Performance
インタビュー・ショウ
2007 - 2010
「記憶とその解放」に関するインタビューを
数日間、繰り返しステージ上で行う。
そして、回答は変化してゆく。
Performance
2007 - 2010
「記憶とその解放」に関するインタビューを
数日間、繰り返しステージ上で行う。
そして、回答は変化してゆく。
Photo: Asaco Suzuki
インタビュー ・ショウとは・・・
一般の方や、身体表現者の中から選ばれた出演者へのインタビューを、数日間くりかえしステージ上で行うオリジナルのパフォーマンス・アート。
公演にあたっては、音楽や映像、照明の切り替わるタイミングはあらかじめ決定されている。また、どのタイミングで、「こういう意味の質問をする」ということも共有されているが、その問い方や、回答の内容や方法については毎回出演者に託されていた。中には、突然、観客との対話を始める出演者もいた。
連日にわたって同じ問いを投げられて対話を重ねることで、出演者の考えや思いが変化していくことも珍しくはなかった。
一般から選ばれた出演者は、ホワイトボードを使って説明をする、落ち着くために手元では落書きをしながら回答する、など言語を使って回答していくことが多かったが、ダンサーや俳優が参加する場合には、身体の動きを通して、まさに身体的な記憶をさぐる方法も多くためされた。
出演者は一般の方と表現者の中から選ばれる。
河村と出演者は、数ヶ月にわたる事前のワークショップを通して、不可逆でありながら変化しつづける記憶が人生に及ぼす影響を語るための独自の方法を開発した。
その中には当然のこととして、言語を使わずに対話する方法もあった。身体の記憶と言語や時間との関係、つまり生命としての生きている状態と記憶との関係は、どの公演においても常に重要なテーマとなった。
舞台上で、「心の輪郭」が溶け始めていく
最終的には「これまでのどのような経験が、あなたの世界の見方を変えてきたのか?」という意味の質問がなされることが多い。
その問いによって提示される記憶に、今ここで関わってみせること。それが、さまざまな方法でステージ上で繰り返されることになる。
最終的にステージで披露されたのは、
あくまでも即興であるが、数ヶ月にわたって試され、変化しつづけた各々の思考の結果である。そして、今まさに舞台上で記憶が新たに生成される瞬間を捉えてみせんとする見せ物に結実してゆく。
どのステージも、インタビューを通して「心の輪郭」が溶け始めていく過程が立ち上がるようだった。
複層的な舞台
多くの即興的 インタビューと同時に
「舞台として作り込まれた部分」や「メタな視点」、「現実」などが舞台に持ち込まれ、複層的なレイヤーを作り出した。
作り込まれたパフォーマンスパート
例)「カップルが記憶を逆行して恋愛プロセスを振り返る」などのパフォーマンス
メタな視点
「記憶の番人」として毎公演をキャットウォークから実際に観察している、言語学者とアーティストのリアルタイムのチャットテキストが そのままスクリーンに上映される
現実とのリンク
SNS [Myspace] の日本代表取締役(当時)へのインタビュー映像
事前の墨田区の小学校のワークショップで作ってもらった、感情が通過する体の地図を元にアニメーションを作成
観客にケーキと飲み物を振る舞って、その場を観客との対話の場に転換する
など
2007年、駒場アゴラ劇場
冬のサミット2006 選出作品
2007/02/16 ~ 2007/02/18
Co.うつしい雪
ガイド&インタビュアー:河村美雪
インタビュイー
森田真生(東京大学大学院3年:当時)
小石祐介(東京大学大学院3年:当時)
徳久ウィリアム ( 声楽家 )
映像出演:茂木健一郎 ( SONYSL ブレインサイエンティスト:当時 )
ヴォイス・パフォーマンス:徳久ウィリアム
ウェイター&シンガー:矢崎秀盛(東京大学3年生 :当時)
記憶の番人 “Rose & Mary”
Rose: 宇野良子 (言語学者)
Mary:矢木奏 (現代美術作家)
シンポジウム参加者:観客
脚本・ディレクション:河村美雪
ディレクション助手:矢木奏
アニメーション:野田雅子
スライドプロジェクターの投影写真 : 河村美雪
音楽:堀口 一也
照明:Yoshiyuki HAGIWARA
記録撮影 : スズキアサコ
協賛:Company Sargasso
協力:CONTEMPORARY ART FACTORY
主催:こまばアゴラ劇場
2009年、駒場小空間
2009/01/24~ 2009/01/25
Co.うつしい雪
イペソる人 : エイキミア
わやどうる人 : 木室陽一
カリソウる人 : 賃貸人格
トゥラブる人 : 松下恵子
さてる人 : 矢木奏
みみる人 : 渡辺タケシ
不在の第三者 : 大倉マヤ
実在の作者 : 河村美雪
音響ポエム:平石博一(現代音楽家)
きまぐれキャッチボール:原倫太郎(現代美術作家)
音楽:DJ Shimakuro
舞台監督:北川大輔
映像技術:小楠竜也
記録撮影 : スズキアサコ
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公開ミーティング=1/24 終演後
司会:宇野良子(認知言語学・東京大学研究員)
アフタートーク=1/25 終演後
河村美雪×宇野良子(認知言語学・東京大学研究員)
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協力:荒川修作 ABRF, Inc. / 情報学環(東京大学)/ マイスペース株式会社 / シュティフ・ロマン
企画・制作・宣伝美術: Co.うつくしい雪
主催:池上研究室(東京大学)
Photo by Asaco Suzuki