高齢者立ち上がり動作の運動分析
金井章1),後藤寛司1),冨田秀仁1),中井敏晴2),田中あゆ子2),神谷直樹2)
1) 豊橋創造大学保健医療学部 2) 国立長寿医療センター研究所
高齢者の全身運動の特徴抽出を遠隔にて行い、その情報をリアルタイムで訓練支援者に提示するシステム開発のため、抽出対象とする運動特徴についての検討を行った。平均年齢78.5±4.9歳の高齢者を対象とし、立ち上がり動作を計測した。動作の計測にはネットワークカメラCG-WLNCPTGL(Corega社製)を用い、二次元動作解析ソフトTOMOCO-Lite(東総システムズ社製)を用いた。被験者は、前方においたライトの点灯を合図にして素早く立ち上がりを行った。得られた結果から、腸骨稜マーカー上昇速度と膝関節伸展角速度の最大値について、同日に計測した運動機能評価(8の字歩行、ファンクショナルリーチ)と比較検討した。その結果、腸骨稜マーカー上昇速度は8の字歩行(r=-0.63)、ファンクショナルリーチ(r=0.68)と有意な相関が認められた。膝関節伸展角速度は、8の字歩行(r=-0.37)とは有意な相関が認められなかったが、ファンクショナルリーチ(r=0.49)とは有意な相関が認められた。今回、遠隔にて高齢者の動作を評価するため、安全性を考慮して移動を伴わないその場での立ち上がり動作を計測したが、運動機能評価との相関が認められその有用性が確認された。