概要
ミトコンドリアと葉緑体は、真核生物のエネルギー代謝を担うオルガネラです。これらは、太古の時代に細胞内共生したバクテリアが起源であると考えられています。この説を証明するように、ミトコンドリアと葉緑体には独自のゲノムDNA(オルガネラDNA)が存在しています。しかし、オルガネラDNAの遺伝機構は、バクテリアものとは異なっており、また、その具体的な分子機構のほとんどはあまり理解されていません。私たちは、藻類や植物の分子生物学、生化学、細胞生物学、分子系統解析を通して、オルガネラDNAの遺伝機構の解明を目指しています。その成果は、オルガネラDNAの画期的な形質転換手法の確立やオルガネラの誕生機構の解明にも役立つと考えています。
●オルガネラの染色体(=核様体)の分子構造の解析
オルガネラDNAは生体内において裸で存在するのではなく、多彩なタンパク質と相互作用することで核様体構造を形成する。核様体のタンパク質構成は、バクテリアのものとは異なる。さらに、植物種間でも多様性に富む。
陸上植物トウモロコシのプロトプラストと単 細胞性緑藻クラミドモナスの細胞をSYBR Green Iで染色することでDNAを可視化し た.マゼンタは葉緑体クロロフィルの自家蛍 光,Nは細胞核,矢印は葉緑体核様体を示 す.
小林ら(2018) 化学と生物 Vol. 56, No. 10より転載
クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)
単細胞性緑藻です。当研究室で主役の生物です。小林研メンバーは、「かわいい!」と思っています。ゲノム編集も可能で、いろいろなツールが利用できます。
共同研究として、ゲノム編集を行うこともできますので、ご相談ください。
シゾン (Cyanidioschyzon merolae)
赤くないですが、紅藻です。硫酸酸性の温泉(pH<2)に生息します。遺伝子数が少なく、遺伝子改変も容易です。
ヒメツリガネゴケ(Physcomitrium patens)
相同組換えによる遺伝子改変が容易な陸上植物です。
ゼニゴケ
遺伝子重複が少なく、遺伝子改変・解析が容易です。
シロイヌナズナ
代表的な陸上植物のモデル生物です。
ニコチアナベンサミアナタバコ
外来遺伝子を発現しやすく、局在解析などで使用します。
大腸菌
実は、小林研で最も使用する便利な生き物です。機能未知のタンパク質を作製し、その機能を明らかにします。