日本人の誰もがどこかで耳にしたことのある旋律、
そして世界中で親しまれてきた名曲たちを、
うっかれの感性でやさしく紡ぎ直したアルバムです。
江戸の時代から庶民の間で歌い継がれてきた曲、
作者の名も知られぬまま今に息づく音楽、
そして「お誕生日のうた」などの世界共通の喜びの歌。
懐かしさとあたたかさが響き合う、五つの小さな作品です。
1. さくら さくら、ふわり(Sakura, Lightly Drifting)
春に桜を見に行ったとき、思わず口ずさんでしまった曲です。
誰もが知っている短い旋律をもとに、桜の花びらがひらひらと舞う風景を、やわらかな音で描きました。
風に乗って漂う花びらが、まるで時間の流れまで包み込むように。春の日の穏やかな空気をそのまま閉じ込めたような小さな作品です。
2. ピクニック気分の聖者の行進(When the Saints Go Marching In – Picnic Mood)
ジャズの名曲「聖者の行進」をもとに、春の陽気に誘われてピクニックへ出かけたくなるような気分で作った曲です。
原曲のリズムを軽やかにアレンジし、青空の下で友人たちと笑い合いながら歩くような、明るく楽しい雰囲気を音で表現しました。
3. 昭和歌謡風 荒城の月(Kojo no Tsuki – Showa Ballad Style)
夜桜を見に行ったとき、お城のライトアップが美しく輝き、ふと「荒城の月」の旋律が心に浮かびました。
若くしてこの世を去った滝廉太郎さん。偉大な日本の作曲家でありながら、志半ばで生涯を閉じた彼の思いを昭和の歌謡テイストでやさしく包み込むように描いた作品です。
静かな敬意と、春の夜の儚さが重なり合う一曲となっています。
4. きよしこの夜アレンジ(Silent Night, Reimagined – Christmas Orchestra ver.)
この作品は、私が初めて楽譜にして音源化した記念すべき曲です。
ちょうどクリスマスの季節に書いていたこともあり、誰もが思い浮かべる温かなクリスマスの風景を、やさしいオーケストレーションで表現しました。
雪の夜に静かに灯る光のように、心が穏やかになる一曲です。
誰もがお誕生日のときに、この歌で祝福を受けます。
この曲を知らない人は、きっといないのではないでしょうか。
「その一年が幸せでありますように」——
そんな願いを込めて、華やかに、そしてあたたかく。たくさんの色を音の粒にちりばめながら書き上げた作品です。