映像による運動計測システムの開発とその応用
長谷川純一1,2),二宮慎太郎2),田中あゆ子3),中井敏晴3)
1)中京大学大学院情報学研究科,2)中京大学情報理工学部,3)国立長寿医療研究センター
人の認知機能の解明には,脳機能解析から得られる知見と動作解析から得られる特徴との間の関連性を定量的に調べることが有効である.それには,種々の現場で手軽に利用できる運動画像計測システムが必要となる.本稿では,筆者らが開発を進めている画像計測システムの概要とその応用例について述べる.
本システムのハードウェアは,可搬性と経済性を重視して,市販のノートPCとCCDカメラのみで構成した.ソフトウェアは,対象物体のマーカーをリアルタイムで追跡することを目的とし,これを比較的簡単な画像処理手法の組み合わせで実現した.また,異なる種類のマーカーにも対応できるよう,追跡すべきマーカーの形状や色をシステムが事前に取得する機能も装備した.
予備実験として,このシステムを実際に“指タッピング運動”,および,“豆運び運動”に適用した.その結果,前者では,被験者の各指先に付けたカラーマーカーを比較的良好に追跡でき,そこから得られる運動特徴は脳機能との関連性を調べる材料として使えることが分かった.後者では,照明条件を適切に選べば,豆運びの箸先に付けたカラーマーカーを良好に追跡でき,豆運び回数の自動計測や個人の動作特徴解析のほか,在宅運動訓練支援などにも利用可能であることを確認した.