薄板軽量形鋼は、板厚が2.3mm未満のめっき鋼板を冷間成形して製造される鉄骨部材の総称です。様々な断面形状を作ることができる反面、複雑な座屈挙動を示すという課題があります。当研究室では、薄板軽量形鋼の座屈現象の解明と合理的な設計法の構築に取り組んでいます。
溝形鋼の座屈耐力を実験で調べた研究事例です。圧縮力が作用するリップ溝形鋼の有効断面積に曲げ座屈やゆがみ座屈が及ぼす影響を、組立材を対象とした軸圧縮試験を通じて明らかにしたり、最大耐力到達後の耐力劣化挙動を定量的に評価するための計算手法を提案しています。
複数の形鋼をドリルねじで接合した組立材の軸圧縮実験です。乾式接合された組立材の座屈挙動を紐解き、汎用的な座屈耐力評価法を提案しています。
八角形の断面形状を有する鋼管の座屈挙動に関する研究事例です。八角形断面を用いて局部座屈の発生を座屈を制御することで、同じ外径を有する角形鋼管に対して、重量を0.88倍まで削減しつつ、耐力を1.66倍にできることなどを明らかにしています。
主要な論文
多様な断面形状の薄板軽量形鋼組立材に対する弾性曲げ座屈耐力評価手法(https://doi.org/10.3130/aijs.89.342)
全体座屈とゆがみ座屈がリップ溝形鋼の有効断面積に及ぼす影響(https://doi.org/10.3130/aijjse.70B.0_300)
高強度薄鋼板を用いたドリルねじ接合部の1面せん断耐力評価(https://doi.org/10.3130/aijt.30.148)
Evaluation of post-maximum strength behavior of lipped channel under compression(https://doi.org/10.1016/j.tws.2022.109939)
圧縮力が作用する冷間成形溝形断面部材の弾性ゆがみ座屈耐力と座屈挙動(https://doi.org/10.3130/aijs.87.139)
曲げと圧縮が作用する薄肉長方形断面部材の弾性局部座屈耐力および最大耐力(https://doi.org/10.3130/aijs.84.97)
隣り合う板要素の幅が異なる薄板軽量形鋼の弾性局部座屈耐力および最大耐力(https://doi.org/10.3130/aijs.83.1051)
軸圧縮力が作用する薄肉八角形断面部材の局部座屈耐力(https://doi.org/10.3130/aijs.82.713)