重松良祐
三重大学教育学部
高齢者が身体的に自立した生活を送るための能力(体力)を測定するテストバッテリーを作成した。作成にあたっては、高齢者の体力の仮説構造を定め、それに見合った項目を複数選択した上で、統計解析の結果を活用することとした。まず、先行研究に基づき、体力の仮説構造を「上肢の操作」「全身の移動」「手指の操作」「起立・姿勢変換」の4つに分類されると定義した。各分類に相当する項目(延べ17項目)を抽出し、男性243名、女性400名を測定した。測定結果に主成分分析を施し、第一主成分を代表する項目を各分類から1項目ずつ抽出した。その結果、「連続上腕屈伸」「8の字歩行」「豆運び」「ファンクショナルリーチ」の4項目をテストバッテリーとした。4項目の体力結果に再度主成分分析を施し、第一主成分得点を算出する式を導出した。この式を年齢に換算できるように変換した。すなわち、(男性)-0.355X1 + 0.361X2 – 0.683X3 – 0.315X4 + 0.42CA + 61.7、(女性)-0.469X1 + 0.489X2 – 0.587X3 – 0.267X4 + 0.36CA + 60.5である。このとき、X1,連続上腕屈伸(回/30秒); X2, 8の字歩行(秒); X3, 豆運び(回/30秒); X4, ファンクショナルリーチ(cm); CA, 暦年齢(歳)である。その後、体力年齢の算出式の妥当性を確認した。当日の発表では、筆者が開発した、認知機能を要する新しい運動プログラム「スクエアステップ」についても紹介する。