今年も稲刈りシーズンが始まった。昨年から真面目に米作りに取り組んでいる。真夏の畦刈りはさすがに堪えるが、美味しいと言ってもらえることにやりがいを感じている。もともと農薬はほとんど使っていなかったが、今年からは、化成肥料もひかえ、有機肥料を使った栽培に挑戦している。農業=自然のイメージだが、いわゆる慣行農業は環境負荷が大きい。化成肥料の原料は輸入に頼っているし、遅効性化成肥料の被覆プラスチックは、圃場の外に出て海洋汚染を引き起こす。さらに、農薬(化学物質)による生態系への影響も計り知れない。農業の外部不経済って結構ある。見て見ぬふりは罪深いので、自分ができる範囲で、多少の手間はいとわずやろうかと思っている。
一昨年だったか、長男が中学受験をしたいと言い出して以来、私立中学について調べ始めた。これまでに説明会に行ったのは3回。灘高は親として、姫路女学院と、先日訪れた東洋大学附属姫路中学校は塾の人間としてである。白陵と神大附属は気が向かないのでやめておいた。毎度のことながら、学校説明会へは足が重い。行かなくて良いなら行かないが、行ってみれば、それはそれで新たな発見があって面白い。特に東洋大附属は、印象が全く異なった。失礼ながら、公立高校受験の滑り止めといった印象しかなかったが、中学校は全く別物である。最難関大学への合格者も輩出し、カリキュラムも私立中学らしく、1年ほどは大学受験対策に使える設計だ。明るく開放感のある教室、少人数のクラス編成、そして熱心な教員。恵まれた環境で勉学に勤しむことができる生徒は羨ましい。翻って、地元の公立中学を見ればどうか。授業崩壊で教科書は絶望的なほどに進んでいない。勉強は遅れているのに、部活動は熱心にやる。高校受験に必要な学力は身につかないが、体力だけでもつけてやろうと考えてくれているのだろうか。学業で飯を食っていくつもりの生徒には過酷な環境である。大多数が学ぶ公立中学がこんな状態で、どうして格差是正なんてできようか。そういえば、公立小学校教員の子が私立中学に進学していたなあ・・・。