達成しやすい指示
前回の復習
- 前回は、子どもの適切な行動が生じやすい環境のととのえ方について学びました。
- 環境を整えることで、子どもが適切な行動をしやすくなったり、ほめられる機会を増やしたりすることができます
- 「整え上手の工夫」は、活用できていますか?
指示をする前に・・・
子どもが落ち着いたり、学びやすくなったりするための環境は整っていますか?
視覚的にわかりやすくしたり、注意がそれてしまう原因になるようなものを取りのぞいていますか?
子どもの好みを活用したり、子どもが使いやすい工夫はありますか?
今回は、環境調整にプラスして、子どもの適切な行動が生じやすい指示について、考えていきましょう。
指示をしたときの、子どもの様子は? 確認してみよう!
□ 声をかけても、聞こえていないように見える
□ 何かに夢中になっていると、声をかけても伝わらない
□ 聞こえているけど、理解できていないようだ
□ 聞こえていて、やろうとするけど、指示をおぼえていない
□ 聞こえていて、理解できているようだけど、興味がない
□ 指示は理解できているけど、やりたくない
子どもの様子で、対応を変えよう!
□ 声をかけても、聞こえていないように見える
□ 何かに夢中になっていると、声をかけても伝わらない
- タイミングをはかる
何かに夢中な時、パニックの時は指示が通りにくい
- 子どもの注意をひきつける
「○○ちゃん」と呼んだり、子どもの近くに行き肩をトントンとして
注意をこちらに向ける
□ 聞こえているけど、理解できていない
□ 聞こえていて、やろうとするけど、指示をおぼえていない
- 実物を手渡す
- 実物や写真、絵カードや文字などを見せる
- 見てすぐにわかる視覚的な手がかりを工夫する
(音声での指示を忘れてしまっても思い出す手がかりがある)
□ 聞こえていて、理解できているようだけど、興味がない
□ 指示は理解できているけど、やりたくない
- 子どもが興味を持てたり、安心して取り組めるように、子どもへの見せ方、伝え方を工夫してみましょう
- 指示どおりにできた後に、子どもにとってプラスの結果がもたらされることで、子どもが指示に従う回数が少しずつ増えていきます
- スモールステップで、できそうなことから少しずつ
声かけをするときのポイント
- 子どもがわかる、短いことばで
- 子どもがわかるように、具体的に
- 子どもの理解にあわせて、
指さし、視覚シンボル、写真、絵など、
子どもが見てわかる伝え方を工夫する
指示をしたら、ほめて終わる
時間がかかっても、指示どおりできたら、マイナスのほめ方は避ける
【例】 「どうしていつもこんなに遅いの!」 (怒った顔) ×
「自分で靴がはけたね!」(ハイタッチ)○
指示されたことができて、子どもにプラスの結果がもたらされると、
指示された行動ができるチャンスが増えていきます
初めは上手にできなくても、できたことを褒められる経験が大切です
子どもの適切な行動を生じやすくするために
声かけや指示がうまく伝わらないときは、子どもの特性や、子ども側の理由を考えてみましょう
声かけが伝わりやすい環境の工夫や、子どもがわかりやすい指示のしかたを工夫してみましょう
指示どおりにできたら、できるだけすぐに、子どもが喜ぶほめ方でほめます
子どもの特性に合った声かけや指示のしかたを工夫することで、子どもが指示を達成しやすくなり、成功体験を増やすことができます