今回は新作を4点製作しました。
まずはファンタジーやおとぎ話に登場するような、魔術師や魔女をイメージして作ったコスチュームのご紹介です。
シルバニアさんたちはどんな魔法を使うのだろう?
そう考えた時、私の中では、自然に寄り添う中で生み出された知恵や技術を活かした、素朴であたたな魔法を使っているシルバニアさんたちを思い浮かべます。
天気や前兆を予知したり、滋味深い食事やハーブティーを振る舞ってくれたり、心を落ち着かせるためのおまじないを教えてくれたり。
時には人間から知識を学ぶため、あるいは人間が育てたお庭の薬草を拝借するために、まるで小人や妖精のように人間の世界へやってくることもあるかもしれませんね。
そう考えると、まるでシルバニアと私たち人間の世界が繋がってるようでワクワクしませんか?
ほら、今も私たちの知らない所で、シルバニアさんたちがこっそりとこちらの世界に遊びにきているかもしれませんよ。
ドレスシャツの上から羽根マントをまとったお洋服のセットです。
人間の世界とシルバニアの世界を自由に往来できる魔術師というイメージで作りました。
きっと人間の世界に落ちていた羽根を拾い集めては持ち帰って、一枚一枚丁寧に張り合わせて作った、とっておきのマントなのでしようね。
派手な後ろ姿が目を引きますが、存外人間の世界ではカモフラージュに最適なのかもしれません。
マントには天然の羽根を使用しています。
そのためどうしても束割れや曲がり癖、欠け、個体差などがございますが、羽根本来が持つ色の鮮やかさや繊細でリアルな輝きは、本物だから出せる美しさです。
後ろ姿はさながら羽根標本のようです。是非とも飾る時は背中のマントを見せるように並べて、羽根の造形美をお楽しみください。
マント部分は腕が動かしやすいように肩より後ろ側に取り付けていますので、ポーズがとりやすいデザインとなっています。
また羽根の重ね合わせ方で、裾広がりになるように後ろのシルエットを作ったのもこだわったポイントです。
羽根が束割れした場合、重なった順番に元の位置に戻し、指先で優しく羽根をなぞると直ります。少し根気のいる作業になるかと思いますが、大切に扱っていただけると嬉しいです。
なおフェイクファーはコームでとかしてあげると、毛並みが整いますのでこちらも是非お手入れをしてあげてください。
スモックにドロワーズを合わせたお洋服のセットです。
背丈の低いモグラさんやビーバーさんに着せると、まるで土の妖精ノームのようでとても可愛らしいです。
また長めのとんがり帽子を合わせれば、さながら魔女のようになります。
とんがり帽子には馬布(ばふ)という生地を使用しています。
高密度で織られた丈夫な生地でありながらも、程よく薄手で、長年使い続けたような柔らかな風合いがあり、いい意味で野暮ったい、脱力感のある素朴な印象に仕上がっています。
ドロワーズは、四分円の外周と長方形の布を組み合わせ、裾にゴムを通して引き締めることで、樽のようなシェイプを作り、上着のスモックと合わせた時にふわっと裾が広がるようなフォルムに仕上げました。
スモッグも初めはヨーク部分にリボンやフリルをつけるつもりでしたが、素朴さを大切にして、装飾は全て無くしシンプルにまとめました。
究極の幼児フォルムを目指して作った、フェチ度高めのお洋服です。
是非とも目線よりやや上の位置にシルバニアさんを並べて、ローアングルから眺めてほしいです。
続いてはカップケーキでも作ってるような気分で仕立てた、ドレス2点のご紹介です。
例えば「くるみ割り人形」のクリスマス・ツリーを飾った広間や、機械仕掛けの人形を売る「人形の精 」の小さなおもちゃ屋さんのような。
幕が上がった瞬間に登場する、あのキラキラとした世界は、いつ見ても夢にあふれていて、私たちに幸せの魔法をかけてくれます。
いつかシルバニアさんにも「くるみ割り人形」や「人形の精 」で登場する世界各国の衣装を着せて、バレエの舞台のように並べて遊んでみたいな。
そんなことを密かに夢見ながら、製作したドレスたちです。
ヌードピンクにコーニッシュクリームの生地を合わせた、ふわふわで甘〜いロマンテックなドレスです。
「立てば芍薬、座れば牡丹」と言いますが、このドレスの場合、立ち姿は貴婦人のように凛々しく見えるのに、座らせた途端まるで赤ちゃんのような可愛らしいお人形さんに見えます。
座った状態でもスカートが綺麗に広がりますので、たまにはぺたんと座らせて飾るのもいいかもしれませんね。
ミニチュア服に限らず、人間のお洋服を作る時も、直線フリルのギャザー分量は、付け幅に対して1.3倍が私の基準です。そこから量感や出来上がり寸法、生地の厚みなどを考えて微調整をしていきます。
今回のドレスでは、裾下のフリルが1.2倍、両フリルが1.3倍と、軽めの印象になるように仕立てています。
ギャザーの寄せ方にも好みはあると思いますが、参考になれば幸いです。
メインの一枚を撮るために、「人形の精 」でフェアリードールが登場する一場面をイメージして、カルトナージュの人形箱を作ってみました。
機械仕掛けの人形ではないので、バレエのように踊ってはくれませんが、きっと「歩く姿は百合の花」なんでしょうね。
19世紀末に流行したバッスルスタイルをイメージして作ったドレスです。
ある日夢の中でバッスルドレスを着たシルバニアさんと、ドレスの平面展開図がパッと浮かんで。起きてから忘れないように絵に描いて、形にして作ったのがこのドレスです。
夢のような製作話ですが、現実は「こんなところどうやってミシンで縫うんだ!」「縫製手順に無理がある!」と、泣きべそをかきながら作りました。
まずは首にかけたゴムを伸ばして頭飾りを後ろ側に持っていきます。
それから、後ろの中心部分を首よりもやや上に引き上げて、シルバニアさんの後頭部に丸め込むようにひだ飾りをそわせます。
最後にドレスを着せながら、襟ぐりにひだ飾りを挟み込み、頭飾りを固定させます。
バッスルやらフリルやらリボンやらのギチギチのデザインで、マジックテープが止めにくいかと思います。焦らずゆっくりと着せ替えていただけたら幸いです。
出品は2023年5月21日(日)を予定しています。
再販作品もご用意もいたしますので、お楽しみに!ご縁がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
カリリロ
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