各種放射性廃棄物処分におけるバリア材（遮水材）として用いられる，ベントナイト系材料の膨潤特性や透水特性を実験的に調査しています．

代表的な関連論文

• Daichi Ito, Hailong Wang, Hideo Komine: Hydraulic conductivity test system for compacted, 2-mm-thick bentonite specimens, Soils and Foundations, Vol.62, No.5, 101210, https://doi.org/10.1016/j.sandf.2022.101210, 2022年10月．

• Daichi Ito, Hailong Wang, Hideo Komine: Apparatus for swelling deformation of compacted bentonite utilizing multi-ring moulds for evaluation of dry density and water content distribution, 8th International Symposium on Deformation Characteristics of Geomaterials (ISDCG2023), https://www.issmge.org/publications/publication/apparatus-for-swelling-deformation-of-compacted-bentonite-utilizing-multi-ring-moulds-for-evaluation-of-dry-density-and-water-content-distribution, 2023年9月．

放射性廃棄物処分のバリア材については，数万年以上の長期間にわたって健全性を維持することが要求されます．しかし，地下の複雑な環境に置かれることで，土から岩へと変質してしバリア性が低下してしまうことが懸念されています．ベントナイトの原鉱石を用いて力学・化学分析を行い，超長期的な変質に伴う特性の変化を定量的に評価しています．

代表的な関連論文

• Daichi Ito, Hailing Wang, Hideo Komine: Evaluation of Cementation Effects on Swelling Properties of Bentonite Buffer Material Using Natural Analogue, Canadian Geotechnical Journal, 10.1139/cgj-2024-0405, 2025.

• 伊藤大知, 小峯秀雄：ベントナイト原鉱石の測定結果に基づく膨潤特性における膠結作用の影響評価，土木学会論文集C（地圏工学），Vol.76，No.3，pp.295-305，https://doi.org/10.2208/jscejge.76.3_295，2020年9月．

シールドトンネルの掘削技術はフナクイムシの掘削動作に着想を得て考案されたものであることはご存じの方も多いと思います．このような生物の挙動・動作に着目して新たな地盤工学的技術（掘削・基礎構築など・・・）を獲得するべく研究を行っています．

例えば，二枚貝の一種であるアサリは，砂に潜る時に斧足と呼ばれる器官を用いて，高エネルギー効率で潜砂することが知られています．その際の斧足の動作を解析するとともに砂とのインタラクションをモデル化し，高効率化の要因について分析しました．

代表的な関連論文

• 迫本 和也，直井 悠人, 伊藤 大知, 小峯 秀雄, 後藤 茂, 石井 裕之：二枚貝の斧足動作にもとづく砂への貫入抵抗低減因子の同定，地盤工学ジャーナル，Vol.18，No.3，pp.253-266，https://doi.org/10.3208/jgs.18.253，2023年9月．

焼却炉で生じるばいじん（灰）は産業廃棄物として処分されることが求められますが，処分場の残余容量・年数は近年横ばい状態であり，リサイクル等有効利用されることが必要です．所属する研究グループにおいて，カルシウムイオンを多く含むばいじんについては，大気中のCO2と反応して炭酸カルシウムとして結晶化・固定化できることが分かりました．本研究では，ばいじん試料にCO2を固定化させた後に，道路用構成材料など土木資材としてのリサイクル可能性を検討するため，締固め試験・CBR試験を行うとともに，土木資材として活用した際のカーボンキャプチャーポテンシャルを試算しました．

代表的な関連論文

• 伊藤大知, 小峯 秀雄, 横井 亨朱, 丸山 紘生：CO2固定化性能を有するばいじんの路盤材適用性評価と道路のCO2固定化ポテンシャルの試算，令和6年度土木学会全国大会第79回年次学術講演会，CS15-14，2024年9月．