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優秀発表賞推薦

プログラム

認知心理学会プログラム(完成版)_改.pdf

公募シンポジウム

S-04 認知心理学の拡張と多様性 ―箱田裕司先生を追悼して―

2023 年 7 月 2 日(日)9:00 ~ 10:30

日本認知心理学会の創設に携わり,長年にわたり日本における認知心理学の発展に貢献してこられた九州大学名誉教授の箱田裕司先生が昨秋,ご逝去されました。先生はこれまで,カテゴリーとプロトタイプ,情動と記憶,目撃者の証言,顔と表情の認知,ストループ効果,認知の個人差など,多様な研究に取り組まれ,認知心理学の拡張性や応用可能性を示してきました。このシンポジウムでは,箱田先生の教えを次世代につなぐ 3 人の研究者が登壇されます。京都先端科学大学の原田佑規先生には VR を用いた認知心理学研究の拡張可能性,北九州市立大学の松本亜紀先生にはストループ効果研究の拡張と多様性について,そして高千穂大学の時津裕子先生には「認知考古学(認知心理学×考古学)」というハイブリッド研究領域についてご紹介いただきます。また,指定討論者を交えて,日本の認知心理学における拡張性と多様性の意義や可能性について議論する予定です。

企画

大上渉(福岡大学)

話題提供者

原田佑規(京都先端科学大学)「仮想空間技術を用いた認知心理学研究の拡張と実践」

松本亜紀(北九州市立大学)「逆ストループ干渉に着目したストループ研究の拡張と多様性」

時津裕子(高千穂大学)「考古学と切り拓く地平:「認知考古学」の現在・未来」

指定討論者

川畑秀明(慶應義塾大学)

編集委員会企画シンポジウム

S-02 どうする,国内学会誌?

2023 年 7 月 1 日(土)13:30 ~ 15:00

昨年度の第 20 回大会で開催された,編集委員会企画ワークショップ「機関誌『認知心理学研究』は生まれ変わります」では,機関誌としての更なる生まれ変わりを企図し,これまでの状況を皆さんと共有しつつ,『認知心理学研究』の今後について積極的な議論を行いました。これを踏まえて今回は,『基礎心理学研究』『認知科学』『心理学研究』の各編集委員長をお招きし,各誌の投稿・査読の現状や問題点などについて話題提供していただくことによって,『認知心理学研究』のみならず,国内学会誌の今後のあり方について,フロアの皆さまとともに議論ができればと考えております。

当日は,できるだけ質疑応答の時間を多く取り,フロアの皆さまからも素朴なご質問や忌憚のないご意見を頂戴したいと思いますので,ぜひご参加ください。

企画

『認知心理学研究』編集委員会

司会・話題提供者

北神慎司(『認知心理学研究』編集委員長・名古屋大学)

話題提供者

森田愛子(『認知心理学研究』副編集委員長・広島大学

本吉勇(『基礎心理学研究』編集委員長・東京大学)※オンライン登壇

清河幸子(『認知科学』編集委員長・東京大学)

中村知靖(『心理学研究』編集委員長・九州大学)

大会準備委員会企画シンポジウム

S-01 言語発達研究の最前線

2023 年 7 月 1 日(土)10:45 ~ 12:45

公認心理師の取得のために学習・言語心理学が必須になったことからも明らかなように,心理学の教育における言語の重要性が増しつつある。その一方で,言語は認知心理学の一分野で扱われていた側面が強く,心理学者であっても十分な学部教育を受けてきた人は比較的少ないと思われる。実際,認知心理学のタイトルが付いた書籍の数(287 冊)よりも,言語心理学または心理言語学のタイトルが付いた書籍の数(89 冊)は少ない(CiNii Books 調べ)。こうした状況を改善するために,本シンポジウムでは,発達脳科学・認知科学・障害科学の各分野での言語発達研究の最新の知見をご紹介いただき,言語に関する心理学者の知識をアップデートする機会にしたいと考えている。

座長

井上和哉(東京都立大学)

話題提供者

保前文高(東京都立大学)「言語の発達脳科学」

小林哲生(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)「個別最適化した絵本や絵本推薦システムを用いた言語発達支援の実践的試み」

三盃亜美(筑波大学)「小学校高学年児童における漢字二字熟語の読み処理」


S-03 身体による環境の理解:道具使用・運動イメージ・視線状態 [英語シンポジウム]

2023 年 7 月 1 日(土)15:30 ~ 17:30

ヒトは,目的に応じた一連の身体動作を時にさまざまな道具を用いながら,外界を理解し柔軟に生成している。適切な外界理解・柔軟な動作生成の基盤となる知覚・認知メカニズムや感覚-運動変換過程を理解することは心理学・神経科学において重要な問題である。本シンポジウムでは,道具による触覚定位(Miller 先生),心的回転課題における運動イメージの生涯発達(積山先生),視線状態と腕運動内部モデルの関連(安部川先生)に関する研究をご紹介頂き,本重要問題への理解を深める。

座長

小川健二(北海道大学)

話題提供者

Luke MillerRadboud University)“Humans construct fine-grained somatosensory maps to tool space”

積山薫(京都大学)“Life-span development and plasticity of motor imagery: From a window of mental rotation of body parts”(運動イメージの生涯発達と可塑性:身体図形の心的回転を通して

安部川直稔(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)“Gaze-dependent motor learning of reaching movements”視線状態に依存した腕運動学習


S-05 自由エネルギー原理:知覚・運動循環から意識まで

2023 年 7 月 2 日()11:00 ~ 13:00

自由エネルギー原理が,現在,心理学界隈でも関心を集めているが,その詳細をきちんと理解している認知心理学者は少ない。そこで,「感情とはそもそも何なのか」(ミネルヴァ書房),「自由エネルギー原理入門」(岩波書店)等,自由エネルギー原理に関するご著書を数多く執筆されている乾敏郎先生に,自由エネルギー原理について概説いただき,心の哲学がご専門の佐藤亮司先生,認知発達ロボティクス研究がご専門の長井志江先生からの話題提供を通して,自由エネルギー原理への理解を深め,心理学的研究への適用可能性,学際的研究実践の可能性を考える。

座長

福井隆雄(東京都立大学)

話題提供者

乾敏郎(京都大学)「心と行動の能動的推論モデル:不確実性に基づく行動決定から意識を考える

佐藤亮司(東京都立大学)「哲学者から見た自由エネルギー原理」

長井志江(東京大学)「自由エネルギー原理と認知発達ロボティクス」


S-06 自閉スペクトラム症に関する最新研究動向:身体知覚・内受容感覚特性からセラピーまで [英語シンポジウム]

2023 年 7 月 2 日(日)15:30 ~ 17:30

自閉スペクトラム症(ASD)を含む発達障害の特性に対する理解を深めることは,真のダイバーシティ社会の実現のために不可欠であり多様化が進む現代社会において急務である。臨床現場で活用可能な基礎的知見の提供と当事者の方のクオリティオブライフ(QOL)を高める支援法の確立が求められる現況の中,本シンポジウムでは,ASD 者の身体知覚(和田先生)や内受容感覚(Quadt 先生)の特性からロボットを用いた支援の可能性(熊崎先生)まで,各先生に基礎・臨床両面から最新研究動向をご紹介頂く。

座長

岩渕俊樹(浜松医科大学)

話題提供者

Lisa QuadtUniversity of Sussex)“Interoception and emotion in autistic adults”

熊崎博一(長崎大学)“Possibility of Assistance using robot for individuals with Autism Spectrum Disorders”自閉スペクトラム症者へのロボットを用いた支援の可能性

和田真(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)“Characteristics of body perception in autistic people”(自閉スペクトラム症のある人の身体知覚の特徴