シナリオ班
福元隆希 大場有紗 小原大地
福元隆希 大場有紗 小原大地
シナリオ班では、泣ける物語を自動生成するという目標のもと、このプロジェクト学習を通して泣けるゲームクエストの自動生成を課題として活動してきました。
シナリオ班では、「泣く」という人間の感情を揺さぶる創造性の実現のために、なぜ泣くのか、ではなくどうやったら泣くのか、について物語の構造を調べた結果、特定のパターンを発見しました。このパターンをもとに「泣ける」を提案するシステムの開発に取り組みました。
シナリオ班では、ゲームに欠かせない要素である世界観・メインシナリオの作成を行いました。世界観は、シナリオ班が目標とする「泣ける」シナリオを実現させるため、人や何かの生死が必然的に存在し、違和感なく物語に溶け込めるであろう「人類文明が滅んだ後の世界」に決定し、メインシナリオの作成を行いました。
結果として、世界観 4,621字、メインシナリオ 16,014字となっています。
また、図1のようにゲーム内のストーリーは、メインシナリオであるプロローグ、中ボス戦、ラスボス戦、エピローグと自動生成クエストを3つ組み合わせた構成となっています。自動生成クエストでは以下の種類があり、自動マッチングの利用によって、クエストを生成しています。
■お使い型(届け物を依頼される)
■採取型(アイテムを取ってくるよう依頼される)
■物探し型(アイテムを探すよう依頼される)
■人探し型(人を探すよう依頼される)
■討伐型(敵を倒すよう依頼される)
図1. ストーリー構成
「泣ける」と評価される作品を合議の上、選定し、分析を行いました。人の感情を揺さぶるのは、物語構造上に置ける特徴的なパターンであると仮定し収集対象作品はゲームに留まらず、アニメ、漫画、ショートムービー、小説などを対象としました。
結果として11作品297シーンの泣けるシーンを収集しました。
データ収集によって得られたデータを「なぜ泣けたのか」という理由をもとにカテゴライズした結果、12のカテゴリーとそれらのカテゴリーに付随する小カテゴリーをラベリングすることができました。
図2. 12のカテゴリーとその小カテゴリー
アクションRPGのクエストの自動生成では、複数のクエスト用メインテキスト、サブテキストを用意し、クエスト用テキスト内における人間関係などの依存関係を考慮した自動マッチングを利用しました。ゲーム内のクエストでは960通りの組み合わせを実現しました。
図3. クエストの自動生成
「泣ける」物語のデータ量を増やし自動生成アルゴリズムをより適したものにし、クエスト自動生成用のテキストを増やして生成可能数を増やしていきたいと考えています。また、メイン評価実験、アンケートを実施し、自動生成したものが「泣ける」を実現しているのか。また、どのような人がどのようなパターンで「泣ける」かなどを調査したいと考えています。