2025年3月16日に行ったオンライン公開講座について、録画を公開しました。こちらからご覧いただけます 。
社会や生態系に影響する気象・気候現象は、複数のものが同時、連続または多地点で発生すると、単独の時より影響が大きくなり得ます。単独の現象でも、極端なものの多くは、複数の気象・気候条件の複合(複合気象・気候要因)によって生じます。さらに、グローバル化が進む中で、複数地点での同時発生が社会的に大きな影響をもたすこともあります。気候変動により気象災害が頻発化・激甚化するなか、これらの「複合現象」の実態把握と予測を行い、影響評価や適応策に反映する必要性の認識が高まっていますが、日本やアジア太平洋域を対象とする複合現象の研究はまだ乏しいのが現状です。
本研究は、国内の8つの研究機関が協力し、過去の気象等に関するデータや、IPCCなどの予測に使われる膨大なシミュレーションにもとづき、日本とアジア太平洋域の複合現象を対象とした研究を展開します。査読付き論文等を通じて科学的な情報を提供します。IPCC等の、環境問題や適応政策に関する国際的な枠組みに貢献し、気候変動影響評価研究に有用な情報を提供するのに加え、公開講座等を通して社会にわかりやすく情報を発信します。
開始/終了年度:2024−2026年
北海道大学、国立環境研究所、気象庁気象研究所、東京大学、東京学芸大学、東京都立大学、三重大学、筑波大学(以上、分担者の所属のみ。他に海洋研究開発機構などに研究協力者がいます。)
堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)
サブテーマ1「対流圏・成層圏循環の変動が関わる複合現象の定量化と理解」
堀之内武、河谷芳雄、宮地 友麻(北大地球環境)、佐藤尚毅(東京学芸大教育)、芳村圭(東大生産研)
サブテーマ2「アジアモンスーンの変動予測を鍵とする複合現象の定量化と理解」
仲江川敏之、遠藤洋和、高谷祐平(気象庁気象研究所)、高橋洋(都立大都市環境)
サブテーマ3「大陸・海盆規模での遠隔複合現象の定量化と理解」
小坂優、中村尚(東大先端研)、西井和晃、小川史明(三重大生物資源)、岡島悟(筑波大生命環境)
サブテーマ4「気候影響駆動要因の複合現象研究と影響評価・適応研究との連携推進」
塩竈秀夫、高橋潔、横畠徳太、廣田渚郎、岡田将誌、林未知也(国立環境研究所)