletin
Employment-based 2nd, The Rest of the World
Final Action Dates: 08JUL22
Dates for Filing: 01JAN23
2024年1月
2024 2nd Quarter、期待通り大幅な進展あり。
January 2024 Visa Bulletin
Employment-based 2nd, The Rest of the World
Final Action Dates: 01NOV22
Dates for Filing: 15FEB23
2024年3月
Cut-off dateが奇しくも自分のPriority dateである2022年11月22日になる。調べた結果、Priority dateはCut-off dateよりも1日以上前でなければならず、まだ待ちが続く。
2024年4月
2024 3rd Quarter、ついにCut-off dateがPriority dateよりも先行し、ようやく手続き再開の兆しが見える。この時点で、I-140が受理されてから1年4か月が経過。
April 2024 Visa Bulletin
Employment-based 2nd, The Rest of the World
Final Action Dates: 15JAN23
Dates for Filing: 15FEB23
実際のApril 2024 Visa Bulletinの公表は3月の上旬なので、ここから4月になるのを首を長くして待つ。そして、4月になってからは頻繁にmyUSCISをチェック。無情にも、変化は一切見られない。この時点においても、これからどれだけ待たなければいけないのか、全く手掛かりがない。状況は改善しているが、いつまで続くかわからない待ち時間に神経が磨り減る。
2024年5月22日
4月以降、3日に一度くらいの頻度でmyUSCISをチェックし続け、ついに変化が現れる。
May 22, 2024 We approved your Form I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status.
May 21, 2024 We ordered your new card.
ついにI-485がApproveされ、長いプロセスの終わりが見えてくる。Green Cardはどれくらいで届くのか?ネットで調べると、早くて数日、遅くとも2週間程度が平均的な時間のようだ。これまでの待ち時間に比べれば2週間など誤差のようなものだが、それでもこの時間がまたとても長く感じる。
2024年5月29日
myUSCISがアップデートされる。結局、これが最後のアップデートになった。
May 29, 2024 Card Was Mailed To Me
Green Cardは通常Priority Mailで郵送されるようで、USPSでアカウントを作ってInformed Deliveryに登録していると、登録しているemailにPriority Mailの配送状況がTracking numberとともに送られてくる。携帯電話のテキストで通知を受け取ることも可能。ここからはUSPSのwebsiteで配送状況を逐次確認できる。受け取りにサインは必要なく、通常の郵送物同様ポストに投函される。配送が完了するとその旨がemail/textで通知される。
2024年5月31日
昼頃にGreen Cardの配送が完了したことをemail & textで知る。帰宅後にポストに投函されているGreen Cardを無事受領。この瞬間をもって、2022年5月9日にNorth America Immigration Law GroupにEB2-NIWのFree evaluationを依頼してから約2年間の手続きが完全に終了する。
EB2-NIWで永住権を取得すると決意した後、審査待ちの時間は大体どれくらいになりそうなのか、NAmILGのwebsiteに記載されていた実際のケース例やその他インターネットの情報を調査した。その結果、早ければ3か月程度、遅くとも1年半程度、最も可能性が高いのは1年前後になりそうだという感覚を得た。実際にかかった期間は、I-140が17日、I-485が約1年6か月となった。ただし、本文でも述べた通り、I-485に関しては申請と同時にFinal Action DatesがRetrogressしたため、1年6か月のうちの1年4か月はBacklogの待ち時間であり、実質的審査期間は2か月だったとも言える。そう考えると、I-140及びI-485の合計の審査期間は3か月未満であり、手続き開始当初の楽観シナリオもあながち外れていないとも言える。ただし、そもそもこの類のプロセスは自分にはコントロール出来ないファクターに振り回されることが前提なので、予期せぬ待ち時間も含めて所要時間として受け止めるしかない。
この記事をアップロードする2024年6月時点(7月分)のVisa Bulletinは下記の通り:
July 2024 Visa Bulletin
Employment-based 2nd, The Rest of the World
Final Action Dates: 15MAR23
Dates for Filing: 22MAR23
申請書類一式をUSCISに郵送した当日にVisa Bulletinで長年CurrentだったEB2のFinal Action DatesがRetrogressしているのを知った時には、なんという不運なのだと脱力したが、あれからBacklogが解消されない状況を見ていると、不幸中の幸いだったのかもしれないとも感じる。仮に現時点、2024年6月に弁護士契約から同じプロセスを開始するとすれば、おそらく審査待ちの時間は最低でも2年半以上になると思われる。ここ数年の動向を見る限り、今後Backlogの状況が劇的に改善する可能性は低いと思われる。法律が劇的に変わるなどの出来事があれば話は別だが、移民法を旧態依然のものから刷新しなければならないという話はそれこそもう数十年に渡って議論されていることで、それでもほぼ全く変化が見られないことを鑑みると、先行きは暗いと言わざるを得ない。
I-485の審査待ちの期間は、Redditで人々の情報を参考にすることが多かった。もちろん匿名の掲示板での情報の精度は定かでないが、中には公表されているデータをもとに詳細な分析をしている人々がいたし、何より人々の素直な感情に触れるのが楽しかった。データを分析している人々が指摘していたのは、2022年頃からEB2-NIWの需要が増加しており、特にRest of the Worldの中でもいくつかの特定の国々からの申請が急増しているとのことだった。今後、EB2-NIWはBacklogの問題であまり良い選択肢ではなくなる可能性がある。EB1でチャンスがありそうな人は、積極的に狙っていったほうがいいかもしれない。
2022年の11月にEB2がRetrogressした際、EB3はCurrentのままだったため、EB2からEB3にダウングレードした人々もいたようだ。私も少しは考えたが、さすがにダウングレードすることには大きなリスクを感じたのでその選択肢はすぐに除外した。その後、EB3もRetrogressし、現在はEB2よりもずっと後退している。弁護士の勧めでダウングレードした人々もいるようで、その人々はのちに後悔したことと思う。
私の場合は、申請直前にH1Bに切り替えたため、最長で6年間の猶予があった。そのため、切迫した焦りは無かった。しかし、H1Bは失職した場合のリスクが極めて大きいため、一日でも早く永住権を獲得したかった。本文でも述べた通り、2022年5月にDiversity Visa Programの結果が発表され、結果は例年通り不当選だった。その結果を受けてじっくりと考えた結果、運任せのDiversity Visa Programに見切りをつけて、時間とお金をかけてEB2-NIWのプロセスを開始することにした。私の身の回りには、Diversity Visa Programに当選した人が二人いた。そのうちの一人は最初の一回で当選。もう一人は7回目で当選。そんな二人を見ていたため、Diversity Visa Programに期待していたが、人生計画を立てるうえでの主導権が握れないことに苛立ちを感じるようになっていった。振り返ってみて、良いタイミングで良い決断をしたと思う。お金も時間もかかったし、タフな仕事をしてくれたのは弁護士だが、それでもこのプロセスを通じて学ぶことは多かったし、自分のやってきたことを客観的に評価して文書化することの意義は大きかった。Green Cardの前面にはCategoryという項目があり、そこには3桁のコードが記載されている。このコードは、そのGreen CardがどのCategoryで入手されたかを表している。私の場合は、EB2を表すE26というコードが記載されている。Diversity Visa Programで入手した場合は、DV1やDV6のようなコードになる。Green Cardを人に見せる機会はあまり無いだろうし、Category Codeを理解する人はほとんどいないだろうが、苦労して手に入れたものなので、ある種の誇りを感じる。
推薦状の依頼を快諾してくださり、なおかつ迅速に対応してくださった推薦者の皆さまには感謝しかない。
最後に、EB2-NIWという選択肢があるということを博士課程の段階で教えてくれた、はとさんのブログ、”はとさんの伝えたいこと”を紹介する。このブログは、弁護士へのコンタクトから最後のGreen Card受領まで、何度も参考にした。Diversity Visa Programの不当選を受けて、すぐにこのブログを熟読した。そして、Green Card入手までのタイムラインやタスクを頭に焼き付けてから弁護士にコンタクトを取った。このブログに助けられたことが、私自身も出来る限り記録をつけて、インターネット上で自分の経験を公開するという動機になった。
この記事が読者の皆様の参考になると幸いです。
2024年6月