設計最高速度:110km/h
営業速度:100km/h
起動加速度:2.23km/h/s 常用減速度3.7km/h/s
歯車比:5.31(16:85)
主電動機:TM-63(1C8M) , TM-64(1C4M)
概要
路線データの指定車両にしている東武8000系は、1963年~1983年の20年間で私鉄最多の712両が製造された東武鉄道を代表する通勤電車です。両数の多さと製造期間の長さから、『私鉄の103系』と呼ばれています。712両という数は2023年現在でも破られていません。103系との主な相違点として、偶数編成では常にMT比1:1を維持すること、電気ブレーキを搭載していないこと、長距離運転を考慮し空気バネ台車と強力な主電動機が使用されていることが挙げられます。1986年から開始された修繕工事により、バラエティー豊かな形式となりました。デビューから40年以上廃車を出さずに走り続けてきましたが、新型車両への置き換えや老朽化で、次第に数を減らしています。2022年の時点では204両が残存していましたが、減便や10000系列のローカル線区への転出に伴い、更に廃車が進みました。2024年3月現在は184両にまで減少。更に東上線系統ではワンマン運転対応の4両編成11本が活躍しています。
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運転関連
本形式は、コスト削減の目的で電気ブレーキを搭載しておらず、走行機器は必要最低限に抑えられています。後継車両と比較して加速性能は劣りますが、それでもMT比1:1で国鉄近郊型電車と同等の性能を持っています。車体も軽く造られていますので、60年前に製造開始された車両の割には軽快に走ってくれます。また、55段階という超多段制御(バーニア抵抗制御)により、加速時のショックは20キロ付近の回路繋ぎ以外殆どありません。ブレーキ操作に関しては全速度域において癖がなく、電磁直通ブレーキを搭載する形式の中では特に応答性が良いです。ただし、制動開始時及び電制失効時の癖を心配する必要が無い反面、ヌルヌルとした感覚に慣れ、弱いブレーキと強いブレーキを上手く使い分けるテクニックが必要です。一度に200kpa以上に加圧しないとズルズルと滑ります。中途半端なブレーキ操作は極力控えましょう。キビキビとした操作が出来れば、自分の手足のように自由自在に扱えると思います。実際の運転の様子を見ても他形式と比べて技量の差がハッキリと出ているように感じます。ワンマン運転をする線区では、停車からドア開扉までのロスを減らすため常用最大ブレーキで止まるケースが多く見られますが、最近ではショックを和らげる事を優先している方々も増えてきているようです。