2024年12月:Duc君の研究成果「Performance of a liquor-fueled direct internal reforming solid oxide fuel cell with a paper-structured catalyst」が国際学会誌「International Journal of Hydrogen Energy」に掲載されました。
https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2024.12.097
https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2024.12.097
https://doi.org/10.1002/fuce.202300133
研究課題名:燃料電池が切り拓くバイオマス利用資源循環の要素技術開発と実証
研究期間:2023年11月~2025年10月
概要:高効率発電技術である固体酸化物形燃料電池(SOFC)をバイオガスで作動させることができれば、水素インフラの構築が難しい途上国農村部に適した分散型電源として、地域の持続的発展に貢献することができます。バイオガスSOFCは、SDGsの「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「12.つくる責任つかう責任」、「13.気候変動に具体的な対策を」のみならず、水産養殖等の地域産業に導入することで「2.飢餓をゼロ」等、食料問題への対応や、途上国農村部の生活の質の向上に貢献することも期待されます。SOFCが途上国社会に受け入れられ広まって行くためには、SOFCの燃料多様性の向上や途上国農村部に適した排熱利用法の開発等、技術革新が必須です。本研究では、国内の多様な研究者との学際研究およびベトナムとの国際連携により、各要素技術の研究開発に取り組み、実証までを行います。
研究課題名:地域のバイオマスを利用した省エネ型エビ養殖システム高度化実証研究(ベトナム)
研究期間:2022年11月~2025年12月
概要:バイオガスSOFCによるグリーン電力供給とIoT水管理によるエビ増産システムを統合したエビ養殖システムを構築し、これを実証します。グリーン電力供給では、地域の未利用バイオマス(レモングラスの葉)とエビ養殖汚泥を樹脂製のメタン発酵槽に投入し、バイオガスを製造します。このバイオガスをSOFCに供給して高効率発電を行い、養殖池への空気供給(エビの育成に必要)の電力源として利用する循環システムを実証します。エビ増産システムでは、IoTを活用して養殖池の水質や養殖関連機器の常時監視・調整を行うとともに、微細な気泡で溶存酸素濃度を高めるマイクロバブルディフューザーを導入することで、エビの生存率・成長率を引き上げ、養殖生産量の最大化を図ります。IoTは、SOFCの運転管理にも活用されます。
研究課題名:物質・エネルギー循環の新潮流を生むバイオガス直接供給燃料電池技術体系の確立
研究期間:2020年10月~ 2024年3月
概要:燃料から直接電気エネルギーを取り出す燃料電池は、エンジン発電機の倍以上の高い発電効率を有するにも関わらず、途上国での導入事例はほぼ皆無です。我々は、燃料電池の地球規模の普及に向け、水素インフラを必要としないバイオマス廃棄物を資源としたサイクルを提案し、その核となるバイオガスの直接供給で作動する革新的燃料電池技術体系の確立に向けた国際共同研究を、ベトナム国家大学ホーチミン市校(VNUHCM)・ナノテク研究所(INT)と実施しています。