2019年5月1日~6月30日(2か月間)
アンケート(回答数21,2019年7月6日朝現在)まだ実施中ですが,参加アカウントは「生き物の日付・場所を報告するタイプの調査に関わったことがある」方が多いことがわかりました. おおざっぱな感覚ですが,鳥関係者だけでなく,植物や虫を研究している方々に補足・参加していただけたことが大きいように思います.
ツィート数はカッコウのほうが多かったのですが,地点数,都道府県数,2次メッシュ数いずれもほぼ同じくらいの数値になりました.同一地点で繰り返しツィートOKとしたので(調査に親しんでいただくため),繰り返しが含まれることと,「#カッコウどこ」というタグがカッコウと結びつきやすかった,などの理由が考えられます.
位置精度の粗い地点(県や市町村単位のツィート)については,基本的に2次メッシュ(標準地域メッシュの10km×10km単位の区画)として数えていませんが,副次的な情報からたまたま絞り込めたものについては例外的に含めています.
「#カッコウどこ」を付してカッコウの日付・場所を1回でもツィートしたアカウント数は全部で66,そのうち2回以上ツィートしたアカウントは27で全体の約4割.最も多いアカウントで9回でした.私@kinako_pan(9回9か所)以外で多かったのは,@Campesino_Asbさん(8回1か所),@snowploughsさん(5回5か所).ありがとうございます.
#カッコウどこを付してホトトギスの日付・場所を1回でもツィートしたアカウント数は全部で53,そのうち2回以上ツィートしたアカウントは26で全体の約5割.最も多いアカウントで10回でした.私@kinako_pan(10回10か所)以外で多かったのは,@snowploughsさん(7回7か所),@_x_hibagon_x_さん(6回6か所).ありがとうございます.
カッコウは,北は北海道北部から南は宮古島(!)まで,広い範囲から報告をいただきました.報告地点数が多かった都道府県は多かった順に,北海道,岩手,長野,東京,栃木でした.
そのうち,ほかのデータとも統合して各地の気温や人口との関係などみていければと考えています.
※このプロットには位置精度の粗い(県や市町村単位の)地点も表示してあります.
ホトトギスは北海道南部から九州まで,こちらも広い範囲から報告をいただきました.過去の様々な調査等から日本国内では道南まで生息していてそれより北にはほとんどいないといわれていましたが,今回十勝の大樹町から報告いただいたときには「こんなに東にいるのか!」と驚きました.今季の最北は今金町でしたが,参考としてツィートいただいたロシアの記録はもうちょっとだけ北でした.
※このプロットには位置精度の粗い(県や市町村単位の)地点も表示してあります.
今回たくさんの方にご協力いただき,ありがとうございました.報告いただいたデータは,最終的には全国鳥類繁殖分布調査の「アンケート調査」として利用させていただきます.最終的には,繁殖分布調査のデータと統合し,カッコウとホトトギス(ツツドリも?)の現状をマッピングできればと思います.統合できるのはもう少し先になると思います.ちなみに,繁殖分布調査の過去のデータ(1970年代と1990年代)はここ(カッコウ・ホトトギス)でみることができます.
鳥をはじめ,いろんな生き物が増えたり減ったりする,と感じることがあるかと思います.それを感覚だけでなく,「いつ・どこで」「どのくらい」という記録に残していくことで,何となくの感覚だけではなく誰でもが比較できる数字にすることができます.たまに起こる出来事を一人で記録し続けるのは大変ですが(ゼロデータが続くと特にね),多くの人が参加してくださることで楽しく続けられることもあるんじゃないかと思います.
今回,コアタイムを実施したことによって,(感覚的に)いつもカッコウがいるような場所でも,1時間聞いてても鳴かないことがある,という実感を得ました.つまり,調査員がラインセンサスなどの調査をやってもたまたまその日その時カッコウが(いても)確認できない,ということがあるわけです.ですので,多くの方に情報をお寄せいただく価値があるということを再認識できました.
最後に.この調査を企画した最大の理由は,とにかくたくさんの人にイベントとして鳥の渡来を楽しんでいただきたいということでした.自分が住んでいるところや,出かけた場所に,渡り鳥がやってくる.鳥に限りませんが生き物の姿や声の主の名前(種名)を知ると,何もないと思っていたところに何かがあることが増えてきます.季節の移り変わりのシンボルとして,また風景の構成要素として,今後もぜひカッコウやホトトギスの声を楽しみにしていただけると嬉しいです.また,ぜひ,いろんなほかの生き物の調査にも参加してみてくださいね!へば!