中井敏晴1)
1) 独)国立長寿医療研究センター 神経情報画像開発研究室
高齢者を対象とした運動訓練教室はすでに全国的に展開されており、運動訓練が認知症予防に有用との報告もある。そのような運動訓練を長期的に継続するための在宅支援技術が重要と考えられる。さらには、遠隔モニタされた映像から運動特徴を抽出し、高次運動中枢の機能低下が捕捉できれば認知機能低下の早期検出に利用可能と期待されるが、訓練支援者にとってはカメラを介した映像情報を目前で行われる運動と同様に認識することは困難である。従って、リアルタイムの画像解析による運動特徴抽出の手法が必要になるが、検出可能な兆候が脳機能から見てどのような変化と関連しているかを明らかにしなければ、具体的な根拠にならない。そのようなフレームワークを構築するために、低コストで家庭に普及可能なIPカメラを使って簡単な動作に見られる加速度や軌跡の動揺などの変化と、神経心理検査の結果、脳活動の加齢性変化の関係を検討した。fMRIを使った脳機能計測では、体力測定で用いる動作そのものを使えないために運動制御の神経ネットワークを考慮した等価なモデルとして置き換える必要があるので、そのためのアプリケーション開発を行った。その結果、これまで、総量で評価されていた体力測定課題をモーションキャプチャやキーボード入力による操作に置き換えることにより、より詳細な認知過程の評価が可能となった。