調香家からの手紙について
〜レモン、キャラウェイ、クラリセージ、ベチパー〜
「ある大きな決め事をしなければならないのだけど、どうしたらいい?」
焦りや不安、でも後ろ向きではない 二つの選択でのずっとぐるぐるしている悩み。
それを、小瓶へ詰めて大晦日の夜につくり、7人へ届けました。
香りをいただいたとき、
あけたとたんさっと消えていく感じがして、
たしかに柑橘は感じたけど、正直よくわからなかったんです。
そのときのことを表現したのが一枚目の写真です。
それでもいただいたお手紙のことを感じながら、お返事を考えていたときに、
今回は、わたしがいま感じる気持ちを写真にして送ろうと思ったのでした。
それが2枚目。
言葉にすると、
香りを感じながらつぎの瞬間には消えてくように、
有ると無いはひとつ。
ハスの花が枯れていく様子に、
自分も年齢を重ねてきて、いつか消えていくときを思って、寂しくもなるけど、
それは次の有るの始まりでもあるよね。
そんな気持ちをお手紙にしました。
香りから緑などの自然をイメージしました。そこへあえて反発するように真逆の冷たいイメージで返信をしました
木の香りがした。そしてそこから抽出したスパイスのような香りもした。
様々なライフスタイルを持つ人々を包括する大きな街、
人とはつまり森のなかの一本の樹木だと思った。その樹木たるあなたからの、刺激的な便り。
創作に関する現在の充実と、これまでの人生の悲喜を話してくれたような気がしたので
その声を聞きつつ、自分もまた北の森の一本の樹木として話をするつもりで歌を詠んだ。
子はなさなかったけれど作品は街に残せそうなこと、
病をいくつか経たからこその心身の充足。
わたしたち、それぞれをよく生きたね。生き残り続けたね。そういういのちへの祝福を。
「自然に触れてますか?」というメッセージに感じて、自分の状況を見渡し、「ああ、海に行ってないなあ」と思いました。そして、「海の音が聞きたいです」というお返事を作品にしました
香りから都会的なイメージを彷彿。冷たい印象でしたが、だんだんと
冷たい森のイメージが出てきて、これは「開発などによって破壊された森林からのメッセージ」かなと思えてきました。
作品の流木は何100年も経てきた現在の姿。でも、昔の(緑の森だった)記憶はあるよ、というのが裏の緑の絵。
香りを感じて出てきたものをそのまま言葉へしました。とくにイメージを言葉へ変換することはせず、ぐるぐるしたような、始まりや終わりがわからないようなイメージを表現
第一印象はあたたかい感覚。
嗅いですぐに森の中に誘われるイメージが浮かんだ。
少し先に進むとそこには生き物がいた。
その生き物は毛深い大きな動物でこちらに近寄ってくると
「変わったなぁ」と言い、私は「変わらないねぇ」と返した。
そして、お互いの心地よい空間にすっぽりとおさまった。
:
わたしからのメッセージは
「たまにはいいよね、こういうのも。」
会場へ持参した返信の宛先は、B
この画像がそのまま面で迫ってくるような、言葉には変えがたいメッセージ。
言葉へ変換できないから、という理由でセレクトしました。
私からの返信は、
〜ハッカ、マジョラムスイート、タジェット〜
冷たくスッキリ、でも揺らぎも伴う様子をハッカとマジョラムで、
その0.5先への返事の意味でタジェットの草の甘さのようなものを足しました。
何も言わなかったけど「2つ」というキーワードや 黄色と青という色味の偏りがあるお返事が届いて、それなりの対話はできていたのかもしれない、と考えます