Q&A
(世界観)
更新日:2024/12/18 再最終更新。素材とシナリオの一括DL用データ(修正版)を公開。
(世界観)
お問い合わせへの返答をこちらにまとめてあります。
(新しいものほど上にあります)
以下の諸々は、シナリオや素材作成の際の一つの基準として参考にしてください。
星間列車の乗客にとって危険な状態にないものであるならば、一緒に搭乗する事は可能です。それは誰かの手で家畜化されているものや、野良の場合でも同様です。野良猫が間違って電車に乗るように、星間列車にうっかり乗り込む無害な星海魔なども存在するかもしれません。
勿論、乗客にとって危険物と判定されると外に放り出される可能性はありますが、基本的によほどの事が無い限りは大丈夫でしょう。
以下に、簡単に羅列してみます。
星間列車の長所
・抜群の安全性と安定性と快適性
・運行時間がかなり正確
・遠方や辺鄙な土地までも高速で行くことが出来る
・運賃含む様々なコストが殆どかからない
星間列車の短所
・時間に融通が利かない(遅れても待ってくれない)
・往路が基本的に長距離になるため、復路に乗るつもりならかなり待つ必要が出てくる
・完全に人の手によって制御されていない為、たまに予想外の動きをする可能性がある
・荷物だけを乗せて送り届ける、といった事は出来ない(最低でも一人は持ち主である乗客が必要)
その他の乗り物の長所
・運行時間に融通が利く
・短距離(同じ星域内ぐらいならば短距離扱いです)を移動するのに最適
・乗り物さえ用意できるなら誰でも運用が出来る
・運賃や特急料金などで利用者からお金を取ることが可能
その他の乗り物の短所
・安全性や快適性はピンキリ(最上位を求めるなら相応のコストがかかってくる)
・遠距離への移動はさすがに星間列車ほど速くは難しい
・人の手によって運行されるので不安定になる時はどうしても出てくる
・運用や維持にも相応にコストがどうしてもかかる
かなり前の質問の際にも答えていますが、星間列車がもっとも有名かつ長距離を安全に時間を守って快適に使える乗り物というだけであって、他の乗り物も大いに活用されています。特に、隣同士の星などのような短距離は、もっと時間に融通の利く簡易的な乗り物が活用されているでしょう。
また、遠距離に赴くものにしても、星間列車以外のものは普通にあります。安全性や快適性は万能とは言えませんが、それでも星間列車より自由が利く点では確かに有益なのです(もっとも、それがどういうものかは基本的に想像にお任せしますが……)
なお、星間列車に観光専門のものはありません。また、短距離だけを走るという星間列車もありません。そういう場合は、また別の列車(それはどういう形のものかは、運用している星によって違うでしょう)や乗り物を活用している事でしょう。『星間列車』そのものは、あくまで異界同士や遠方の星域を繋ぐ旅をするのがメインとなっています。
現実世界で一番イメージし易い乗り物で例えるならば、星間列車は本州を横断する新幹線のようなものです。通勤や通学の様な日常的に使う事もゼロではないでしょうが、大多数の人はローカル線一駅分の場所に新幹線ではいきませんよね? その場合は、ふさわしい乗り物(私鉄やバス、タクシーや自動車など)を利用すると思います。
この異界『ルムフルモ・マロ』においてもそれは変わりません。一番有名で冒険者が利用する機会が多いのは星間列車でしょうが、全てにおいて星間列車が普段遣いでも便利である……という訳でもないのです。
星間列車が本当に最低限必要としているのは、星の海を駆ける為の列車そのものと、その路線を決定づける要因となる乗客の存在だけです。車掌も駅も線路そのものも、無いなら無いで自立して問題なく動きますが、あるならばそれに従う……というのが星間列車の基本的な動作だと思って下さい。
実際、広い星の海の様々な場所に存在する駅には無人駅も多いでしょうし、運行している星間列車の中には車掌の姿がまったくないシンプルな車両も存在している事でしょう。ただそれでは勿論、利用していて不便な場合もあるでしょうし、乗客へのサービスを充実させるのにはそういった車掌や駅員、付属する施設などの存在も有益だという事実は、星間列車にとっても重要なのです。
これは、本来は表に出す予定のなかったかなり蛇足の設定になります。理由としては、星間列車はあくまでリューンなどからこの世界に訪れ移動するためのフックとしての存在であり、メインの存在として扱われる予定はなかったからです。(列車の辿り着いた先の星や宙域での冒険、或いは列車の車両の中でのささやかな交流などがメインターゲットとして想定されていたものでした)
しかし、あまりに列車の事故・破壊や乗客への被害の有無などの質問がくるため、「どうしてこの星間列車がこの世界で最も安全かつ安定して何の代償もなく走り回れる存在であるのか」という理由を明記するしかないと判断しました。
星間列車の正体は、上記の通り、かつて廃棄された列車の付喪神のようなもの……つまりは神格の一種です。どこかへと旅したい、知らない土地に行きたい、などの生き物の願いや望みにささえられて動く不思議な力を宿しています。常に乗り手を求め、孤独な旅路をひた走る時間に正確な列車の神様です。
その権能の最たるものは、星屑の海を踏破し旅人を目的地に無事に送り届ける事そのもの。危険な星屑の海を駆ける無敵にも近い安全性はそのためで、乗客として車内にいる限りはあらゆる危険から乗り手を守る加護の力を宿しています。(だからこそハイジャックも事故死もない、と断言しました。ただし、列車外に一歩でも出てしまえばその加護は消失しますが)
また、乗り手を求めての運行願望と自律性から車掌の指示に基本的には従っています。(ただし明らかに危険な場所に踏み込もうと車掌がする場合は、逆らって自発的に安全を重視した運行を行います)もっとも、車掌がもしも居ない場合でも単独での運行は可能で、その場合は最低限の安全を守る様に動いているようです。また、果て無き旅にも補給や整備が必須ではないのは、ただの列車ではなく列車の付喪神だからです。(勿論、補給も整備もしようとするならば拒むことは基本的にないですが)
他にも、車内の拡張にも柔軟かつ迅速に対応する万能性はこの神格の権能の一部でもあります。広い『ルムフルモ・マロ』全域で活躍しているぐらい複数台存在するのも一種の分霊化のようなもので、全ては同じ星間列車という付喪神と同一のものです。
以上の事は、『ルムフルモ・マロ』の住人は特に知らないまま、星間列車は便利な乗り物として扱われています。中には何となく察している者や、明確に理解している人もいるかもしれませんが、だからといって言いふらす者も居ないようであくまでただの列車として大事にされています。星間列車としても、現状、それで充分満足しているのです。
かなり前に答えた内容にある通り、「星間列車はこの星屑の海を旅する乗り物の中で最も安全かつ安定した乗り物」です。これは、「この世界には安全な空気があり呼吸が出来る」のと同じぐらい当たり前に『ルムフルモ・マロ』で浸透している常識かつ、大前提としてのルールだと覚えておいて下さい。
例えばこれは、進路上に列車よりも巨大な星海魔などがとどまっている場合などが該当します。この様な場合は、付近の安全な星や駅などに停車して安全の確保が出来るまで運行は停止します。(星間列車は一台のみではないため、穴の空いたスケジュールは別の列車が埋めることとなります)
なお、この判断は車掌ではなく『星間列車』そのものが行います。(車掌の乗っていない星間列車も中には存在するため)
星屑の海を縦横無尽に駆け巡る星間列車は、『ルムフルモ・マロ』で一番安全であると保証されている唯一の乗り物です。これは今回企画『星巡り紀行』の中で用意した世界観の最も重要な基盤の一つであり、それが害される事は基盤の崩壊を意味します。
そういう理由もあり、星間列車を破壊したり害することは出来ません。また、星間列車の中が危険な場所になる、という可能性はゼロであるとお考え下さい。(勿論、お化け屋敷や戦闘シミュレーターなどの列車内アクティビティとしてのスリルある展開などは問題ありません)
ちなみに本当にトレインジャックが行われた場合ですが、その瞬間に星間列車内でその犯人は乗客ではない害悪的存在であると認識され、次の瞬間に外の星屑の海に放り出されます。どの様な方法で持ってもこれは回避できない事象です。床や壁、他の乗客など、その外部排出に干渉出来るものは存在しません。
これは、犯罪者そのものの存在率が星間列車内で極端に低下させられてしまう為であり、星屑の海に放り出された犯罪者がその後、生存出来るかどうかの保証はありません。(野生の星海魔にとってのホームである星屑の海の中において、放り出された犯罪者はただの餌やおもちゃでしかないからです)
実際の「海」で表現するならば、「宙域」は太平洋、「星域」は東京湾……みたいな感じだと思って下さい。
星間列車が何を動力としているかは敢えて不明としておいたのですが、燃料のひとつとして活用できるということならば問題ないとは思います。ただ、あまり細かく確定しすぎると他の方にとっての自由度が減ってしまうという危惧と、列車の素材の確定もまた列車の完全な安全性の阻害に繋がる可能性を考えて、後者の要望に関してはNGとさせて下さい。
あの異界の独自貨幣として利用されているのは、星屑の海の下層帯にある星にたまに生えている星屑珊瑚と呼ばれる鉱物を加工した硬貨になります。銀に似たパール系の彩色が特徴的な硬貨で、大きさによって硬貨の金額が変わるようです。単位は『st(ステロ)』で、1st=100円程……つまりspの価格と大体同じだったりします。
ただし、それが実際に外来生物なのか何なのかを『ルムフルモ・マロ』の人々の大多数は判別出来ない(勿論、そういった判断基準を持っている様な知識人や情報通は存在するかもしれませんが)為、多くの人々には「アレは新手の星海魔だろう」と思われている事でしょう。
宿泊宿にそういった依頼があるのは、一番多種多様な人材が集まるのが宿泊宿だから、というのが大きいようです。宿に張り出された依頼は誰でも引き受けることは可能で、その場合は宿の亭主に申し出る事で契約を行っています。
他にも『ルムフルモ・マロ』全域で有名な組織もあります。その中でも、最も有名なのが以下の組織になります。
星船団《ステラフロト》
広大な『ルムフルモ・マロ』全域で活動をしている、冒険者や元冒険者によって運営されている組織です。交易都市リューンなどのある世界でいう「冒険者ギルド」と同等の組織と思って問題はありません。冒険者向けの宿などはこの組織に所属している事も多いようで、その場合は宿の看板に流星を模した星飾りが吊るされている様です。
独自のネットワーク網を持っているらしく、(普通の宿ならば、宿の存在する星近辺の依頼しか扱わないことが多いですが)遠方の星での依頼なども共有されている様です。場合によっては、なかなか消化されない難易度の高い依頼なども扱っているとの噂も……。
なお、この組織の本部は彷徨う流星「メテオロ」という小さな星に存在し、『ルムフルモ・マロ』の各星域を巡っているそうです。
主な例を、以下に簡単に説明します。全てが全てこの基準に沿う訳ではありませんが、参考の一つにしてください。自由度は高めにしていますので大体は大丈夫だと思います。(ただ、どうしても心配な場合は、企画主まで別途お問い合わせいただければ良いかと思います)
姿形
一番多く見られるのは、以下のような水生生物です。
・底生生物(グソクムシのような、底泥中で生活するもの)
・遊泳生物(魚アシカ類のような、遊泳して生活するもの)
・浮遊生物(プランクトンのような、水に浮いて生活するもの)
・水表生物(アメンボのような、水面に浮きながら生活するもの)
大きさも様々であり、大きいものから小さいものまで多種多様に存在することが確認されています。
それ以外は、
・哺乳類(ジュゴンやなど)
・爬虫類(トカゲやヘビなど)
・両生類(サンショウウオやカエルなど)
・鳥類(カモメやペンギンなど)
などの様な生物によく似たものもいるようです。中には、土地の民によって養殖されたり家畜化されている様なものもいるようです。(過去に説明した銀河クジラや遊星シャークなどは、星海魔には分類されません)
また大体は肉体を持つものばかりですが、中にはそれが希薄なものなど生物としての形も多少変わった星海魔も少なくはありません。
共通する特徴
様々な星海魔が存在しますが、大体の生物は星屑の海で生きることに特化しています。反面、空気中は勿論、普通の水中は生活環境としては合わない事が多いようです。勿論これは例外があり、陸上で生きることも可能な体をしている星海魔(両生類系や鳥類系や哺乳類系など)は生活環境における不具合は少ないようです。
システム的な面では、
・炎に強い(星の海を生きるものなので)
・冷気に弱い(普通の水にはあまり適正がないため)
の強みと弱みを持つものが多いです。肉体の有無は、上記の『姿形』にある通り、存在するものもいれば存在しないものもいるため一定ではありません。
これは、『ルムフルモ・マロ』とそれ以外の世界の微妙な格差が原因です。
実は『ルムフルモ・マロ』とそれ以外の世界とでは、微妙に重力や空気の組成が異なっているのです。これは当然といえば当然で、呼吸すら出来る不思議な星屑の海の中に揺蕩う星々の世界である『ルムフルモ・マロ』とは環境が大きく違うからですね。
そのような世界に産まれて育った異界育ちの人々は、星海ゲートから繋がる外の世界に興味を持ち赴いたりする勇気や好奇心のある者も少なくはありませんが、実際に体験してみると「何だか他の世界は少し自分達にとっては『重い』気がする」と認識しています。
勿論、そんな些細な違和感を気にせず外の世界で生きる人も居なくは無いでしょう。もっとも、そんなケースはあまり多くは無く、定住する者はそう多くないとは思われます。ただ、旅先として選んだり商売先として何度も訪れ、短期間とどまったりするものは案外いるかもしれません。
なお、迷い込んでしまう案件はわりと少ないです。何故かというと、星海ゲートの存在を『ルムフルモ・マロ』の住民はしっかり把握している事と、そこには不用意には近付かない様に幼い頃から教えられて育っている事が主な理由です。
基本的に、この世界の住人はわざわざ自分の世界の名前を口にだすことはありません。来訪者や異邦人達に聞かれた際にも、正式名称である『ルムフルモ・マロ』で答える事が殆どでしょう。なので、固有の略称をつけるとしたら多分、それは、冒険者達の様な世界外の人々の方なのではないでしょうか?
なので、これは企画側から提示するよりはシナリオ作者様が様々な呼び方を模索した方が面白いと思います。
なお、『ルムフルモ・マロ』という名前そのものは「光の閃光」「海」という意味の言葉から出来た名前だったりします。
『ルムフルモ・マロ』がリューン側からすると異界であるのは確かですが、実は暮らしている人々や種族などにはそこまで格差はありません。少なくともリューンにいる種族ならば大体が『ルムフルム・マロ』にも暮らしていると思って間違いないでしょう。(固有種などは別にいるかもしれませんが)
なので『ルムフルム・マロ』の住人たちからすると、見た目だけでは同じ世界の民なのか異界の民なのか判別がつきません。さらに、この異界は異なる世界からの来客が多い世界でもあります。なのでわざわざ相手の世界によって固有の呼び方をしたりせず、パッと見て明らかに地元の人でなさそうなら、「異邦人」「星海の旅人」「お客さん」などと呼んで区別しているようです。
星屑の海、通称「星海」は宇宙でありながら海でもある特殊な大気に包まれた場所です。
星も、人々も、星海魔も、全ての存在が星海という空間に漂っている、というのが一番わかり易いでしょう。また、海という名前がついていますが、純粋な液体ではなくそれに似て異なる気体が満ちているので、人々の生活圏である星の外側であっても窒息することなく問題なく活動ができる訳です。
星海は何重もの多層海となっていて、上に行くほど重力が軽く、下に潜るほど重くなっています。ちょうど良い重力の帯域を「中層海」、それより軽い帯域を「上層海」、重い帯域を「下層海」と呼び分ける人もいるようです。
人の生活する帯域は大体が中層で、星海でも最も広い層の海ですが、中には異なる帯域の星に暮らす者もいます。その場合は、星そのものに何らかの中和機構があったり、そういった仕掛けを入植者が持ち込んだりしていることが殆どです。もっとも、稀に、極端な重力帯にある層に好んで暮らす生き物や人々もいるようではありますが……。
基本的に、星屑の海で溺死する可能性はありません。
しかし……海の深みである「下層海」の遥か底、星屑すらまばらになってしまう『深淵領域(アビス)』は別となります。ただの人にとっては過酷な空間であり、高負荷の重力場の影響もあって何らかの対策を取らない場合はまずまともに生存することは不可能でしょう。
星屑の海に存在する様々な星には多くの人々が暮らしています。一つの星の上で一生を終える人もいなくはないでしょうが、中には様々な土地を旅行したり、旅暮らしをしている人も少なからず存在しているようです。ですので、個人での移動や大掛かりな移動の手段も存在はしています。
その移動手段の中での最たる物であり、一番安全かつ快適なのが星間列車です。どういった技術で誰が造り出した乗り物かは不明ですが、このルムフルモ・マロでも最古の乗り物として有名です。速度も速く運行時間も正確、更には非常に頑丈な事からこの乗り物に乗ればまず危険な目にあう事はないでしょう。
しかし、星間列車は決まった運行順路を定められた時間通りに行き来する、自由度の少ない乗り物です。好きなタイミングで自由に旅をしたい人や、自分の考えた最適な運行経路で星々の間を渡り歩く商人の様な人々にはあまり適していません。なので、人々はそれぞれに星屑の海を渡るための技術を生み出して独自の航路を開拓している様です。その方法はひとつではありません。星海魔を手懐け乗り物を牽引させる場合もあれば、太陽風を受けて航行する特殊な帆を備えた船を利用する場合もありますし、小さな生まれたての星の欠片からエネルギーを取り出す星核機構を備えた乗り物を活用する場合もあるでしょう。
ただ、どの方法も安全性や安定性は星間列車には遠く及ばない様です。特に、遊星シャークの様な危険生物への対策は星間列車以外では苦労するかもしれません。(護衛を雇うのが一般的な方法になりますし、それを生業とする人々もいるようです)
星間列車には色々な設備のある車両がありますし、中にはそういった特別展望車両が存在していても面白いと思います。謎の高度な技術によって構成された星間列車なので、そのあたりの許容範囲は広いものだと思って下さい。勿論、心配な場合はまた聞いて下されば答えます。(ちょっとお時間かかることが多いですが……!)
なので精霊術も問題なく使えるようです。
それらの精霊は、精霊界と呼ばれる別の世界から流れてきている様で、各精霊の属性的に居心地の良い宙域(例:水精霊なら水資源の豊富な宙域など)に多く暮らしている姿が見られます。外見は一般的な精霊とあまり変わらない様ですが、中にはこの『ルムフルモ・マロ』の環境に適応し水生生物の姿に変じたものも目撃されているようです。
ただ、この星屑の海には幾つかの高次元的存在が生きている事は確かです。これらの生物を(全ての星で、とは言いませんがある程度の規模で)信仰する民間信仰的なものは存在しているかもしれません。
なお、どの様な生物が存在しているのか、そのうちの代表的な幾つかをご紹介致しましょう。
【銀河クジラ】
透き通った半透明の体をした超巨大な生物です。
星屑の海の各地を泳いで暮らしていますが、基本的にはあまり人の生活圏がある星域からは離れた場所に暮らしており、一箇所にとどまることなくルムフルモ・マロの各地を常に旅している様です。形状はクジラに似ていますが左右に長い角があり、先端が燃えるように輝いています。また、シルエット的には普通のクジラより全体のバランスが長かったりヒレの数が多かったりする場合もあります。
一番小さい個体でも人より遥かに巨大(現実世界のもので例えるなら「月」程の大きさはあります)であり、遠方からでも姿を確認しやすいため、目撃例そのものは少なくない様です。その鳴き声は不思議な振動を伴う波動で出来ていて特殊な器具(共振ベルや超弦ハープなど)で捉えることが可能であり、銀河クジラを探す人はよく持ち歩いています。
なお、その存在の目視は出来ても探知装置などには引っかからない事から、基本的には位相の異なる次元に存在している様で干渉出来ません。ただ、たまに星屑の海に銀河クジラのものだろうと思われる仄かな輝きを内包したガラス質の物体(角や鱗など、体の一部が落ちたものと考えられています)が残されている事もあるようです。
名前の由来は、宇宙を閉じ込めたような輝きを体内(?)と思われる場所に複数宿している事です。加齢によってその規模は大きくなると考えられており、銀河のように渦を巻いている輝きが多いほど長生きな個体と思われていますが、その実態は謎に包まれています。
【彗星魚】
高速で星屑の海を泳ぎ続ける青く輝く巨大な生物です。
馬ほどの大きさのマグロに似た流線的な外見をしており、泳いでいると青い輝きが彗星の尾の様に全身を覆っている様に見えるようです。ルムフルモ・マロ全域に生息していて、数匹の群れで行動しながら星屑の海を泳ぎ回っている様です。常に動き続けており決して止まる事はなく、命ある限り泳ぎ続けていると考えられています。
高速移動しているので難易度そのものは高い(専門の漁師でも怪我人が絶えません)ものの捕獲する事も可能です。ただ、捕まえてしまうと死んでしまうらしく、青い輝きは消え失せ青黒い体のみが残される事となってしまうようです。歯応えのある肉質とさっぱりとした味わいがあると観光客などには人気もある様です。
【遊星シャーク】
星屑の海に隠れ潜むように生息するサメに似た巨大な生物です。
普段は殆ど目視が出来ない状態で泳ぎ回っており、獲物に襲いかかる時や戦闘状態になった際にだけその姿を確認することが出来る特殊な生態を持っています。煌めきをまぶした様な青黒い体をしており、無数の牙を備えた巨大な口が特徴的な非常に好戦的な生物です。背中には透き通った結晶状のヒレがあり、全身が見えない状態でもそのヒレだけは目視が出来るようです。(このヒレの色で強さが判り、青い色が濃ければまだ未熟な個体、赤い色が強いほど危険な個体のようです)
星屑の海だけでなく様々な場所を移動できる次元透過なる能力をもっており、空を飛んだり地面の下や障害物の向こう側から襲ってきたりするなど厄介な生物です。
ただ、一般的な人々が暮らす星には、この生物の苦手な電光結晶を使った灯台が外周の宙域に設置してあるので被害に合うことはまずありません。星間列車を追いかけてくる事もありますが列車内は次元透過の影響外にあるらしく諦めて泳ぎ去ってしまうでしょうし、駅にもちゃんと灯台があるので安全地帯と言えます。
とはいえ、灯台のない星や宙域などではどこから現れるかわからないとても危険な存在なので要注意です。その分、倒すと腹の中に溜め込んだお宝(被害者の遺留品ともいいます)を手に入れることも可能なので、敢えて挑む者も少なくはない様です。
これは、元々「星海ゲート」というクロスオーバーネタがあり、それを活用した企画として『星巡り紀行』が始まったからです。このネタが最低でも10年以上前に提唱されたもの、ということでもしかしたら他にも「星海ゲート」という単語の出てくるシナリオが存在するかもしれないという所からの想定になります。
この世界観設定の中では誰が言い出したかという事は不明ですが、少なくとも『ルムフルモ・マロ』の住民達は、異邦人が唐突に異界から現れる現象を昔から認識しており、尋ねれば「それは星海ゲートだ」と教えてくれることでしょう。
ただ、星海ゲートの不具合や状態(不安定なゲートもあってもおかしくありません)によってはそういう時差が発生する事例もあるかもしれません。とはいえ、精々は数時間から数日程度のもので、月単位や年単位の誤差は生じないとでしょう。
実際、星屑の海の中を走行中は線路のない空間を走っています。ただ、星の上や星屑の海の中にある停車駅付近には一部線路が用意されていて、そこの上に停車したりその線路を使ってまた星屑の海に旅立っているようです。
その駅の所在地にもよります(人の多い地域なのかそうではないのか、など)が、特に多くの人が暮らす星の近くならば行き来しようとする地元住民も多いと思います。通勤電車のようにして、仕事場にしている星に向かう現地の民も少なくはないかもしれません。
また、リューン以外の世界にも星海ゲートは繋がっていてもおかしくなく、様々な異界の人々が来訪者として『ルムフルモ・マロ』を訪れているかもしれません。そんなわけで、人が多いことは特に問題はありません。異界の住人は別に少ないわけでもないので。逆に、辺鄙な所にある駅ならばガラガラの無人駅もあるのかもしれません。
星海ゲートはあくまであの異界に辿り着くためのものであって、ゲート経由で異界に赴くわけではないからです。(それをしてしまうと他の方にとってもややこしくなりかねませんので)
もちろん、その列車の駅への直通通路(星海ゲート)がうっかりリューンの何処かに開く事はあるかもしれません。ただそれがあるとしても、一般のリューンの市民たちが当たり前にアクセスしているとするのは世界観の破壊につながるため、冒険者でもないなら遭遇するのは稀な話で、噂程度にしか知らないとは思います。
星から星への移動というのも、異界『ルムフルモ・マロ』の中だけの話になります。(他の世界の星にはたどり着けません。他の世界に繋がる星海ゲートのある星には、行けるかもしれませんが)
あの世界は小さなミニチュアの銀河系のようなものだとお考えください。海の中にある群島のように、星屑の海の中は大小様々な星が溢れた世界なのです。星と星は海で別れた島と島のように、普通の方法では行き来ができません。その手段のひとつであり、誰でも使えるものとして、星間列車が用意されているのです。
なので、星海ゲートそのものの形状やどこにあるかなど、そういった詳細は設定しておりません。(元の提唱されている星海ゲートもそういうものですし)もしかしたら賢者の塔の実験で開いた謎の穴からたどり着くかもしれないし、交易都市リューンの下水道から偶然つながる事もあるかもしれません。どこかの街に常に安定したゲートが開いている場合もあれば、謎のマジックアイテムでうっかり飛ばされる可能性も否定出来ません。それがどういった方法にせよ、冒険者は星海ゲートを使ってこの世界に来ている……という事だけは決まっていますので、それを忘れなければ大丈夫だとは思います。
ただし、交易都市リューンなどのgroupAsk様謹製シナリオで登場した都市の誰でもアクセス出来る様な場所に、安定した星海ゲートが開いているという設定はつけないでください。企画の中だけのものですので、一般市民が気軽に通れるようなものは想定しておりません。あくまで、何にでも好奇心旺盛に首を突っ込む様な冒険者だからこそ星海ゲートを潜れたのだ……という事を忘れないようにして下さい。
無人駅で待っているとどこからともなく汽笛と共に現れ、行きたい場所まで連れて行ってくれます。世界に何台も存在するようで、基本的にそれぞれに一人の車掌が運行を取り仕切っている様です。切符を買う必要はなく誰でも利用が可能で、来訪者である冒険者はもちろんですが異界の住人達も気軽に違う星への旅に利用しているようです。
そのシルエットは普通の機関車ですが、とても真っ黒というのが特徴的です。(イメージとしてはペンタブラック系の黒、と思っていただけたら想像しやすいかと思います)駆動音などは通常の機関車とよく似ていますが、その吐き出される煙は臭くなく何故かキラキラと輝いており、石炭などで動いているわけではない様です。
外見は十両編成の様に見えますが中の空間はどういう仕組みか歪んでいるようで、もっと長く広く感じる事でしょう。普通の車両もあれば、ボックス席のならぶ車両、食堂車、寝台列車のような休める個室の並ぶ車両もあるので、なに不自由なく快適な旅を送る事が出来そうです。
なお、列車の破壊はどの様な方法をとったとしても不可能です。星屑の海の魔物や海賊たちも、列車相手には手も足も出せず退散する程です。また列車内でのトラブルは御法度で、何か暴力的な問題を起こした場合は車掌が現れ問答無用で制圧されるうえ、あまりに酷いと星屑の海に放り出される可能性があります。
なので、交易都市リューンなどをはじめとする冒険者達の世界と異なり聖北の教えなどももちろんありません。聖北、と言われても異界の住人達は首を傾げる事でしょう。とはいえ、民間信仰的なものとして星屑の海に生息するレア生物『銀河クジラ』を偉大なものとして大切に扱う習慣はあるようです。
ただこれは一般的な話であって、とある星では独自の宗教的なものが信仰されている……といった事例はあるかもしれません。