これらの電気機関車は、1926年~1929年にE.E.(イングリッシュ・エレクトリック)社が開発した、イギリス製の電気機関車です。全長約10m、重さ約50tと小型で、運転室横に主電動機や抵抗器を搭載したことから、左右非対称なデザインになっていること、導入・譲渡された線区によって見た目や性能に若干の差異があるのが特徴です。全てのバリエーションの再現は出来ませんでしたが、僅かに残る情報を出来るだけ探し出し、雰囲気重視で制作しました。
東武鉄道初の電気機関車と導入されました。1両のみの導入だった為、1944年に総武鉄道と合併するまで、唯一の電気機関車でした。1955年にED4001に改番され、1972年に近江鉄道に譲渡されました。現在は東武博物館で保存されています。
1972年に東武鉄道から譲渡された後の仕様です。Hゴムが固定化されて、塗装が黄帯と青灰色になっています。見た目は殆ど東武時代から変わりませんが、多くの機器が国産品に交換されています。入替やキリンビール工場からの貨物の牽引に活躍しましたが、1986年に貨物輸送が廃止になってからは長期間留置され、2004年に廃車となりました。
野田線の前身である総武鉄道が導入した機関車です。ED10の姉妹車ですが、パワーがやや小さく、専ら野田線の貨物列車牽引に充当されました。
旧国鉄青梅線の前身である青梅鉄道が導入した機関車です。元々はデキ1形でしたが、合併時にED36に改番されました。1955年に廃車となり、西武鉄道に譲渡されました。このデータでは合併後の姿を再現しています。
ED36の譲渡後の姿です。秩父セメントの石灰石輸送に活躍しましたが、秩父線は勾配がきつく、非力な機関車では輸送量が減少してしまうため、より強力なE851が導入されると牽引機に充当される機会が減少し、1987年に廃車されました。
デキ1と同じグループの機関車ですが、イングリッシュ・エレクトリック社からの輸入機関車はこの2両だけでした。ウェスティングハウス・エレクトリック社製の凸型機関車と共に秩父セメントの石灰石輸送に活躍しましたが、電装品の改良が施工されなかった為老朽化が進行し、この2両は1976年に一足先に廃車となりました。