行動のしくみ

子どもの行動を理解するための「行動のしくみ」

子どもの行動を理解するためには、A(直線の状況、きっかけ) B(どんな行動をしたのか) C(行動の直後の結果や対応)のABCの3つの枠組みで考えていきます。

行動のみ着目しているときに比べて、行動を3分割することで、何がきっかけにその行動がおこっているのか、なぜその行動がずっと続くのか、ということが明らかになります。

そうすることで、行動が起こりやすい場面を予測することや、困った行動を減らすための対応を考えるヒントになります

この3分割することを、ABC分析といいます。

ABC分析

行動が増えるしくみ

  • 「結果」にいいことがあると、「行動」が増える

例)「おいしいね」と言われたら、その料理を作る回数が増える

行動が減るしくみ

  • 「結果」に良くないことがあると、「行動」が減る

例)「おいしくない」と言われたら、その料理を作る回数が減る

ABC分析のコツ

①言葉やかかわりだけではなく、周りの状況の変化である場合もあります。

②きっかけや結果は、1つだけとは限りません。

③複雑すぎて気づくのが難しい場合もあります。

複数の場面で起きている場合には、それぞれの具体的なエピソードを書き出して、行動が起きる状況の共通性を見つけていきましょう。

行動の4つの機能

行動にはいくつかの機能があります。

これらの機能は1つだけのこともあれば、2つ以上重なっていることもあります。

それぞれの機能で対応方法が異なるため、ABC分析によって機能を推測できれば困った行動の対応方法を考えることができるようになります。

※ABC分析の練習をしてみよう

たろうくんは、ピーマンが苦手で、先に他のおかずを食べてしまいました。

最後、ピーマンだけになったとき、「おなかが痛い…」と言い始めました。

お母さんは、「おなかが痛いんだったら、ご馳走さましていいよ」と言いました。

行動のしくみ まとめ

  • 行動はそれだけが突然起こるものではありません。
  • 子どもの行動の前にある「きっかけ」や、行動の後にある「子どもにとっての結果や周囲からのかかわり」を整理すると、子どもへの援助が考えやすくなります。
  • 行動は、子どもからのメッセージです。必ず何らかの意味があります。
  • 同じ行動でも、前後(の状況)によって意味が異なる場合もあります。

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